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葬儀/告別式の流れ、準備手順とスケジュールについて

葬儀/告別式の流れ、準備手順とスケジュールについて
  • 2024年11月20日

お葬式は、お亡くなりになった方のお別れやお見送りをするための儀式です。故人さまとの最期の時間を大切にするためにも、お葬式の流れやマナーは知っておきたいところです。

この記事では、お葬式の概要や役割、流れなどを紹介します。

記事の監修

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

お葬式とは

お葬式とは、故人さまが安らかに眠れるようにするための儀式で、世界各国でさまざまな形式で行われています。

また、お葬式は故人さまと関わりのあった人々が気持ちを整理するための場所でもあります。ここでは、お葬式について詳しく解説していきます。

お通夜とお葬式の違い

お通夜は、さまざまあるお葬式の儀式の一つとなります。

親族や関わりの深い親しい人が夜通し故人さまに付き添い、別れを惜しみながら最後の夜を過ごす儀式です。

現在のお通夜は18〜19時頃から始まり、数時間かけて行われるケースが多くなっています。

故人さまがお亡くなりなった翌日に弔問客を迎えてお通夜を行い、翌々日に葬儀・告別式という日程が組まれるのが一般的です。

また、お通夜にはお亡くなりになった当日の夜に、ご遺体を納棺して親族だけで行う仮通夜と、その翌日に弔問客を迎える本通夜があります。

一般的にお通夜と呼ばれるものは本通夜であり、近隣の方々にもお知らせします。仮通夜はお坊さんを招いて読経してもらうこともありますが、最近は省略される場合も多いです。

葬儀・告別式とお葬式の違い

「葬儀・告別式」もお葬式の儀式の一つです。

「葬儀」は故人さまの冥福を祈る儀式、「告別式」は故人さまと最期のお別れをする式典という違いがあります。なお、葬儀・告別式のことをまとめてお葬式と呼ぶ場合も多いです。

宗派や宗教によって異なるものの、仏教ならお坊さんによる読経や焼香が行われます。いずれもお通夜の翌日の昼間に行われ、時間は1〜3時間ほどです。

その後は、出棺してご火葬となります。また、最近はご火葬後に続けて繰り上げの初七日法要が行われるケースがほとんどです。

「偲ぶ会」「お別れ会」は告別式

故人さまがお亡くなりになった場合に、お葬式とは別に偲ぶ会やお別れ会を設けるケースもありますが、これらは告別式の一つの形態です。

お葬式の参列者が多く見込まれる場合などに、お葬式とは別にお別れする場を設けるために行います。

形式を重んじる告別式とは異なり、故人さまが生前に好きだったものをモチーフにした空間を作るなど、自由なスタイルで執り行えます。

服装にも決められたスタイルはなく、平服での参列となっている会も多いです。

会そのものに宗教的な儀式は含まれないものの、宗教上のしきたりや慣習などに配慮して執り行う時期を決めるのが一般的となっています。

お葬式は宗教的な儀式!その役割とは

お葬式は宗教的な儀式!その役割とは

お葬式はお亡くなりになった方を葬るための儀式です。原始の時代にも弔いの儀式が行われていた痕跡があり、古くからあるごく自然な儀式といえます。

ここでは、お葬式の役割を解説します。

死後の世界に送り出す

お葬式は、故人さまの魂を死後の世界に送り出すための儀式です。宗教的な思想が大きく関係している考え方であり、宗教や宗派によって概念は異なります。

例えばキリスト教では、死後に神の御許で永遠の幸福を得るために行われます。仏教では死後の世界に送り出し、仏になる修行を積む故人さまを激励するための大切な儀式です。

共通しているのは、故人さまが死後の世界でおだやかに暮らせるように願いを込めること。

日本人は、他の民族に比べて普段は宗教にこだわることが少ない傾向にありますが、お葬式に関しては古くからの慣習やしきたり、風習に基づいて厳格に行うことが多いです。

故人さまの死を周りに知らせる

お葬式には、故人さまの死を周囲に知らせる役割もあります。

お葬式を執り行う際には、故人さまや友人や知人などにお知らせします。

訃報を受けた人たちはお葬式に集まり、事実として受け入れることができるのです。訃報を受け取っていない地域の方々も、お葬式によってその事実を知るきっかけになります。

このように、お葬式は周囲の人たちに知らせるうえでも大切な役割を担っているのです。

人と人は社会の中でさまざまなつながりを持つため、社会的にもその人がお亡くなりになったことを知らせる必要があります。

地域的にも社会的にも、お葬式を執り行うことは大切です。

命の大切さを知る

お葬式に参列することは、命の大切さを認識する場面となります。

人はやがて亡くなることを実感し、それによって命の尊さがわかります。ご遺族は命をより身近に感じるきっかけとなり、参列者も生が当たり前ではないことを実感するでしょう。

