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法要を行う際は、お葬式と同様にお布施を用意してお坊さんに渡すのが一般的です。
法要のお布施を用意するにあたり、「お布施の相場はどれくらい?」「お布施の渡し方やマナーが知りたい」という方もいるのではないでしょうか。
お坊さんやお寺と良好な関係を維持するためにも、お布施について正しく理解することが大切です。
お布施の相場は法事の種類によっても変わってくるため、法事ごとの相場を把握しておく必要があります。また、お布施は位階や地域、宗派によっても変わってくるため、どのような違いがあるか把握しておくことも大切です。
お布施以外に御車料や御膳料が必要になる場合もあるため、渡し忘れがないように気をつけましょう。
この記事では、お布施の金額や相場、マナーなどについて詳しく紹介します。
そもそもお布施とはどういったものなのでしょうか。ここでは、お布施について詳しく解説します。
お布施とは、仏教のお葬式や法事において、読経や戒名をつけていただいたお礼としてお坊さんに渡す金銭です。
お布施の習慣は古代インドに起源があるとされており、仏教が発展する過程で日本にも伝わりました。
一昔前は作物や骨董品など、家にあるものをお礼として渡していましたが、現代では金銭を渡すのが一般的です。
お布施はご本尊にお供えし、寺院の維持や活動費となります。
お布施を渡すタイミングは儀式が始まる前が一般的です。
お葬式の場合、お坊さんは開式の30〜60分前に会場に到着します。その後、控室に挨拶に伺った際にお渡しするのがよいでしょう。
開式前に渡せなかった場合は、お経が終わって閉式した際や、後日お寺に伺った時に渡しても問題ありません。
法事の場合も、式典が始まる前にお布施を渡すのが一般的です。渡しそびれてしまった場合は、お経が終わった後に渡します。
どちらの場合も、お布施を渡す際にはお礼の言葉を添えましょう。
神式のお葬式や法事において、神主に渡す金銭のことを祭祀料といいます。
祭祀料は、儀式を執り行った神主への感謝の意を示すものです。祭祀料はお葬式に限らず、地鎮祭や厄除けなど弔事慶事に関係なく渡します。
お布施と似ていますが、お布施は仏教における言葉であるため、仏式のお葬式や法事以外には使われません。神式の弔事においてお布施を用いるのは不適切であるため注意しましょう。
また、お布施は儀式が始まる前に渡すのに対し、祭祀料は儀式が終わった後に渡すという違いもあります。神式のお葬式については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
キリスト教ではお布施という概念はなく、お葬式や法事においては、教会または牧師に対して献金という名目で金銭を渡します。
どこにどれくらいの献金が必要になるかは、教会によって異なるため注意が必要です。また、キリスト教のお葬式における献金は、教会、牧師に分けて渡すのが一般的となります。
例えば、教会に10万円、牧師に5万円のような取り決めが行われている場合、それぞれ別の袋を用意して渡さなければなりません。
献金を渡すタイミングは特に決まりはないものの、儀式が行われる当日または数日以内に渡すのが一般的です。
キリスト教のお葬式や法事、法要については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
お布施はどれくらい用意するのがよいのでしょうか。ここでは、お布施の金額について解説します。
お布施の金額に厳格な決まりはありません。
ただし、お葬式や法事は宗教的な儀式であるため、一定のマナーやしきたりがあり、お布施にもある程度の相場が存在します。
また、お布施に対する捉え方は、お寺やお坊さんによってもさまざまです。
お布施の金額についてお寺に相談しても、「お気持ちでいい」というところもあれば、金額を明示するところもあります。
金額を明示される場合はその金額を用意して問題ありませんが、お気持ちと言われた場合には相場に合わせて用意するのがマナーです。
