孫の配偶者が家族葬に参列する時のマナーや注意すべきこと
- 2022年10月07日

お葬式手配の「よりそうお葬式」
家族葬とは、家族や親族だけで執り行う小規模な葬儀のことですが、故人から見て孫の配偶者はどのように立ち振る舞えばよいのでしょうか。この記事では、孫の配偶者の参列、そしてお香典について、その考え方や参列時のマナーについて解説いたします。
孫の配偶者は家族葬に参列すべき?
まずは孫の配偶者の参列について考えてみましょう。身内だけで行う家族葬において、孫の配偶者は参列の範囲内なのでしょうか?
孫の配偶者は2親等 参列するのが基本
結論から言いますと、孫の配偶者は家族葬における「身内」に充分含まれます。ですから参列するのが基本です。
故人の孫は自身の祖父や祖母の葬儀にほとんどの場合参列します。そこに世帯を共にする妻が一緒に参列するのは自然なことです。
孫とその配偶者は故人から見て2親等。これは故人の兄弟姉妹と同じ距離になるわけですから、思いのほか近い関係性にあることが分かると思います。
ただし、孫の配偶者の参列は、孫と同じように「絶対」ではないでしょう。家族間の関係性や孫夫婦の判断で参列しなくてもよい範囲のようにも思えます。
家族葬 一般的な参列者の範囲
ここで、家族葬の参列の範囲について整理しておきます。
家族葬は、身内を中心とした小規模の葬儀の総称であって、参列の有無に明確な線引きはありません。ごく近しい身内だけで行われる家族葬もあれば、親族や一族ら数十人が集まる家族葬も珍しくありません。中には家族や親族ではないものの特に親しくしていた友人や近隣の人たちだけ特別に招くということもあります。
どこまでの人を呼ぶべきかは、喪主や遺族に委ねられているのです。基本的には次の2つの考え方が軸になるでしょう。
- 配偶者や直系の血族は参列する
直系血族(故人の祖父母、両親、子、孫)とその家族は基本的に家族葬に参列します。
- 傍系の親族は関係性による
傍系親族(兄弟姉妹、おじおば、甥姪、いとこ)の参列は、故人や喪主との関係によって判断が分かれるところです。絶対に参列しなければならないというものでもありません。
参列の目安は3親等までか
親等は次のように定められており、家族葬の参列の目安は3親等まででしょう。
0親等=配偶者
1親等=自身の両親、配偶者の両親、子とその配偶者
2親等=父方の祖父母、母方の祖父母、孫とその配偶者、故人の兄弟姉妹とその配偶者、配偶者の兄弟姉妹とその配偶者
3親等=父方の曾祖父母、母方の曾祖父母、ひ孫とその配偶者、おじおばとその配偶者、おじおばとその配偶者
ただし、4親等にあたるいとこは、親等こそ離れているものの、故人と同年代で、幼なじみ的な性格が多いため、参列するケースが多々見られます。
孫の配偶者 香典はどうする
さて、孫の配偶者が葬儀に参列するにあたり、香典はどのように考えればよいのでしょうか。
家族葬における香典の考え方
家族葬では、香典のやり取りをするケースとしないケースに分かれます。たとえ家族間であっても形式的に香典を交わす家もあれば、逆によそよそしく感じられることから香典を取り交わさない家もあります。これは、その家族の考え方や関係性によってさまざまです。
また、香典を出す場合はあくまで世帯でひとつの香典を包むのが基本です。孫が男性の場合は自身の名前で香典を出し、孫が女性の場合は夫の名前で香典を用意すればよいでしょう(夫婦の連名でも可)。
また、孫の配偶者の両親が参列できないときに香典を預けることも考えられます。その場合は「両親から預かって参りました」と、喪主に手渡しましょう。
香典金額の相場
香典金額の相場は、孫が20代や30代であれば1〜3万円、40代以上であれば3万円〜5万円だと言われています。
配偶者がともに参列する場合はこの金額に1万円は多く包むようにしておきます。ただし避けるべき数字とされているため「4万円」にならないようにしましょう。
香典を差し出すときのマナー
家族葬の場合、受付が設けられていない場合があります。その時は喪主への挨拶と共に直接手渡しましょう。袱紗から取り出し、袱紗の上に載せる形で差し出します。