命の大切さを知ることで、何気なく生活している日々に変化が生じる場合もあります。例えば、生きていることへのありがたみを感じるきっかけにもなるでしょう。

また、次の世代の子どもたちが人の命や死について学ぶ場でもあります。親や周囲の大人たちは子どもに対し、人生が終わることの意味や命の重大さ、弔いの方法を伝える大切な場です。

このようにお葬式は故人さまの儀式であると同時に、残された人たちが命の大切さに気づける機会でもあります。

親族をつなぐ

お葬式は故人さまを中心とした親族の絆をつなぐ大切な場でもあります。冠婚葬祭や法事などの出来事がなければ、家族や親族が集まる機会は少ないでしょう。

お葬式を行う際には家族や親族が集まり、日ごろ顔を合わせることのない親族とも交流できる機会です。

故人さまの想いで話をしたり、自分たちの近況について話をしたりすることで、希薄になりがちな関係を深めるきっかけになる場合もあります。

故人さまにとっても、お葬式で集まった人々の絆が深まることは喜ばしいことでしょう。

お葬式の流れ・日程・タイムスケジュール

お葬式は、2日に分けて行われるケースが多くなっています。お通夜はお亡くなりになった翌日、その翌日にお葬式を執り行うのが一般的です。

ただし、火葬場が空いていないことにはお葬式を進めることができないため、火葬場の予約を優先しながらスケジュールを組む必要があります

近年は家族葬や一日葬など、お葬式のスタイルも多様化しているため、スタイルによっては一般葬とスケジュールが異なる場合もあるでしょう。

なお、お葬式はいつまでに行わなければならないというルールはありません。

しかし、ご遺体は時間が経つと腐敗していくため、きれいな姿で見送るためにも、すぐにお葬式を執り行うのが望ましいです。

お葬式の準備について

お葬式では、最初にお通夜の準備が必要となります。ここでは、お葬式の準備について紹介します。

受付準備

お葬式を進めていくうえで、まずは受付の準備を進めていく必要があります。

受付を依頼する人は、喪主やご遺族席に座る直系のご家族などに依頼するのが一般的です。依頼できる人がいない場合は、受付代行サービスを利用するのも方法としてあります。

なお、受付の役割は参列者の出欠確認だけではありません。

参列者と最初に面会するご遺族側の代表となるため、受付にはマナーや手順をしっかり理解してもらう必要があります。

受付のタイミング

受付を依頼された方は、お葬式が始まる1時間前には会場に到着しておく必要があります

受付に備え、ペンや香典受け、芳名帳、返礼品などがそれぞれ準備できているかチェックしておきましょう。弔問客が来たら、ご遺族代表として参列のお礼を伝えて迎えます。

参列者からお香典を差し出されたら両手で受け取り、芳名帳に記入のお願いをします。

受付が終わったら会計係にお香典を渡します。弔問客が多くなるとお金も多額になるため、取り扱いには十分に注意しなければなりません。

ご安置の準備

お葬式に向けてご安置の準備も進めていく必要があります。

ご安置とは、棺に納めるまでの間、故人さまを寝かせたままの状態にしておくことです。布団に寝かせて身支度を整え、枕元に供物をお供えするのが一般的となっています。

ご安置が必要となる理由は、お亡くなりになった後24時間は法律で火葬することが禁止されているためです。この間は、故人さまをどこかにご安置しておく必要があります。

なお、多くの病院には霊安室がありますが、スペースに限りがあるため病院に長くご安置することはできません。

ご安置の場所は『自宅』『葬儀場・葬儀社』『民間施設』の中から選ぶことになります。

一昔前までは自宅に連れて帰るのが一般的でしたが、今は居住スペースの関係からご安置場所が確保できないなど、住環境の変化によって自宅を選ばないご遺族が増えています。