同じ仏教でも宗派によって相場は異なるのが特徴です。
例えば、真言宗や天台宗など古くからある歴史深い宗派は、お布施が高額になりやすい傾向にあります。これらの宗派は格式や伝統を重んじる風土が強く残っており、儀式の格式も高くなりやすいためです。
ただし、地域性やお寺の慣習にも左右されるため、必ずしも他の宗派に比べてお布施の相場が高くなるとは限りません。
お布施の相場は、地域の風習や価値観で異なるのが特徴です。
地域差や価値観でお布施が異なるのは、地域によって宗派や伝統、お寺の慣習、物価などが異なるためです。冠婚葬祭に力を入れる地域や、地域社会のつながりや伝統が強いほどお布施の相場も高くなりやすい傾向にあります。
また、都市部や物価の高い地域ではお布施の金額が高くなりやすい特徴もあります。
お布施の相場は、戒名の位階によっても大きく異なります。
ここでは、戒名の概要と位階について詳しく解説します。
戒名とは、仏教において仏門に入った証として与えられる名前です。
故人さまに対して付ける名前として解釈されることもありますが、本来は生前に与えられます。本来は出家して仏弟子に入ったものに与えられますが、ご逝去後は出家していない人も戒名を授けてもらうようになりました。
戒名を名付ける理由は、仏教においては俗名でなく戒名でお葬式を行うことで、極楽浄土に導かれると考えられているためです。浄土真宗では戒律がないため、戒名ではなく法名が授けられて極楽浄土に行くことができます。
なお、仏教発祥の地と言われるインドには戒名はなく、仏教が中国に伝わってから戒名が登場したと考えられています。日本にある戒名は江戸時代に広まったといわれており、日本独自のものです。
戒名の位階とは、仏教徒としてのランクを表すものです。
仏教徒としてどれだけのことをしてきたかによって位階が決められています。例えば、故人さまの生前の信仰や社会的活動、お寺との関係性、ご遺族の希望など、さまざまな要素を総合的に判断してお寺やお坊さんが決定します。
位階とお布施には一定の関係性があり、基本的には位階が高いほどお布施の金額も高くなる傾向です。
ただし、お布施は感謝の気持ちを表すものであり、高いお布施を納めれば位階が高くなるというわけではありません。
位号は戒名を結ぶ文字として最後につけられるものです。
俗名でいう「様」にあたる部分で、成人か否かによってつけ方が異なります。年齢や社会的貢献度、社会的地位、信仰心によって位が決まります。
以下は位号の一例です。
位号 | 意味 |
---|---|
大居士(だいこじ)、清大姉(せいだいし) | 18歳以上で特に信仰心が厚く、お寺に対して多大な貢献をした方に授けられる。 |
居士(こじ)、大姉(だいし) | 18歳以上で大居士や清大姉に準ずるほどの信仰心を持つ方に授けられる。 |
信士(しんじ)、信女(しんにょ) | 18歳以上の方に授けられる一般的な位号。 |
童子(どうじ)、童女(どうにょ) | 18歳未満の未成年に授けられる位号。 |
男性には侍を意味する士という文字が使われ、女性には姉や女を意味する文字が使われます。
戒名は一般的に2文字で構成されますが、広義には位牌や墓石に刻まれる約10文字を合わせたものも戒名と呼びます。戒名といえば、ご逝去した際にお坊さんから授かる名前として浸透していますが、本来は戒名を構成する一部分です。
多くの場合、戒名には生前の名前である俗名から一文字が採用されます。その他、先祖代々から引き継がれている漢字や、尊敬している人物から一文字もらうことも可能です。なお、天皇家を連想する文字や不吉なことを連想させる文字は戒名に使うことができません。
道号は仏道を極めた者につけられる尊称です。
故人さまの性格を表すとされていて、戒名とのバランスを考慮しながらつけることが多くなっています。道号によく使われる文字は、場所を表す海・山をはじめ、人や性格を表す光・翁、住所を表す宅・斎などです。
もともとはお坊さんの修行場所やお堂の名前を道号に用いたことが始まりとされています。現在は生前使用していたペンネームや芸名が使われることもあります。なお、道号は未成年者にはつけないのが一般的です。
