通夜・葬儀に着ていくコート、色や素材で注意すべきこと
- 2023年05月17日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
冬場の通夜・葬儀への参列では、季節柄、コートをはじめとした防寒用の上着が必要になります。
フォーマルな場での防寒着はどのような点に気をつけて選んだら良いのでしょうか。普段着ているコートで葬儀に出席するのはマナーとして正しいのでしょうか?
本記事では、お葬式に着ていくコートについて、色や素材で、注意すべきこと・気をつけた方が良いこと、さらには購入方法について解説します。
目次
通夜・葬儀に適したコートの重要性
通夜や葬儀に参列する際、適切なコートを選ぶことは非常に重要です。
葬儀では黒の喪服を着用するため、コートの色も黒が基本です。また、参列者は故人への敬意を示すためにも、フォーマルで整った服装を心掛ける必要があります。
コート選びが適切であれば、葬儀会場で他の参列者と共に違和感なく過ごすことができ、故人への敬意を示すことができます。
さらに、季節に応じた防寒対策も考慮することで、火葬場への移動、屋外での待ち時間、葬儀後の墓参りなどでも快適に過ごせるでしょう。
コート選び、4つのポイント
通夜や葬儀の参列する際のコート選びでは、次の4つのポイントを押さえましょう。
色選びのポイント:黒が基本。濃紺も可
通夜や葬儀に参列する際のコート選びでは、まず最初に考慮すべきポイントが色です。
一般的に、葬儀においては黒が基本です。黒は喪服と同色で、故人への敬意を表す色であり、フォーマルな場でのマナーとしても定着しています。
どうしても黒のコートができない場合は濃紺など、上品で落ち着いた印象を与える色のものを選びましょう。その他、ブラウンやグレーなどのダークカラーのコートも許容範囲内です。
とはいえ、やはり最も参列に適しているのは黒です。濃紺やグレーなどは、どうしても黒のコートが用意できなかった時のみ着用しましょう。
素材にこだわる:ウールやカシミヤが適切
次に、コートの素材選びも重要なポイントです。
通夜や葬儀に参列するためのコートは、見た目に礼節さを保つだけではなく、その保温性が大切です。特に冬場の通夜の参列は寒さが厳しいため、自身が快適に過ごせるコートを選びましょう。
素材でおすすめなのはウールやカシミヤです。保温性が高く、軽いために着心地もよく、見た目も高級感があります。また、これらの素材は通気性が良く、体温調節がしやすいため、長時間の葬儀参列でも快適に過ごすことができます。
ウールはコストパフォーマンスに優れており、さまざまな価格帯で購入することができます。一方、カシミヤは肌触りが良く、軽くて暖かいのが特徴ですが、価格が高めになります。どちらの素材も、通夜や葬儀に適した上品な印象を与えるため、素材選びにはこだわりたいところです。
丈に注意:膝丈以上が望ましい
コートの丈選びも、通夜や葬儀に参列する際に注意すべきポイントのひとつです。
通夜や葬儀の参列で着用するコートは、膝丈以上の長さが望ましいとされています。これは、膝丈以上のコートが全体的に見た目のバランスが取れており、礼節にかなった印象を与えるためです。また、膝丈以上のコートは、防寒性も高く、屋外での待ち時間や墓参りなどでも快適に過ごせるでしょう。
一方で、あまりにも丈が長すぎるコートは動きづらくなることがありますので、足元まで届くロングコートは避けるようにしましょう。
適切な丈のコートを選ぶことで、礼節にかなった印象を与えるだけでなく、参列のしやすさといった機能性も確保できます。
装飾を控えめに:シンプルで上品なデザインが好ましい
最後に重要なのが、デザインです。
通夜や葬儀に参列する際のコートは、シンプルで上品なデザインが好ましいとされています。これは、故人への敬意を示すためにも、目立ちすぎない服装が求められるからです。
具体的には、装飾が少なく、無地のものを選ぶことが望ましいです。また、襟やポケットなどのデザインも、シンプルで上品なものを選びましょう。ボタンも、金属製のものや派手な色は避け、同色系のものや黒などの落ち着いた色を選ぶことが望ましいです。