弔電を読む順番の確認

お葬式を執り行うにあたって、弔電を頂いている場合は読む順番の確認もしておきましょう。

弔電は司会者が奉読し、読み上げる順番に配慮することは最低限のマナーといえるでしょう。

弔電を読む順番は、基本的に故人さまと近い人から順番となります。順番決めに迷うこともありますが、その場合は葬儀社のスタッフにも相談するとよいでしょう。

お葬式の流れ

お坊さんお経

お通夜が終わったら、2日目の「葬儀・告別式」となります。ここでは、「葬儀・告別式」の流れを解説します。

受付・着席

受付は「葬儀・告別式」の30分前頃からはじめ、参列者に着席を促しましょう。着席の順番は、喪主がご遺族席の最も左側です。

続いて両親や子ども、兄弟、おじ・おばなどが順番に座っていきます。

しかし、喪主以外のご遺族が座る順番については、血縁関係が深い順番に座るという考えだけでなく、参列する家族単位で座るという考えもあります。

トラブルを防止するためにも、このあたりのルールについては、事前に親族と相談しておきましょう。なお、最近は家族葬が増えて式場内の着席を順不同とするケースも増えています。

「葬儀・告別式」の開式

お坊さんが入場したら、一同合掌礼拝をしてお葬式の開式となります。

開式の15分前には着席し、お坊さんの入場を待ちましょう。葬儀は宗教儀礼的・社会的儀礼的なお別れです。ご遺族、近親者が故人さまを葬るために執り行われます。

「葬儀・告別式」の進行

お葬式は「葬儀・告別式」とありますが、セットで行われるのが一般的です。

葬儀は宗教儀礼的な儀式であり、お坊さんによる読経が行われ、引導、授戒、お焼香などが行われます。

その後は、故人さまと最期のお別れをするための告別式が執り行われ、献花や釘打ちなどを行って出棺となります。

献花は祭壇にある生花を用いるのが一般的です。

葬儀社が棺に納めるサイズにカットした花をお盆にのせて配ってくれるため、喪主⇒ご遺族⇒ご親族⇒一般参列者の順番に、故人さまの顔や体の周辺に生花を飾り入れます。

その際、棺に副葬品を入れる儀式も合わせて行われるため、入れたいものがあれば事前に用意しておきましょう。故人さまが愛用していたものやお手紙など、思い出の品を入れます。

お花で棺を飾りつけたあとは、蓋を閉めて釘打ちの儀式です。事前に葬儀社のスタッフが途中まで打ち込んでいた釘を、喪主から関係の深い順番に小槌で2回打ち込みます。

ただし、地域や宗教によっては釘打ちの回数が異なっていたり、そもそも釘打ちをしないケースもあります。

なお、告別式はご遺族や親族だけでなく基本的に誰でも参列することが可能です。

出棺

出棺とは、棺を霊柩車に乗せて火葬場まで運ぶことです。棺は重たいため、ご遺族の男性を中心に6〜8人で霊柩車まで運びます。

棺を運ぶ際の順番は、お坊さん⇒喪主⇒喪主に次ぐご遺族⇒棺です。喪主が位牌を持ち、喪主に次ぐご遺族が遺影を持ちます。

棺を乗せる場合も運び出す場合も、ご遺体の足側を前にしておく必要があります。これは、故人さまが家に帰ってこないようにするという意味があるためです。

喪主の挨拶

棺を霊柩車に納めたら、「葬儀・告別式」の参列者に対して喪主もしくはご遺族代表が挨拶を行います。

出棺時の挨拶は「葬儀・告別式」に参列してもらったことへの感謝の気持ちや、生前お世話になったことに対するお礼が中心です。

その際、故人さまとの思い出を述べたり、差し障りがなければ、お亡くなりになった経緯について簡単に触れておくのもよいでしょう。

なお、「葬儀・告別式」ではさまざまなシーンで喪主の挨拶が必要となりますが、深い悲しみや参列者への対応もあり、挨拶の言葉を頭で覚えておくのが難しいという場合もあるでしょう。