院号は戒名の頭に付ける号で、生前の信仰度や社会的功績、寺院への貢献度などに由来して付けられます。社会的貢献度が高い人に与えられる位であるため、すべての人に付くものではありません。
戒名の最高ランクは、「院殿号」に次いで「院号」です。宗派によっては院ではなく、軒や庵を付けるところもあります。
院殿号はもともと天皇や位の高い貴族に許されていた号で、武家や大名が多く用いたとされています。本来なら院号よりも下位であるものの、文字数が多く豪華な印象を与えるため、現在では最上位に位置づけられることが多いです。
お布施には明確な金額の決まりはないものの、大まかな相場は存在します。ここでは、法要ごとのお布施の相場を紹介します。
初七日法要のお布施相場は3〜5万円です。
初七日法要は、故人さまがご逝去してから最初に行われる法要となります。仏教において、初七日は故人さまが三途の川のほとりに到着し、無事に川を渡れるかどうかの大事な節目です。
近年では、初七日法要とお葬式を同日に行うケースも多くあります。
お葬式と初七日法要のお布施はまとめてお渡しして問題ありませんが、地域によっては別々に渡すのが慣習となっている場合もあるため注意が必要です。
なお、お葬式のお布施の相場は10〜50万円で地域差があります。初七日法要については、以下の記事でも詳しく解説しています。
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四十九日法要のお布施相場は3〜5万円です。
お葬式のお布施の10〜20%が相場とされています。例えば、お葬式で30万円のお布施を渡していた場合、その10%にあたる3万円を四十九日法要のお布施にします。
なお、四十九日法要は、故人さまが極楽浄土に行けることを祈るために行います。
仏教では人がお亡くなりになってから四十九日間を中陰と呼び、故人さまは現世と来世をさまよっているとされています。
四十九日法要は、故人さまの来世の行き先が決定する重要な儀式です。
仏教における忌明けのタイミングにもあたるため、故人さまと血縁関係が近い親族だけでなく、友人や知人を招待する場合もあります。
納骨のお布施相場は3〜5万円です。
四十九日法要と納骨式を同日に行う場合は5〜10万円が相場となります。また、墓石に納骨する場合はお布施以外にも以下の費用が別途必要です。
墓石に納骨する場合は、墓石の開閉に作業料が発生します。石碑に故人さまの没年や戒名を彫る場合は彫刻料も必要です。
故人さまの追善供養で卒塔婆を立てる場合も別途費用がかかります。
このように納骨にはお布施以外にもさまざまな費用が発生するため、事前に確認しておきましょう。
初盆(新盆)のお布施相場は3〜5万円です。
故人さまがご逝去された後に初めて迎えるお盆のことを初盆(新盆)といいます。故人さまの霊が初めて自宅に帰ってくることから、初盆法要を行うのが一般的です。
初盆法要を行う時期は地域によって異なり、7月13日〜7月15日に行う地域と、8月13日〜8月15日に行う地域に分かれます。
なお、初盆(新盆)法要の日程が四十九日法要、一周忌法要と近い場合、二つの法要を同時に行うケースもあります。
百箇日法要のお布施相場は3〜5万円です。
百箇日法要は命日から100日目に行う仏教の法要で、四十九日法要の忌明け後に初めて行われます。別名「卒哭忌(そっこくき)」と呼ばれ、声を上げて泣く「哭(な)く」から卒業することを意味する法要です。
ご遺族にとっては、悲しみに一区切りをつけ、それぞれの日常に戻っていくための節目です。
一般的には親族や近親者のみで行われ、お坊さんを招いて読経やお焼香を行い、法要後に会食を行う場合もあります。
現在では百箇日法要は省略されることも多いですが、地域や慣習によっては重視されている場合もあります。
一周忌のお布施相場は3〜5万円、納骨を含む場合は5〜10万円が相場です。卒塔婆を立てる場合は、別途2千円〜5千円が必要となります。
