四十九日法要のマナーと基礎知識

- 2025年01月29日

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故人さまがお亡くなりになってから四十九日目のことを「四十九日」といい、法要が執り行われるのが一般的です。
法要とは、お坊さんがお経をあげたり、家族らがお焼香をしたりして、故人さまを偲ぶために行われる行事を指します。
四十九日は忌中に行われる最後の法要ですが、「何の意味があるの」「何をすればいいの」など、疑問に感じることもあるでしょう。
この記事では、四十九日法要の概要や流れ、注意点を紹介します。
四十九日とは

四十九日とは、故人さまのご命日から数えて四十九日目のことです。七七日(ななぬか)とも呼ばれ、仏教では忌明け(きあけ)となります。
ここでは、四十九日について詳しく解説します。
四十九日(満中陰)法要について
四十九日法要とは、故人さまがお亡くなりになってから四十九日目に行われる儀式です。故人さまが極楽浄土に行けることを願い、ご遺族や親族が集まって供養を行います。
そもそも四十九日は、仏教において故人さまがお亡くなりになった後の「中陰」と呼ばれる期間の終わりにあたる日です。
中陰の間は、故人さまが現世と来世の間をさまよい、七日ごとに閻魔大王から裁きを受けるとされています。
そして四十九日目に故人さまの来世の行き先が決定されるとされており、法要を通して故人さまの成仏を祈るのです。
四十九日法要は中陰の終わりに行われることから、「満中陰法要(まんちゅういんほうよう)」と呼ばれることもあります。
なお、仏教の宗派である浄土真宗では、お亡くなりになった時点で極楽浄土に行くと考えられています。
四十九日法要は感謝や教えを学ぶ場として位置づけられており、他の宗派とは意味合いが異なる点に注意しましょう。
忌明けについて
忌明けとは、故人さまがお亡くなりになってから喪に服す期間である忌中が終わることです。
忌中の期間は宗教によって異なり、仏教は四十九日、神式は五十日、キリスト教は忌中がありません。また、地域によって忌中が異なる場合もあるため注意が必要です。
忌中は故人さまの成仏を祈り、ご遺族は慎ましく過ごすことが求められます。結婚式や新築祝いなどのお祝い事には参加しないことが一般的です。
飲み会や旅行などの活動も避けることが望ましく、参加する場合は周囲に気を使わせないように配慮が必要とあります。
忌中と喪中は別物で、喪中は故人さまを悼むために社交的な活動や外出を避ける期間のことです。忌明けは四十九日法要後であるのに対し、喪明けは一周忌後となります。
七七日について
七七日は、故人さまがご逝去してから四十九日目にあたる日を指します。
七七日の読み方は「しちしちにち」や「なななのか」で、七日間が七回あるという意味です。七日間に七回をかけると四十九日となります。
仏教では七の数字が重要視されており、故人さまがご逝去されてから七日ごとの日は忌日と呼ばれます。
なお、忌日とは故人さまがご逝去した日のことで命日と同じ意味です。そのため、仏教では七日ごとに命日があります。
四十九日の数え方
仏教では、故人さまがお亡くなりになってから百日目に行われる百箇日法要までは、ご逝去した日を一日目として数えるのが通例です。
そのため、四十九日法要はご逝去してから四十八日目に実施されます。
四十九日が平日の場合、仕事で法要に参列できない方も多くいるため、四十九日に近い土曜日や日曜日に法要を行うのが一般的です。
四十九日法要当日にできない場合、正式な日よりも後に行うのではなく、前に行うのがルールとなっています。
これは、仏様のことは先延ばしにしないという仏教の考えに基づくものです。
ただし、近年はライフスタイルの多様化などにより、法要が正式な日より遅れても仕方がないと捉えるケースも増えています。
四十九日法要を行う場所