このような場合は、カンペを見ながら挨拶をしても問題ありません。カンペを見ながら挨拶をすると、伝えたいことを正しく伝えられるメリットもあります。

「葬儀・告別式」の挨拶で大切なのは、参列者への感謝の気持ちや故人さまを偲ぶ気持ちをしっかり伝えることです。

火葬場にもっていくもの

ここでは、火葬場に持っていくものを紹介します。

火葬許可証

火葬場にもっていくものとして火葬許可証があります。

火葬許可証は、故人さまをご火葬する許可を証明する書類です。許可なしにご火葬を行うことは違法行為となります

火葬許可証の発行申請は、死亡診断書もしくは死体検案書と、死亡届を市区町村役場に提出しなければなりません。これが市区町村役場に受理されると、火葬許可証が発行されます。

ご火葬が終わると、火葬場の証印と日時が記入されて火葬許可証が返却されます。

茶菓

火葬場に持っていくとよいものとして茶菓があります。

火葬場では1時間半〜2時間の待ち時間が必要です。長い時間がかかるのは、ご火葬が終わってもご遺骨や台が熱く近づけないためです

火葬場での待ち時間は、基本的にすることがありません。地域によってはその間に食事を行うこともありますが、そうでなければ控室やロビーで時間が過ぎるのを待ちます。

火葬場にはお茶を置いているところはあるものの、お菓子まで置いているところはほとんどありません。

お葬式が終わってからご火葬までの間は昼食を取る時間もなく、参列者もお腹が空いている可能性があります。そのため、茶菓を用意しておくとよいでしょう。

心づけ

心づけは日本で古くからある慣習の一つで、地域や葬儀社に相談し、必要であれば火葬場のスタッフに渡せるように用意しておきましょう。

ただし、公営の火葬場は原則不要とされており、心づけを受け取ることで処分の対象になるケースもあるため注意が必要です。

心づけとは、お礼の気持ちとして渡すお金です。欧米でいうチップと似ていますが、心づけの方がお礼という意味合いがより強調されます。

近年はお葬式の多様化や価値観の変化により、心づけなしというケースも少なくありません。

葬儀社によっては心づけを禁止にしているところもあれば、あらかじめ見積書に計上している場合もあります。

このように、心づけは必ずしも必要というわけではないため、気になる場合は事前に親族や葬儀社に相談しておくと安心です。

骨箱・骨壺

ご火葬が終わったら故人さまのご遺骨を収骨し、納めるための骨箱・骨壺を用意しなければなりません。

基本的には葬儀社が用意してくれますが、自分で事前に選ぶこともできます。骨箱は骨壺を保管するための箱のことで、お骨箱や骨壺入れと呼ばれる場合もあります。

火葬場への移動について

火葬場にはご遺族などの近親者のほかに、故人さまと特別に親交があった人が同行します。ここでは、火葬場への移動について紹介します。

火葬場に行く人

出棺してから火葬場に同行する人は、基本的に喪主とご遺族・親族ですが、参列できる範囲にはっきりした決まりがあるわけではありません。

家ごとの決まりや地域の慣習によって決まっている場合が多く、どこからどこまでの人を呼ぶかは喪主に委ねられる部分でもあります。

近年では家族葬や直葬など、限られた人のみで執り行われるお葬式も少なくありません。

このような小規模のお葬式は、故人さまと最期の時間をゆっくりと過ごしたいという意向で行われる場合も多いです。

この場合は、参列者に血縁関係がなくても生前お世話になった方であれば、火葬場に同行しても問題ないでしょう。

ただし、火葬場によっては「火葬場に同行できるのは10人まで」のように参列者の数に制限をかけている場合もあります。

超えてしまった場合は、お帰りいただくか外で待ってもらって途中交代をする必要があるため注意しましょう。