一周忌とは、故人さまがご逝去されてから一年目を指します。ご逝去してから一年という節目となるため、親族だけでなく知人や友人なども幅広く招いて法要を行うケースが多いです。
一周忌は故人さまへの哀悼の意を表すために自粛していた行動が解除され、通常の活動が再開できる喪明けのタイミングとなります。
ご逝去された月日と同じ祥月命日(しょうつきめいにち)に行うのが一般的ですが、平日の場合はその前の土日祝日に行います。
三回忌のお布施相場は1〜5万円です。
三回忌は一周忌の次にある法要で、故人さまがご逝去してから二年後に行います。三回忌以降の年忌法要では、ご逝去した日を最初の忌日とするため、翌々年を三回忌とします。
三回忌法要までは参列者を幅広く招待し、盛大に行うのが一般的です。親族をはじめ、故人さまと親しかった友人や知人を招いて行う場合もあります。
他の法要と同様に、お坊さんに読経をしてもらって参列者がご焼香をします。その後は故人さまを偲びながら会食を行うのが一般的です。
七回忌のお布施相場は1〜3万円です。
七回忌は故人さまがご逝去してから六年後に行う法要で、親族のみで小規模に行われるのが一般的です。参列者が少ないため、自宅にお坊さんを呼んで執り行うケースもあります。
七回忌以降には十三回忌や十七回忌などの年忌法要がありますが、お布施相場は七回忌と同じです。
また、最近では七回忌や十三回忌を弔い上げとするケースも増えています。弔い上げとは最後の年忌法要のことです。
弔い上げを経て故人さまは、ご先祖様の仲間入りをすると言われています。
年忌法要をどこまで行うかについて、親族間で考え方の相違があるとトラブルの原因になります。トラブルを防ぐためにも、弔い上げのタイミングを親族間で話し合っておきましょう。
お彼岸法要のお布施相場は5千円〜1万円です。
お彼岸は春分の日・秋分の日を中日とした七日間のことで、ご先祖様のご供養に適した時期とされています。
お寺や地域によってはお彼岸法要を行い、故人さまの冥福を祈り、お坊さんによる読経やお焼香などが行われます。
合同法要として行われる場合が多く、お寺の檀家やお墓を持っている人が参加する法要です。
合同法要とは別にお坊さんが檀家の自宅に出向き、個別にお彼岸法要を行う場合もあります。この場合、合同法要よりもお布施は多く必要となり、相場は3〜5万円です。
ここでは、お布施のマナーを解説します。
お布施を入れる袋は奉書紙が最適です。
奉書紙は和紙の種類の一つであり、最高級の公用紙として使われています。御教書紙と呼ばれることもあり、その歴史は室町時代まで遡ります。
儀式に最適な奉書紙でお金を包めば、お坊さんに対する感謝の気持ちを最大限に伝えることにもなるでしょう。
奉書紙は大型の文房具店や書道用品を販売しているお店、通販サイトなどで購入できます。
すぐに奉書紙を用意できない場合は白い封筒を使っても問題ありません。白い封筒を用意する際には、不要な印字がない無地のものを選ぶのがマナーです。
お布施を包む場合、お金の向きに注意する必要があります。奉書紙や封筒の表に対し、お札の肖像画は上向きになるように入れるのがマナーです。
また、お布施はお香典と違って新札を用いるのが望ましいとされています。
お布施はお坊さんへの感謝の気持ちを伝えるものであり、お香典のように気持ちの焦りや悲しみを示すものではないためです。
新札がない場合は旧札でも問題ありませんが、シワが多かったり、汚れたりしているお札はお坊さんに対して失礼にあたります。
お坊さんに感謝の気持ちが伝わるように、できるだけきれいなお札を用意しましょう。
お布施の表書きは、上半分に御布施、下半分に施主の名前を記載しましょう。お布施は家として用意するものであるため、名字+家と書いても問題ありません。
なお、お葬式の香典袋には突然の訃報を受けた悲しみを表すために薄墨を用いますが、お布施は濃墨で書くのが一般的です。
毛筆で書くのがマナーですが、筆ペンやサインペンを用いても問題ありません。
お布施の裏書には、住所と金額を記載します。封筒の左下に住所を書いて、その左側にお布施の金額を書きます。金額は旧字体の漢数字で書くのがルールです。
