出棺の流れ・マナーと喪主の挨拶例文
- 2023年02月01日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
お葬式のマナーは知っていても、出棺に関するマナーを知っている人はいるでしょうか。
出棺とは葬儀や告別式のあとに、ご遺体を火葬場まで運ぶことを言います。
テレビドラマやニュースで棺を霊柩車に運ぶシーンを目にすることもあるので、なんとなくのイメージはつくでしょう。
しかし、この出棺にもきちんとした手順やマナーがあります。
これからお葬式をあげる方や、将来の為にお葬式について学びたい方に、出棺についての流れやマナーを大まかではありますが紹介します。
出棺/出棺式(出棺の儀)とは?
出棺とは、葬儀や告別式が終わり故人との別れの儀式をした後、ご遺体を葬儀場から火葬場まで運ぶことを言います。出棺式とも言います。
テレビなどでも見かける、数人の男性が棺を霊柩車に運び、喪主が位牌を、遺族の代表が遺影を持ち故人を見送る場面の事です。
火葬場で遺骨になる前に、故人と向き合う意味を持つ大切な時間となっています。
特に、火葬場まで同行しない方にとってはこれが最後の対面となります。
出棺の流れ/手順
出棺から火葬まで何をするのか、大まかな流れを紹介します。
葬儀から最後のお別れ
葬儀や告別式が終わった後に故人との別れの儀式を行います。 別れの儀式、花入れの儀といった呼び方で行われることもあります。祭壇にある棺を会場の中央に出し、お供えのお花や入れてあげたい副葬品を、遺族・親戚を中心に棺の中の故人に添えるようにして入れます。
副葬品は愛用の品などになりますが、原則として可燃のもののみとなります。
時計などを納めたい場合は、棺に入れず遺骨とともにお墓に納めましょう。
そして棺を釘などで蓋をした後、霊柩車まで運びます。
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棺を霊柩車に乗せるまで
出棺の前後に喪主や遺族は横に並び、位牌や遺影を会葬者に向け挨拶をします。
挨拶のタイミングは主に霊柩車に棺を乗せた後か、棺に蓋をした後になります。
挨拶が終わり霊柩車に棺が乗った後は、遺族や親族、故人と特に親しかった方、同行希望者が火葬場まで向かいます。
また、出棺の際に霊柩車は1度クラクションを鳴らすことがあります。これは感謝やお別れの意味があります。
火葬から骨上げ
火葬場によって、炉前で棺の窓を開けて対面できる場合とできない場合があります。
僧侶が同伴している際は炉前法要をしていただき、焼香します。 僧侶がいないときは係員の指示に従って焼香してください。
焼香が終わると棺は火葬炉に納められ、およそ1〜2時間の時間をかけて火葬されます。その間、遺族や同行者は控室で待機しています。
火葬が終わったら骨上げげを行います。「骨上げ」とは遺骨を2人1組になり、箸で骨を拾って骨壷に入れることです。
喪主、遺族、親族、友人の順番で骨壺に納めます。
最後に喉仏を故人と1番関係が深い人が納めます。
骨上げが終わったら、還骨法要(※1)と、初七日法要(※2)、精進落としを行います。
初七日法要(※2)・・・故人が亡くなった日から7日目に行う儀式です。近年では火葬の後に行うのが一般的となっています
還骨法要・初七日法要についての詳しい説明はこちらもご参照ください
また、49日が過ぎて最初に迎えるお盆のことを新盆と言います。新盆は例年のお盆とは異なり、手厚くお迎えする慣習があります。
以上が大まかな出棺から火葬までの流れです。
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火葬の時間・骨上げについての詳しい説明はこちらをご参照ください
出棺時の喪主の挨拶例文
喪主は葬儀を行うにあたって様々な場面で挨拶することになりますが、準備などで忙しく、挨拶の内容を考える余裕がありません。
また、はじめて喪主となった方は何を言えばいいのか判らなくなるでしょう。
出棺時の挨拶例文を紹介しますので是非参考にしてください。
挨拶例文
本日はご多用中のところ、わざわざご会葬いただき、誠にありがとうございました。