葬列の順番

式場から火葬場に向かうまでにもルールがあります。ここでは、出棺してから火葬場に向かうまでの葬列の順番を紹介します。

霊柩車について

火葬場には霊柩車が先頭で向かいます。

霊柩車には喪主が乗り込むケースもあれば、葬儀社のスタッフのみが同乗する場合もあります。地域のしきたりにより変わるため、葬儀社や親族に確認しておきましょう。

お坊さんは喪主と同じ車で向かうか、自分の車で移動するかのどちらかのケースが多いです。

ちなみに霊柩車は、お葬式会場から火葬場までの片道です。火葬場から自宅に戻る際に霊柩車はないため、帰路の手段を考えておきましょう。

霊柩車に続くお供車

霊柩車に続いて火葬場に向かうのはお供車です。お供車には、運転手とは別に喪主、ご遺族、お坊さんなどが同乗します。

お供車がマイクロバスの場合は運転手の後ろに喪主、ご遺族代表が座り、その後ろは故人さまと深い関係の順番で座ります。

3番目の車

お供車に続くのは3番目の車です。

3番目の車はご遺族、親族、友人など血縁の深い順番に座るのが一般的となっています。最近はお坊さんも自家用車で続く場合があるため、必ずしも同乗するとは限りません。

火葬後の流れ

火葬後の流れ

ご火葬後は収骨や弔問対応をはじめ、各種手続きも必要です。いずれも短い期間で行う必要があるため、スムーズに進めるためにも流れを把握しましょう。

ここでは、ご火葬後の流れを解説します。

収骨

ご火葬が終わったあとは収骨を行います。

収骨とは、ご遺骨を参列者が順番に箸で拾って骨壺に納める儀式です。これは故人さまが三途の川を何ごともなく渡り、あの世に無事にたどり着けるように橋渡しをする意味があります。

お骨上げや骨拾いと呼ばれることもあり、いずれも収骨と同じ意味を持ちます。日本国内でお葬式を行うと、骨上げが行われるのが一般的です。

収骨の作法は地域差があるものの、係の人が指示を出すため迷う心配はありません。

基本的には喪主が最初に収骨し、あとは親しい人から順番に遺骨を拾っていきます。ご遺骨の中でも、特に喉仏は仏さまが座禅を組んでいるように見えるため特別視されています。

そのため、拾うご遺骨の順番も喉仏が最後になる場合がほとんどです。

収骨が終わったら、火葬後に受け取る埋葬許可書と骨壺を一緒に保管しましょう。埋葬許可証を紛失すると、再発行手続きが必要となるため注意が必要です。

弔問対応

ご火葬が終わったあとは、弔問のために自宅に訪れる人の対応が必要です。弔問客はお葬式が終わって3日空けた頃から、四十九日の間に訪れることが多いです。

事前に訪問連絡がなく訪ねてくる場合もあるため、お仏壇の周辺や玄関の掃除をしておきましょう。いつでもおもてなしができるよう、お菓子やお茶の用意をしておく必要もあります。

弔問客の中には香典やお供え物を持参する方もいるため、お礼を伝えて仏壇に備えましょう。

供える際は、仏壇側ではなく供える人から見て正面になるように置くのがマナーとされています。返礼品はお菓子や食品、消耗品のように手元に残らないものがよいでしょう。

ただし、大切な人を失った悲しみやお葬式の手続きで疲弊している場合は、無理をする必要はありません。弔問の対応に決まりはないため、無理をせずできる範囲で対応しましょう。

各種手続き

ご火葬後は市区町村役所や年金事務所、故人さまが利用しているサービスの解除手続きが必要です。市区町村役所では以下の手続きを行います。

  • 世帯主の変更届
  • 健康保険の資格喪失届
  • 介護保険の資格喪失届
  • 国民健康保険の葬祭費の請求

年金事務所では年金受給停止の手続きをし、該当する場合は遺族年金や未支給年金の請求を行います。故人さまのやスマホ、電気ガス水道、クレジットカードなどの解約手続きも必要です。