以上のポイントを踏まえて、通夜・葬儀に参列する際に適切なコートを選ぶことで、故人への敬意を示しながら、自分自身も快適に過ごすことができます。色や素材、丈、デザインなど、各要素に注意を払いながら、最適なコートを選びましょう。
コート選びの注意点
葬儀は故人を送り出す大切な儀式ですから、守るべきマナーがあります。コート選びの際の注意点をまとめました。
冠婚葬祭に毛皮はタブー
毛皮・革製品・ファー(毛皮)などは、そもそも人目を引くものとして避けるべきです。葬儀では、参列者は慎ましい服装にするのがマナーです。
また、毛皮など、動物の”殺生”を想像させる素材は、仏教の観点からも身に着けるべきではありません。
襟のファーは必ず取り外す
もしもファー付きのコートを着用したいのであれば、ファーを外して参列しましょう。フェイクファーでも、他の参列者の目にはフェイクではなく、本物の毛皮に見えてしまうかもしれないので、着用しないのが無難です。
光沢や華美なデザイン・素材は避ける
装飾的なレース、ボア素材、光って見えるようなビニール素材は避けましょう。
また、コートのボタン、靴、バッグなどについている金具も、目立たないものを選ぶ配慮が求められます。
カジュアルなコートは避ける
カジュアル・スポーティーな印象を与えるコートは避けるのが無難です。
フード付きのダウンジャケット、ダッフルコートトレンチコートなどは、フォーマルな印象からかけ離れています。館内ではコートを脱ぎますし、黒色のものであればそこまで目立ちませんが、可能であればよりフォーマルに近いものにしましょう。
コートの購入方法:選ぶべきショップやブランド
通夜・葬儀に参列する際のコートを購入する方法はさまざまですが、ここでは専門店での購入、オンラインショップでの購入、人気のブランドと価格帯について解説します。
専門店で購入するメリット
紳士服店や百貨店など、専門店でコートを購入することの一番のメリットは、品質の高さです。
専門店には、必ず葬儀に適したコートが並んでおり、素材やデザインにこだわった商品が揃っています。また、専門店のスタッフは、葬儀に関する服装マナーに精通しているため、こちらの疑問にもしっかりと耳を傾けて、適切なアドバイスをしてくれます。
さらに、専門店ではオーダーメイドやサイズ直しサービスが利用できることもあり、自分にぴったりのコートを手に入れられます。
ただし、オンラインショップなどで購入するよりも、価格がやや高くなることが多いです。
オンラインショップでの購入ポイント
オンラインショップで葬儀用のコートを購入するには、いくつかのポイントに注意しなければなりません。
まず、信頼性のあるショップを選ぶことが大切です。ショップの口コミ評価などを通じて、スタッフの対応、商品の梱包、注文から到着までのスピードなどを確認しておきましょう。
また、オンラインショップでの買い物は試着ができないため、商品の詳細ページには、素材やデザイン、サイズなどの情報をよく確認して選ぶことが大切です。また、購入前にサイズ表をチェックし、自分に合ったサイズを選ぶことも重要です。
オンラインショップで購入するメリットとしては、価格が比較的安く、多くのブランドやデザインから選ぶことができる点です。ただし、実際に商品を手に取って確認できないため、購入後のサイズ直しや返品・交換が必要になる場合があります。
人気のブランドと価格帯
葬儀用のコートを選ぶ際には、専門店に出向いて人気のブランドや価格帯も参考にすると良いでしょう。
例えば、日本では「洋服の青山」「洋服のはるやま」「AOKI」「紳士服コナカ」などの紳士服店には、さまざまなブランドの葬儀用コートが並びます。
価格帯は、ブランドや素材、デザインによって異なりますが、一般的に1万円から5万円程度が相場となっています。
高級ブランドのコートも、葬儀に参列する際に適切なデザインや素材のものであれば使用できますが、あまりにも高価なものは避けるべきです。故人への敬意を示すためにも、派手すぎず、控えめなコートを選ぶことが大切です。
また、葬儀用のコートを一着持っていると、いざという時に大変便利です。そのため、オフシーズンの割引価格で購入しておくのもひとつの方法です。こうしたセールやキャンペーンを活用して、適切な価格帯で葬儀用のコートを購入しましょう。