四十九日法要を行う場所は、お寺や自宅、セレモニーホールなどがあります。ここでは、それぞれの特徴や法要を行う場合のポイントを解説します。
お寺
先祖代々のお墓や新しくお墓を立てる寺院がある場合は、お寺で四十九日法要を行うケースが多いです。
お寺には法要で必要な道具や設備が整っており、わからないことがあっても仏事の専門家であるお坊さんに相談できるメリットがあります。
また、四十九日法要の後にそのまま納骨式を行うこともできるため、参列者の移動の負担もかかりません。
一連の儀式をスムーズに進めることができるため、別々に手配する手間が省けます。
自宅
四十九日法要は自宅で行うこともできます。
自宅で行うメリットは、他の場所に比べて会場費がかからないことや、慣れ親しんだ環境で参列者がリラックスしやすいことです。
時間や日程に関しても柔軟に調整できるため、参列者の都合に合わせることもできます。
また、近年はお坊さんの出張サービスも増えているため、菩提寺がなくても自宅にお坊さんを呼んで法要を執り行うことができます。
ただし、法要に必要となる仏壇や卒塔婆、供物台などは自分で用意しなければいけません。場所によっては、駐車場の手配が必要になる場合もあります。
セレモニーホールやホテル
四十九日法要の会場として、セレモニーホールやホテルを利用する方法もあります。
セレモニーホールやホテルは会場の広さを選べるため、参列者の人数に合わせた会場選びが可能です。
また、セレモニーホールの場合は法要に必要な道具や設備が整っており、祭壇や音響設備、イスなども用意されています。
お葬式や法要に慣れた専門スタッフがサポートしてくれるため、安心して法要を進行できるのもメリットです。
一方、他の会場に比べると会場費のコストが大きくなるため、参列者の人数によっては費用対効果が悪くなる可能性もあります。
四十九日の流れ

四十九日法要を滞りなく進めるためには、大まかな流れを把握しておきましょう。ここでは、四十九日法要の流れを解説します。
お坊さんの入場
四十九日法要は、お坊さんが入場して仏前に着席するところから始まります。
ご遺族や参列者は、お坊さんが入場する前に着席しておかなければなりません。故人さまと血縁が近い順番に座り、施主はお坊さんの後ろに座るのが一般的です。
入口から遠い席が上座、近い席が下座とされています。
喪主の挨拶
お坊さんが着席したら喪主の挨拶です。
ここでは参列者に対して集まってくれたお礼や、これから四十九日法要を執り行うことへの挨拶を行います。
なお、喪主はメモを読みながら挨拶しても問題ありません。メモがあることで話す内容を忘れる心配がなく、安心してスムーズに挨拶ができます。
挨拶に不安がある場合は、事前に挨拶の内容をメモにまとめ、ポケットに忍ばせておくとよいでしょう。
読経と焼香
喪主の挨拶が終わったら、お坊さんの読経とご焼香になります。
読経は故人さまの霊を慰め、安らかに成仏できるように祈るために行う重要な儀式です。読経の時間は宗教やお坊さんによって異なりますが、一般的には20〜30分の時間で行われます。
読経が終わったら、施主が最初にお焼香を行い、その後は前に座っている人から後ろの席の人へ順番に行います。
お焼香の方法は前方に設置されている焼香台に移動するケースが多いですが、着席したまま行うケースもあります。
法話
お焼香が終わったら、お坊さんによる法話が行われます。
法話とは、お坊さんが参列者に対して仏教の教えや実践について語ることです。四十九日の法話では、故人さまの生涯や功績を振り返り、その人生を讃える意味合いもあります。
四十九日の法話の内容はお坊さんによって異なり、所要時間は10~30分程度です。法話が終わったら、喪主は中締めの挨拶を行います。
位牌の開眼供養(かいげんくよう)
位牌の開眼供養(かいげんくよう)とは、故人さまの戒名を記した木製の牌に、故人さまの魂を呼び寄せるための儀式です。
開眼供養を行うことで、新しい位牌に故人さまの魂が宿るとされています。開眼供養を行った後は、自宅の仏壇やお墓に位牌を安置することで礼拝対象となります。
位牌の開眼供養は四十九日法要に合わせて行われるケースが多く、故人さまへの敬意や信仰の表現として大切な役割を果たす儀式です。
納骨・墓参り
四十九日法要では、納骨式が行われるケースが多くあります。
納骨式は、ご火葬後にご遺骨を墓地や納骨堂に納めるための宗教的な儀式です。お墓が用意できている場合は、四十九日法要後に納骨式とお墓参りをするのが一般的となっています。
一方、四十九日法要までにお墓の準備ができていない場合は、百箇日法要や一周忌法要など別日に納骨式を行います。
納骨の際には埋葬許可証が必要となるため、忘れないように持参しましょう。納骨式の準備や流れは、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
施主側の四十九日のマナー