手続きによっては、期限が設けられている場合もあります。何度も足を運ばないで済むように、事前に必要な手続き事項をまとめておきましょう。

初七日法要

初七日法要は、故人さまがお亡くなりになった日から数えて7日目に行う法要です。

宗教や宗派によって異なるものの、故人さまがご逝去してから49日間は7日毎に極楽浄土に行けるかどうかの判決がくだされると考えられています。

この期間中は魂が成仏する前であるため、初七日には故人さまのために法要を行って極楽浄土に行けるように願います。

ただし、近年では「葬儀・告別式」の当日に行う繰り上げ初七日法要が一般的です。ご火葬が終わった後、お寺に場所を移して初七日法要を行います。

繰り上げ初七日法要が普及した背景には、火葬場の空き状況の逼迫や、遠方の親族が何度も足を運びにくい事情があります。

繰り上げ初七日法要には、火葬の前の「葬儀・告別式」式の読経に続いて行う繰込み初七日法要、火葬後の遺骨方法と合わせて行う繰り上げ初七日方法があります。

精進落とし

精進落としとは、ご遺族や親族を中心としてお葬式やご火葬後に行われる会食です。

以前は、仏教に基づいて故人さまがご逝去されてから四十九日法要を迎えるまでは、肉や魚が含まれない精進料理を食べていました。

そのあとに普通の食事に戻すことを精進落としと呼んでいたため、名残として現在も使われています。

近年は従来の考え方は薄れてきており、故人さまへの供養や参列者へのおもてなしという意味合いが強いです。

また、弔中の苦労をねぎらう面もあり、豪華で華やかな食事を出すケースも多くあります。食材の制限はないものの、お祝いごとを想起する伊勢海老や鯛などは避けましょう。

精進落としも地域や宗教によって考え方や方法が異なり、火葬を待機している間に精進落としをする場合もあります。

精進落としは喪主や故人さまと親しかった人が献杯のあいさつを行い、喪主や親族の代表者の締めの挨拶でお開きとなるのが一般的です。

後飾り

ご火葬が終わったあとは後飾りが必要となります。後飾りとは、火葬場から戻ってきたご遺骨を自宅にご安置する際に飾る祭壇です。

後飾り祭壇や後飾り檀ともいい、葬儀社の商品名で呼ぶ場合もあります。後飾りを作る際、方角は北か西側とされており、家に仏壇がある場合は仏壇の前側に置きましょう。

ご安置する期間は埋葬の日や忌明けまでとされており、故人さまが成仏するまでの期間です。

後飾りは葬儀社が設置しますが、特にこうでないといけない決まりはありません。大切なことは、ご自宅に戻られた故人さまを思って飾ることです。

お花やお供え物は、故人さまが好きだったものを選びましょう。

また、地域や宗派によっては仏具を仏壇用と後飾り用で区別するため、ご心配であれば葬儀社に確認しておくと安心です。

納骨

故人さまのご遺骨が納められている骨壺をお墓に納める儀式を納骨といいます。

納骨には、いつまでにしなければならないという法的なルールはありません。一般的には四十九日や百箇日法要、一周忌法要などご遺族が集まる機会に行われます。

その中でも、死後の世界に向かう日とされる四十九日に納骨を行うケースが特に多いです。

納骨の時期が決まったら、納骨式を行うための準備を行っていきます。納骨先が決まっていない場合、納骨方法を合わせて考えなければなりません。

最近ではお墓を継承する人がいないという理由で、永代供養や樹木葬など費用や管理負担の少ない納骨方法を検討するケースも増えています。

一方、お墓を一から準備する場合には墓地選びやお墓のデザイン選びが必要です。お墓が完成するまでには期間も要するため、早めに準備を始めましょう。

納骨の具体的な内容が決まったら、次は親族や関係者に周知を行います。当日の集合時間や納骨式の流れ、会食場所も決めておきましょう。

お葬式の流れに関するQ&A

ここでは、お葬式の流れについてよくある質問をQ&A方式で紹介します。

宗派によってお葬式の流れは異なる?

お葬式の流れは宗派によって異なります。

日本には多様な仏教の宗派があり、それぞれに独自のお葬式の手順や流れを持っているのも特徴です。日本の仏教の宗派として以下が挙げられます。

  • 天台宗:日本のお葬式の根源といわれている
  • 浄土宗:南無阿弥陀仏を唱えて極楽浄土にいく考えに基づく
  • 浄土真宗:死者は即成仏すると考えられている
  • 禅宗:仏弟子にするための授戒と仏の世界に導き入れる引導で成り立っている
  • 日蓮宗:お葬式は最後の修行の機会と考えられている

宗派ごとにお葬式の流れが異なる理由は、各宗派によって教義や教育、歴史が異なるためです。

時代の流れとともに、さまざまな地域で仏教が根付く中、地域や社会文化に合わせて宗派が分化してきた流れがあります。

それに伴い、それぞれの宗派で特有の文化が生まれ、お葬式の流れにも違いが生じてきたのです。

また、お葬式の流れは宗派だけでなく宗教によっても変わります。日本にはキリスト教や神葬祭などもあり、それぞれの宗教の考えに基づいたお葬式を行います。

お葬式の日程はどうやって決める?

