一周忌に用意するものは？喪主側と参列者側でそれぞれ解説

一周忌とは？

一周忌とは、故人さまがご逝去されて1年経った日に行われる法要のことを言います。

周期は満年齢と同じ数え方なのに対し、回忌は数え年と同じ数え方をするため、一周忌
＝二回忌です。

回忌にも周忌にも特別に法要する年があります。

一般的に行われるのは、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、三十七回忌、五十回忌です。

こちらを見てもわかるように、ほとんどの法事が周忌ではなく回忌で行われます。ただし、一周忌だけは周忌で行われるので覚えておきましょう。

一周忌は誰を招くか

一周忌に招く人の範囲は家庭や地域の慣習によって変わりますが、一般的には以下の方々が対象です。

• ご遺族
• 親族
• 故人さまと親しかった人々

お葬式ほど広範囲に声をかけることは少なく、近親者やごく親しい人に限定する傾向にあります。一方で、必要に応じて会社関係や近所の方を呼ぶこともあります。

誰を招くかどうかは施主を中心に、家族や親族と相談しながら決めるのが基本です。家族の意向や参列者の負担なども考慮しながら、招待者を決めていきます。

一回忌とは

一回忌とは、故人さまがご逝去した日を指します。

命日は1回目の忌日とされており、その後は毎年の命日ごとに「二回忌」「三回忌」と数えます。一周忌の後に行われる大きな法要として三回忌がありますが、三回忌はご逝去されてから2年後の命日です。

三回忌といっても3年目ではなく、2年目の命日である点に注意しましょう。

一周忌とは

一周忌とは、故人さまがご逝去されてからちょうど1年後に行われる仏教の法要です。

この一周とは、365日（うるう年は366日）が一巡したことを意味します。初めての年忌法要であり、故人さまを偲び、ご遺族や関係者が集い思い出を分かち合う大切な節目です。

一般的に、一周忌を迎えることで「喪が明ける」とされますが、正式な定義や法的根拠はありません。地域や宗派、家庭によって考え方に差があります。

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参列者への案内状

参列者に向けて、一周忌を行う旨の案内状を用意しましょう。

一周忌ではお斎や引き出物の準備が必要となるため、返信ハガキまたは往復ハガキで出欠を取ります。

案内状には以下の内容を記載します。

• 故人さまと施主の氏名
• 一周忌の案内
• 日程
• 場所

会食やお墓参り、卒塔婆供養、納骨などを行う場合は、その旨についても記載しましょう。案内状を作成する際には句読点を使用しないのが一般的です。

また、不幸が重なるという意味合いから二重封筒は避け、封筒は白無地の単封（たんぷう）封筒を使用しましょう。案内状は法要の1ヵ月前までに送るのが目安です。

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法事の流れとしては、以下のようなものがあります。

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菩提寺への連絡・僧侶（お坊さん）の手配

一周忌を行う際は、菩提寺に連絡をしてお坊さんの手配を行います。

菩提寺がない場合は、初七日法要や四十九日法要を依頼したお坊さんに依頼するのも方法の一つです。

なお、よりそうお葬式ではお葬式や法事にお坊さんの手配ができる「よりそうお坊さん便」のサービスを提供しています。

このサービスは宗派や地域に関係なく、お坊さんの派遣が可能です。

お供え物、供花の手配

一周忌を行うにあたって、故人さまの祭壇が寂しくならないようにお供え物や供花を用意しましょう。

参列者からいただく場合もありますが、施主側でもあらかじめ用意しておくことで、祭壇が華やかになり故人さまを丁寧に偲ぶことができます。

供花は白を基調とした生花を供えるのが一般的です。胡蝶蘭やユリがよく選ばれますが、故人さまが好きだった花を選ぶのもよいでしょう。

お供え物は線香やローソク、果物、日持ちするお菓子などが選ばれやすく、季節感も考慮して選びましょう。

一周忌を行う場所の手配

施主は、一周忌を行う場所の手配も必要です。

一周忌は以下の場所で行われることが多いです。

• 自宅
• お寺
• ホテル
• 法要会場

自宅で行う場合は手配の必要はありませんが、自宅以外の場所で行う場合は早めに手配を進める必要があります。

自宅以外で行う際には、「お坊さんや参列者が来やすいか」「予算に合うか」なども総合的に考えて決めましょう。

僧侶（お坊さん）へのお布施など

一周忌では、お坊さんへのお布施も準備する必要があります。

お布施の金額に明確な決まりはありませんが、一般的な相場は30,000円〜50,000円です。実際には、地域や宗派、お寺との関係性などによって異なります。

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お斎（おとき）の食事の手配

一周忌でお斎を行う場合は、人数分の食事を手配しておきましょう。

お斎の費用相場は1人あたり3,000円〜10,000円程度です。お斎を行う場所は、自宅またはお寺や法要会場、レストラン、ホテルなどです。

お坊さんがお斎に参加しない場合は、御膳料として5,000円〜10,000円をお渡しします。

参列者への引き出物

一周忌では、参列者に対して引き出物を用意します。

香典返しは、香典額の半額〜3分の1程度の品物を選ぶのが一般的です。

何を贈るべきかや、贈る際のマナーもあるので、しっかりと基本を押さえておきましょう。

香典返しで使用するのしの表書きには、「志」「粗供養」といった決まった書き方があります。

水引にもマナーがあるので、親族のみの法事であったとしても、のしの礼儀はきちんと行うことが重要です。

埋火葬許可証

埋火葬許可証は納骨時に必須の書類で、ご火葬後に火葬場で証明印が押されたものです。

自治体によって埋葬許可証と呼び名が異なる場合もありますが、いずれも納骨時には墓地や霊園の管理者に提出しなければなりません。

紛失した場合は火葬許可証を発行した役所に本人確認書と印鑑を持参し、再発行の申請を行いましょう。

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墓地使用許可証

墓地使用許可証は墓地や霊園の管理者から発行される書類で、その墓地や納骨堂を利用する権利があることを証明するものです。

新たにお墓を購入した場合や、既存のお墓に納骨する場合も、管理者から発行された墓地使用許可証が必要となります。大切に保管し、必要なときにすぐ提示できるようにしておきましょう。