もしも受付が設けてある場合は、記帳をして香典を差し出します。
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参列時のマナー、注意点
孫の配偶者が家族葬に参列する時に気を付けなければならないマナーや注意点について解説します。
服装
家族葬に参列するときは、一般的な喪服を着用します。
男性であれば、ブラックフォーマルのスーツ姿。ネクタイ、ベルト、革靴なども黒で統一します。女性の場合は黒のアンサンブルやワンピースを着用します。靴や鞄などの小物も黒で統一します。
孫夫婦にさらに子どもがいることも考えられます。乳幼児の場合は、葬儀にふさわしい控えめの色柄とデザインのものを選びます。黒、紺、グレーなどのもので、キャラクターがプリントされたものや派手なものは控えます。幼稚園児や小中学生の場合、制服があればそれを着用します。なければ、黒、紺、グレーを基調とした服装にします。男の子であればブレザー、女の子であればワンピースやカーディガンなどが一般的です。
葬儀は故人を悼むための場所です。参列者には個性を控える配慮が求められます。たとえば男性であれば腕時計や鞄など人目につくものは避けるべきです。女性の場合は、ナチュラルメイクにして、不要なアクセサリーは外します。
また、鰐皮の鞄やベルト、毛皮のマフラーなど、露骨に殺生を連想させるものは控えましょう。
持参すべきもの
参列の際は次のものを忘れないようにします。
- 香典
香典を差し出す場合は不祝儀袋に納めて、袱紗に包んで持参しましょう。
- 数珠
数珠は焼香の時に必要なものとなります。数珠袋に入れて持参するとより丁寧です。
- ハンカチ
葬儀におけるハンカチは白か黒のものが望ましいとされています。
小さい子どもを付き添わせる場合
孫夫婦に小さい子ども(故人のひ孫)がいる場合、もちろん一緒に参列しても構いませんが、葬儀の妨げにならないよう配慮が必要です。
子どもは急に泣いたりぐずったりするものです。乳幼児を抱いて参列するのであれば、出口に近い場所に座り、すぐに退出できるようにしておきましょう。
また、事前に葬儀社に相談して、おむつの交換や授乳、着替えなどができる場所を確認しておくと安心です。
職場への忌引き申請
孫の配偶者であっても、忌引き休暇は申請できます。前の章でもお伝えしましたが、「孫の配偶者」と聞くと遠い関係にあるように思えますが、実際には2親等とかなり近い関係にあります。
ただし、本人の祖父母と配偶者の祖父母で取得できる忌引き日数が異なる場合があります。目安は1日~3日からのようです。詳しくは勤め先に確認してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。孫の配偶者が家族葬に参列するのは一般的に行われていることです。参列時の注意点を確認していただいて、故人の最期を見届けてもらいたいものです。では、まとめとしてこの記事のポイントを箇条書きでおさらいします。
- 家族葬の場合、参列の有無の明確な基準はない
- 孫の配偶者は2親等にあたり、参列することが多い
- 家族葬の場合、直系の血族は参列し、傍系の親族は関係性によって参列するかしないかを決めるのが一般的
- 家族葬の参列は「3親等以内」がひとつの目安
- 香典は、形式に則って包むケースと、身内のことであるため包まないケースがある
- 香典金額の相場は、孫が20代や30代であれば1~3万円、40代以上であれば3万円~5万円
- 服装は一般的な喪服(ブラックフォーマル)を着用する
- 数珠、ハンカチを忘れないようにする
- 小さい子供がいるときは葬儀の妨げにならない配慮が求められる
- 孫の配偶者であっても忌引き休暇は取得できる
孫とその配偶者に参列することできっと故人も喜んでくれることでしょう。マナーに十分配慮しつつ、家族や親族みんなで故人の最期を送り出しましょう。

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