お葬式の日程は葬儀社のスタッフ主導で、ご遺族の都合や斎場、火葬場のスケジュールを調整しながら決めます。

「故人さまがご逝去してから〇日以内にお葬式を行わなければならない」という法律はありません。

ただし、ご逝去された季節や気温の状況によっては何日もご安置するのが難しい場合もあります。このような場合は、なるべく早い段階でご火葬できるように配慮しなければなりません。

まずは火葬場を予約して日程を確定し、それに合わせてお葬式の日程を決めていく必要があります。

仏教のお葬式であれば、お亡くなりになった当日に行われる仮通夜、翌日の本通夜、翌々日のお葬式・告別式の手順で執り行うのが一般的です。

また、お葬式を行う場所によっては参列者が遠方から車や交通機関を使って参列するケースもあります。参列者の負担も考慮しながら、スケジュールを組むことが大切です。

宗教者側の都合でお葬式の日程に合わせられない場合は、1~2日ほど日程調整が必要になるケースもあります。

香典返し・返礼品はどうしたらいい?

香典返しは、忌明け法要が終わった翌日から遅くても1ヶ月以内にお返しするのがマナーです。当日返しですべて済ませた場合は、後からのお返しは不要となります。

香典返しは半返しが一般的で、5,000円の場合は2,500円程度のものが相場です。高額だった場合は半返しにこだわる必要はなく、3分の1や4分の1程度でも失礼には当たりません。

香典返しの定番は後に残らない『キエモノ』で、お茶やコーヒー、石鹸、洗剤などの日用品が選ばれやすいです。

忌明けのタイミングは、宗教や宗派によって異なる点に注意しましょう。故人さまがご逝去してから仏教は49日後、神式は50日後、キリスト教は30日後とされています。

なお、キリスト教では故人さまが神のもとに行くと信じられているため、喪に服す概念はありません。

その一方で、日本でお葬式を行う際には日本の習慣に合わせる考え方もあり、キリスト教でもカトリックでは追悼ミサ、プロテスタントでは召天記念式を忌明けとする場合もあります。

お葬式に呼ぶ人数は?

お葬式に呼ぶ人数にルールはありませんが、人数の目安は形式によって異なります。

一般葬だとご遺族、親族、故人さまの友人、知人、会社関係者、地域の方も参列するため、100人を超える場合もあります。

故人さまの人間関係によって人数には大きな幅があり、会社関係者が多いと人数も増えやすいです。

家族葬だとご遺族、親族、故人さまの親しい友人が参列するため、10〜30人程度になります。お葬式を行わずに直葬や火葬式を行う場合は、ご遺族と親族のみとなるため5〜10人程度です。

お葬式に呼ぶ人数をある程度把握しておくと、香典返しが足りなくなることを防げます。また、会場がいっぱいで入れないという状況も回避できるでしょう。

お葬式の流れは地域によって違いますか?

お葬式の流れは地域によって異なり、地域のルールに沿って行うのが一般的です。

一般的には故人さまがご逝去してから通夜、お葬式、火葬、収骨の順番で進みます。しかし、地域によってはお通夜のあとに火葬し、「葬儀・告別式」を行うところもあります。

お通夜を行ったあとに行われる「通夜振る舞い」も、地域によっては慣習がありません。

通夜振る舞いがある地域の中でも、ご家族や親族だけで行うケースもあれば、参列者も招いて行うなどさまざまです。

他にも、着ていく服装が異なったり、不祝儀袋の書き方が異なったりする場合もあります。

このあたりのルールをすべて把握するのは難しいため、ご不安に感じる場合は葬儀社に相談するのもよいでしょう。

まとめ

お葬式は打ち合わせからお通夜、「葬儀・告別式」、火葬まであわただしく時間が流れます。お葬式の流れを把握し、葬儀社の力を借りながら故人さまを送り出しましょう。

お葬式は時代とともにスタイルも大きく変化しています。昔や地域のしきたりも大切ですが、それ以上に故人さまやご遺族が納得のできるお葬式を執り行うことが大切です。

故人さまらしいお別れにするために、お葬式のあり方についても日ごろから家族で話し合っておくとよいでしょう。

お葬式についてお悩みやご不安がある場合は、よりそうお葬式にご相談ください。

ご希望される地域の葬儀場やお坊さんなど、厳選してご案内いたします。専門相談員が事前の準備からお葬式のお手配まで、お葬式にまつわる不安によりそい、サポートします。

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