位牌とは|仏壇があれば位牌は必要ない?
- 2023年01月30日
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目次
位牌とは?
位牌とは、簡単に言えば“亡くなった人の霊が宿る場所”です。
どのようなものかと言うと、故人の戒名(法名)を記して供養・礼拝するための木札で、浄土真宗以外の仏教では、仏壇に安置します。私達は仏壇に置かれた位牌を通して故人を思い、冥福を祈ったり供養を行ったりします。
位牌起源の3つの説
中国の「位版」を起源とする説
「位版」とは、中国の天子が神様や先祖を祀るとき、金でつくった長方形の板に神名を書いたものです。
儒教の「位板」が起源だとする説
中国の後漢時代から儒教の葬礼には、死者の官位と姓名を書いた「霊牌」が用いられていました。
また、同じように神様の名を書いたものを「神牌」といい、霊牌と神牌を総称する「位板」という言葉がありました。
中国の「単位・単牌」を起源とする説
中国の禅宗では、僧侶の役目を木の板に書き、「単位」や「単牌」と呼んでいました。
位牌の種類
故人そのものを表すとも考えられる大切な位牌は、どのように選べば良いのでしょうか?
位牌はまず、「順修牌(じゅんしゅはい)」と「逆修牌(ぎゃくしゅはい)」の二種に大別することができます。
「順修牌」
日頃から私たちに馴染みのある一般的な「位牌」で、故人の供養のために家族が作ります。
「逆修牌」
生前に戒名や法名を授けられた人が作る位牌ですから、位牌になる本人が、自分で好みのものを選ぶことができます。
本位牌と白木位牌
「順修牌」には、葬儀の際に祭壇に安置する「白木位牌」と、戒名や法名を記して仏壇に安置する「本位牌」があります。
「白木位牌」は、延べ送り用の仮の位牌でもあるため、「野位牌」や「仮位牌」とも呼ばれ、四十九日までの間は、白木位牌を祀っておくのがしきたりです。
これは、四十九日までは死者の行先がまだ定まっておらず、四十九日の「忌明け」が過ぎて初めて成仏すると考えられているからです。本位牌は、この成仏の証となります。
四十九日を迎えて本位牌に取り換えたら、それまで使っていた白木の位牌はお寺に納めます。
四十九日前:白木位牌
四十九日後:本位牌
四十九日後は忘れずに白木位牌をお寺に納めましょう。
本位牌の種類
長く供養に使うことになる本位牌は素材別に大きく3種類に分類することができます。
塗り位牌(ぬりいはい)
白木地を漆塗りで仕上げて、金や蒔絵などの装飾を施した位牌です。
これは、「位牌」と聞いて思い浮かべる方が最も多い黒塗りの位牌で、
表面を塗って仕上げていることから「塗り位牌(ぬりいはい)」と呼ばれます。
唐木位牌(からきいはい)
黒檀や紫檀など、美しい色や木目を持った木材を材料とする位牌です。
この位牌は、材料となっているのが、「唐木(からき)」と呼ばれる熱帯地方原産の高級木材であることから、「唐木位牌(からきいはい)」と呼ばれています。
「唐木」という呼び名は、かつてこれらの木材が、中国(唐)を経由して輸入されていたことに由来します。
現在では、唐木だけでなく国産の木材が材料になっている唐木位牌もありますが、 漆などの塗料で表面を塗って仕上げる塗り位牌とは違い、木目がそのまま表から見えるので、 材料となるのはどれも、木目や色の美しい木材です。
モダン位牌
木材の他、クリスタルや陶器、樹脂などの素材を使った伝統にとらわれないスタイルの位牌で、「モダン位牌」と呼ばれています。
天然木材を使ってシンプルなスタイルに仕上げた位牌や、天然木材を木材以外の素材と組み合わせて使ったり、寄木細工にしてデザイン性を高めたりしている位牌もあります。
多種多様なデザインがあり、カラーのバリエーションも豊富です。
本位牌の種類 | 主な素材 |
---|---|
塗り位牌(ぬりいはい) | ヒノキ、ベニマツ、シナなどの白い木材 |
唐木位牌(からきいはい) | 黒檀、紫檀、鉄刀木(たがやさん)などの木材 |
モダン位牌 | 木材、クリスタル、陶器、樹脂など |
- 【合わせて読みたい】
- 本位牌の素材|3つの種類と素材の違い
位牌の選び方
位牌選びは、それらたくさんの選択肢の中から自由に行ってかまいませんが、位牌選びの基準が全くないというわけではありません。
例えば、「位牌のサイズ」も、ひとつの基準になるでしょう。
(※位牌のサイズは3.0寸~4.0寸が一般的です。)
多くの場合、位牌は仏壇に安置するので、すでに仏壇がある場合や、仏壇を置く場所が決まっている場合には、位牌も必然的に仏壇のサイズに合わせたサイズの位牌を選ぶことになります。
- 【合わせて読みたい】
- 位牌の選び方で重要なのは大きさ?デザイン?|位牌選びの基本
なぜ仏壇に位牌を置く必要があるのか?
「仏壇があれば位牌は必要ないのではないか?」 と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、仏壇は本来、ご本尊を祀るための祭壇です。
その仏壇に故人の名を刻んだ位牌を置いてお参りすることで、ご本尊だけでなく、仏様になった故人にも見守られているという気持ちをより強く持つことができます。
位牌はなぜ大切なの?
この世に生きる私たちは、忙しい毎日の中で、時の経過と共に過ぎ去った日のことを忘れていきます。
しかし、故人の名前を刻んだ位牌を見れば、いつまでも故人のことを忘れず供養し続けることができます。
位牌は故人やご先祖と向き合い、感謝の気持ちを伝えるために、欠かせない存在です。
位牌に関するよくある質問
- 位牌とは|仏壇があれば位牌は必要ない?
- 浄土真宗に位牌は必要ない?|浄土真宗の位牌の考え方
- 本位牌の素材|3つの種類と素材の違い
- 位牌の価格相場|位牌の種類ごとの価格目安
- 正しい位牌の購入とは?|実際に位牌を購入する手順
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
先祖の位牌をひとまとめにするとき、「繰出位牌」「回出位牌」と呼ばれる位牌にまとめることができます。「繰出位牌」「回出位牌」には、何枚かの板が収納できそれぞれに故人の戒名が入っているのですが、祥月命日に該当の板を手前に出してお参りします。合理的なシステムですね。