なお、墓地使用許可証を紛失した場合、管理者に申請すれば再発行が可能です。

卒塔婆

納骨の際には、宗派によっては卒塔婆が必要になる場合があります。

卒塔婆は故人さまやご先祖様を供養するために、お墓の後ろや脇に立てる木製の板のことです。故人さまの戒名や命日、経文、施主名、供養年月日などが墨書きされます。

卒塔婆の準備は事前にお寺に依頼して用意してもらい、法要の際に墓前にて供養するのが一般的です。宗派や地域、お寺の慣習によって対応が異なる場合もあるため、納骨で必要かどうかは事前にお寺に確認しておくとよいでしょう。

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墓前のお供え物

一周忌で納骨を行う際は、霊前に用意するお供え物が必要です。

お供え物の例として以下が挙げられます。

• 生花
• お線香
• 果物
• お菓子
• お水、お茶
• 乾物

肉や魚など殺生を連想させるものは避けます。にんにく・ねぎ・ニラ・らっきょう・ショウガなど、香りの強いものもお供え物にはNGです。

お供えした食べ物やお菓子は法要後に参列者が持ち帰ります。そのため、持ち帰りやすいサイズや個包装のものを選ぶのもポイントです。

案内状の返信

案内状が届いたら、できるだけ早く返信するのがマナーです。

基本的には返信用の紙や往復ハガキが同封されているため、これらを使って返信を行います。

案内状の返信をする際は以下に注意しましょう。

• 御出席または御欠席の「御」に二重線を入れて出席または欠席を丸で囲む
• 出席の場合は御欠席、欠席の場合は御出席に二重線を入れて消す
• 施主の名前の下に書かれている「行」を二重線で消して「様」に書き換える

また、出席の場合は「当日はよろしくお願いします。」、欠席の場合は「ご丁寧に案内をいただきながら、やむを得ず欠席いたします」など一言添えると丁寧です。

服装の準備

一周忌に参列する場合、フォーマルな服装が基本です。

以下の表に男性と女性の一周忌の服装をまとめています。

季節や会場、家族の意向によって多少の違いはあるものの、基本的には落ち着いた色とシンプルなデザインがマナーです。また、一周忌では派手な服装や露出は避ける必要があります。

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お香典の準備

一周忌に参列する場合はお香典の準備を行いましょう。

お香典は故人さまへの供養やご遺族への弔意を表すために包む金銭です。法要に招かれた場合は必ず用意して持参しましょう。

なお、一周忌の案内状に「香典辞退」と記載されている場合は、そのご意向に従い、無理に渡す必要はありません。

お供え物の準備

一周忌の参列者が準備するお供え物は消えものが基本です。

消えものとは、食べてなくなるものや使ってなくなるものです。法要後に参列者で分け合うことも多いため、食品であれば個包装で賞味期限が長いものを選びましょう。

お供え物の相場は故人さまとの関係性や地域の慣習によっても変わりますが、3,000円〜10,000円ほどです。

お供え物をお渡しする場合、風呂敷や紙袋から出して、施主に「御仏前にお供えください」と一言添えて渡すのがマナーです。仏前に自分で供えるのは避け、必ず施主や受付に渡しましょう。

また、のし紙は「御供」や「御仏前」とし、水引は白黒または双銀の結び切りを使用します。

数珠の準備

一周忌に参列する際には数珠が必要です。

数珠は読経やお焼香の際に使用する仏具で、仏式の法事において数珠は基本的なマナーとされています。喪主やご遺族に限らず、参列者も同様に必要です。

数珠にはすべての宗派で使用できる略式数珠と、宗派ごとに決められた正式数珠があります。宗派が分からない場合は略式数珠を持参するとよいでしょう。

また、数珠の貸し借りはマナー違反とされる点にも注意が必要です。

一周忌の準備スケジュール

一周忌法要の準備は余裕を持って早めに進めることが大切です。

一般的なスケジュールは以下のとおりです。

一周忌は2〜3ヵ月前から準備を始めると、当日は余裕を持って法要を執り行うことができます。特にお坊さんや会場の手配、案内状の発送などは早めに進めることが大切です。

一周忌後について

一周忌を終えた後は、参列者やお供え物・お香典を送っていただいた方に対して、お礼状を送るのが一般的です。必ず送らなければならないというルールはありませんが、お礼状を送ることで感謝の気持ちを伝えられます。

一周忌に参列していただいた方には、一周忌の当日に返礼品と併せてお礼状をお渡しします。一方で、参列できなかった方に対しては、法要が終わってから1週間以内を目安にお礼状を送付するのが望ましいです

何らかの事情で返礼品の発送が遅れてしまう場合は、先にお礼状だけでも届けるようにしましょう。法要からあまりにも期間が空いてしまうと、先方に対して感謝の気持ちが伝わりにくくなるため注意しましょう。