冬の葬儀における防寒対策:コート以外のアイテム
冬の葬儀に参列する際には、コートだけでなく、他の防寒アイテムも活用して、寒さ対策をしっかり行いましょう。ここでは、ショールやストール、手袋やマフラー、そしてインナー選びについて解説します。
手袋やマフラーの選び方
手袋やマフラーは冬の葬儀の参列に欠かせない防寒アイテムです。
黒や濃紺などの地味な色の手袋を選び、できればウールやカシミヤなどの高品質な素材を使用したものが望ましいです。指先が出るタイプの手袋は、見た目にも目を引き、違和感を抱く人もいますので、避けておくのが無難です。
また、マフラーも同様に地味な色でシンプルなデザインのものを選ぶことが重要です。こちらもウールやカシミヤなどの保温性の高い素材を選びましょう。
ショールやストールを活用する
女性の場合、冬の葬儀ではショールやストールを上手く活用することで、寒さ対策を行うことができます。また、ショールやストールは、冬場だけではなく、夏場の式場内での冷房対策にも役立ちます。
黒や濃紺などの地味な色合いのショールやストールを選び、葬儀に適した装いに合わせて使いましょう。
素材にはカシミヤやウールなどの保温性の高いものがおススメです。ただし、派手なデザインや装飾のあるものは避けるようにしてください。
防寒対策のためのインナー選び
冬の葬儀に参列する際には、インナー選びも防寒対策の一環として重要です。まず、肌着には吸湿発熱素材や保温性の高い素材を選びましょう。また、シャツやブラウスの下には、薄手のヒートテックなどのインナーを着用することで、より保温性を高めることができます。
女性の場合は黒のストッキングを履くこととなるでしょう。葬儀の際に着用するのは、20〜30デニールが基本ですが、冬場であれば50デニールくらいまでであれば問題ないとされています。厚手の方が保温性は高まりますが、透けてないものは葬儀にふさわしくありません。
会館内や焼香の時のコートの取り扱い方
どんなに冬場であっても、葬儀会館の中に入ると暖房が効いています。つまり、コートの役割は自宅から葬儀会館に到着するまでとなります。
会館に到着したあと、コートはどのように取り扱えばいいのでしょうか。
会館内ではコートを脱ぐのがマナー
葬儀会館に到着した際は、会館内での暖房の効果により、コートを着用していると暑く感じることがあります。そのため、会館内ではコートを脱ぐことがマナーとされています。
また、式の進行中にコートを脱ぐことは故人への敬意を欠く行為とされるため、会館に入る前に脱ぐようにしましょう。
控室のハンガーに懸ける
親族は、親族専用の控室を利用するのが一般的です。その場合、コートは控室に懸けておくことができます。もしも、他の親族と共有し、ハンガーが足りない場合は、コートをきちんと畳んで、自分の荷物の上に置いておくと丁寧です。
クロークに預ける
葬儀会館にクロークが設置されている場合は、コートを預けることができます。クロークに預ける際は、名前が書かれたタグを付けるか、自分で持参した紙に名前を書いてコートと一緒に預けると、引き取りがスムーズに行えます。
片手に持っておく
会館内にクロークや控室がない場合は、片手に持っておくことになります。この際は、コートをきちんと畳んで、荷物が床につかないように注意しましょう。
焼香の時は手荷物台を使用する
焼香の際には、手荷物台が用意されていることが多いです。手荷物台を利用することで、焼香中にコートが床に触れることがなく、手荷物の管理もスムーズに行えます。焼香が終わったら、手荷物台からコートを取り、再び持っておくようにしましょう。
まとめ
寒さ厳しい冬場の参列にはコートは不可欠です。参列の際は、会場の雰囲気に違和感を与えない最低限のマナーを守りましょう。
葬儀の時に着用するコートは黒が基本です。どうしても黒のものがない時は、濃紺などを着用します。礼節を保ち、保温性にすぐれたコートを一着持っておくと、いざという時に安心です。
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