四十九日法要では、故人さまや参列者に失礼のないようにすることが重要です。ここでは、施主側の四十九日のマナーを解説します。
服装
四十九日法要において、施主側の服装は正喪服または準喪服を着用するのがマナーです。
四十九日法要は親族のみで行われることもありますが、この場合も喪服を着用するのがマナーとされています。
正喪服とは最も格式が高く、一周忌までの法要において、喪主や親族など主催する側が着用する喪服です。
準喪服は一般的な喪服を指し、一般参列者も着用する喪服ですが、施主側が着用しても問題ありません。男女問わず、アクセサリーは華美なものは身に付けないようにしましょう。
なお、正喪服や準喪服に比べてカジュアルな略喪服を、施主側が四十九日法要に着用するのは避けた方がよいでしょう。
法事法要での服装マナーは以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
お布施
四十九日法要では、お坊さんに対してお布施を用意する必要があります。
お布施とは、お坊さんへのお礼として渡す金銭のことです。四十九日法要では、お葬式に渡したお布施の10〜20%が相場とされています。
例えば、お葬式でお坊さんにお布施を30万円渡していた場合、四十九日法要のお布施は3〜6万円が目安です。
ただし、地域によって相場が異なる場合もあるため、地域の慣習を調べ、親族間でも相談しておくとよいでしょう。
また、遠方からお坊さんを招く場合は、お車代として5千円から1万円を用意するのが一般的です。お坊さんと一緒に会食を行う際にも、5千円から1万円の御膳料を用意します。
香典返し
お葬式やその後にお香典を頂いた方には、四十九日法要の当日またはその後に香典返しを贈るのが一般的です。
最近は当日返しといって、お通夜にお香典を持参して参列した方に当日のうちに香典返しを贈るケースもあります。
このケースだと四十九日法要の際に香典返しを用意する必要はありませんが、お香典が高額な方には別途香典返しを用意した方がよいでしょう。
香典返しには、お菓子やお米、洗剤などの使ってなくなる消え物が適しています。カタログギフトを贈り、参列者に好きなものを選んでもらっても問題ありません。
香典返しの金額の目安は、香典金額の1/3~1/4が目安とされています。
卒塔婆
卒塔婆は故人さまの供養のために立てるもので、細長い板のような形をしています。
故人さま一人に対して卒塔婆一本という形で立てるのが一般的ですが、明確な決まりがあるわけではありません。
四十九日法要で立てられることも多く、立てる場合は法要の当日にお寺に塔婆料を納めるのが一般的です。
お布施とは違う封筒を用意し、御塔婆料をお寺にお渡しします。
御塔婆料の相場は2,000~10,000円程度で、お寺で決められた額が設定されている場合は、事前に確認してお金を用意しておきましょう。
卒塔婆については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
参列者側の四十九日のマナー

四十九日法要に一般参列者として参列する場合、故人さまやご遺族に失礼のないようにマナーを守りましょう。
ここでは、参列者側が知っておきたい四十九日のマナーを解説します。
服装
四十九日法要の参列者は、ご遺族に比べて格式の高い服装にならないように略喪服を着用するのが一般的です。
男性の場合はブラックスーツやダークスーツ、女性の場合は黒やダークグレー、紺などの落ち着いた色のスーツやワンピースを選びます。
なお、四十九日法要の案内には「平服でお越しください」と記載されている場合もあります。ここでいう平服とは略喪服のことであり、カジュアルな服装ではありません。
普段着用している服装で四十九日法要に参列することは、マナー違反となるため注意しましょう。
お香典
四十九日法要に参列する際はお香典を用意するのが一般的です。お香典の相場は、故人さまとの関係によって異なります。
香典袋の表書きは四十九日前までは「御霊前」を使うのが一般的ですが、四十九日以降は「御仏前」または「御佛前」と書きます。
これは、四十九日を境に故人さまが仏になると考えられているためです。
法事・法要のお香典の金額相場と香典袋の書き方について、以下の記事でも詳しく解説していますのでご参照ください。
参列できない場合
四十九日法要に招かれた場合、参列するのがマナーです。仕事や体調不良で参列できない場合は、施主に電話で欠席の旨を伝えましょう。
四十九日法要に参列できない場合、法要の前日までにお香典またはお供え物を郵送します。香典を現金で郵送する場合は現金書留で送るか、法要に参列する方に託しても問題ありません。
お香典やお供え物を郵送する際は、出席できないことへのお詫びや追悼の手紙を送ると丁寧です。
まとめ
四十九日法要は、忌明けの節目であり、故人さまの成仏を願う大切な法要です。スムーズに法要を進めるためにも、流れやマナー、方法をしっかり把握しておきましょう。
また、四十九日法要はお寺や自宅、セレモニーホールで行うのが一般的です。お付き合いのあるお寺がない場合は、お坊さん出張サービスを利用し、会場に来てもらうのもよいでしょう。
よりそうお葬式では、お葬式や法要に関する疑問や不安にお答えします。24時間365日いつでも無料でご相談を受け付けていて、お葬式にまつわるご不安によりそい、サポートいたします。
さらによりそうお葬式では、お坊さんを定額で呼べる「よりそうお坊さん便」のサービスも行っています。まずは、お気軽にお問い合わせください。

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