おかげさまをもちまして、葬儀(告別式)も滞りなく済み、これより出棺の運びとなりました。大勢の方にお見送り頂いて、故人もさぞ感謝していることと存じます。
残された私どもも、故人の遺志を継いで一層頑張っていきますので、生前と変わりなくご指導を賜りますようお願い申し上げます。
本日はありがとうございました。」
故人も皆様のご厚情にさぞ喜んでいることと存じます。
(続柄)は、(病や事故など)で病院に駆けつけ入退院を繰り返していましたが、残念ながら帰らぬ人となりました。もう(続柄)に会えないのは胸が詰まる思いになります。
(続柄)に代わりまして、生前賜りましたご厚情に深く感謝申し上げてのご挨拶とさせていただきます。」
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出棺時のマナー
出棺に決まりごとはありませんが、故人を想うなら最低限のマナーは守りたいものです。
出棺時の主なマナーは、以下になります。
特に服装は気を付けなければならず、季節や気温によってはコートが必要になることがあります。
出棺を待つ間ならコートを着ても構いませんが、出棺の際は礼服で見送るのがマナーとされているので、寒い中コートを脱いでも大丈夫なように、インナーなどで対策をしましょう。
また、雨の日は黒か紺色の地味な色の傘をさすようにしましょう。
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火葬に同行する際の注意点
火葬場まで同行するのは、遺族、親族、故人と縁が深い友人などです。
遺族が同行者を依頼して、火葬場までの移動車を手配します。
同行を希望する場合、遺族にその旨を伝えれば当日の同行も可能ではありますが、人数に合わせた車や精進落としで出す料理の手配などの関係もありますので、前日に希望するのが望ましいです。
また、遺族の方に同行を希望された場合は快く承諾してください。
ただし強制ではありませんので、どうしても時間の都合などで同行ができない場合は、丁寧にお断りしましょう。
火葬場では立ち位置など喪主や遺族が優先されますので、それ以外の方は後方で控えるようにします。
また火葬の待機中、お酒などが振る舞われても飲み過ぎて酔っぱらったりすることがないようにしましょう。
喪主や遺族が持っていかなければならないもの
参列者だけではなく、喪主や遺族にも火葬場で持っていかなければならないものがあります。「火葬許可証」「茶菓子、軽食」「心づけ」です。
火葬許可証がなければ火葬はできません。当日忘れないか不安な人は、事前に葬儀会社の方に預けておくのがよいでしょう。
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茶菓子や軽食などは火葬中の間、控室で待つ同行者たちに振る舞うものです。ただ、火葬場の待合室などに、茶菓子や軽食が用意されている場合もあります。用意されているかどうかや、用意が無い場合に用意できるかについては事前に葬儀会社の人に確認・相談するようにしましょう。
ひと昔前に比べると少なくなりましたが、霊柩車やその他関係者に心付けを渡す慣習が一部にあります。それぞれにおよそ3,000円から5,000円程度、高い地域だと合計で1万~3万円程度になります。
火葬場職員に渡す地域もありますが、公営の火葬場の場合、渡す必要はありません。。
まとめ
訃報はいつ訪れるかわからないもので、突然マナーなどを調べる余裕はありません。
葬儀や告別式のみを重視する方も居るかもしれませんが、出棺も火葬も故人を見送る上でとても大切なことです。
事前に最低限のマナーを身につけ、心を込めて見送れるようにしましょう。
- 家族が亡くなったその時からすべき13のこと
- 通夜の流れ | 一般的な葬儀の場合
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お葬式手配の「よりそうお葬式」
監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
出棺までの間に行われる通称「花入れ」「別れの儀」は、故人と最後の対面の場となりますので、時間が許す限りゆっくりと行われます。遺族の許可があれば、友人・知人も一緒に花入れができることもあります。