例えば、お布施に3万円を包む場合は「金参萬圓也」とします。
奉書紙を使ってお布施を包む場合、奉書紙の表面と裏面に注意しましょう。すべすべしている面が表、ざらざらしている面が裏です。
奉書紙を使ったお布施の包み方は以下の通りです。
無地の封筒を購入してお布施を包む場合、一般的に水引は不要です。
水引とは贈り物やご祝儀袋、香典袋に付けられる飾り紐のことをいいます。弔事において水引には、魔除けや故人さまを供養する意味があります。
お布施に水引をつけない理由は、不祝儀に対してのものではなく、お坊さんに対してお礼の意味合いで渡すためです。
ただし、地域によってはお布施に水引を付ける場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
お布施は直接手渡しせず、切手盆と呼ばれる小さなお盆にのせてお坊さんに渡すのが一般的なマナーです。切手盆は、ご祝儀やお布施などの金封を渡す際に使用する冠婚葬祭用の小さなお盆で、相手への感謝や敬意を表すための道具です。
お布施の袋をお坊さんの正面から見て文字が読める向きに置きます。御膳料や御車料など複数の封筒がある場合は、お布施を一番上に重ねて切手盆にのせましょう。
切手盆がない場合は、たたんだ袱紗の上にお布施を置いて両手で差し出しても構いません。
お布施で使用する袱紗も、お香典と同様に紺色や紫色、グレーなど弔事用の落ち着いた色を選びましょう。
お布施には明確な金額の決まりがないため、用意するにあたって悩む場合もあるでしょう。
ここでは、お布施の金額で注意すべきことを紹介します。
お布施について「お気持ちで」とお坊さんに言われた場合、金額は施主自身の無理のない範囲で包んでよいという意味です。
お布施は仏教の施しの精神に基づくものであるため、決まった定額や対価はなく、感謝の気持ちを金額に込めるとされています。施主がその時の財政事情と読経供養の相応額面を決めるというのが、本来のお布施の考え方です。
ただし、実際には地域やお寺、お葬式の規模によって相場が存在しています。お布施があまりにも少ない場合は、お寺側から指摘されることもあります。お布施が相場よりあまりに少ない場合、今後のお付き合いや別の法要の際に、お寺との関係性に影響する可能性もあります。
「お気持ちで」と言われて金額に迷う場合は、葬儀社や地域の相場を知っている方に相談するのが安心です。
お布施の金額が分からない場合は、お坊さんに直接聞いても問題ありません。
その際に「お布施代はいくらですか?」と聞いてしまうと、「お気持ちで」と言われる可能性が高くなります。そのため、「他のみなさんは、どれくらいお布施を用意していますか?」と聞くと、お坊さんも答えやすくなります。
相場よりも低いお布施が原因となり、関係悪化や揉める可能性もあるため、不安に感じるなら最初にきちんと確認しておく方がよいでしょう。
お寺に直接聞くことが難しいと感じる場合は、葬儀社や親戚、地域の方にお布施の相場を聞いてみるのもよいでしょう。また、法要の種類によってお布施の相場は変わってくるため、法要ごとの相場を聞くことが大切です。
お坊さんが複数人来た場合のお布施は、施主側が依頼したのであれば人数分用意し、そうでなければ人数分用意する必要はありません。
人数分のお布施を用意する場合、基本的にはまとめて主となるお坊さんに渡しますが、お寺や地域によってはそれぞれのお坊さんに渡すケースもあります。
なお、実際にお葬式や法要の規模が大きくないにも関わらず、複数のお坊さんが来るというケースは多くあります。これは宗派や地域によって、お葬式や法要を正式な形で執り行う際に、複数のお坊さんが必要とされる場合があるためです。
お坊さんが複数来たからといって、その分だけお布施を用意する必要はありません。ただし、施主側が呼んだかどうかに関わらず、御車代や御膳料などは人数分用意するのがマナーです。
お布施が少なすぎた場合、追加でお布施を包んで納めるのがよいでしょう。
お寺からお布施が少ないと指摘されるケースは少ないですが、相場より極端に少ない場合や、位の高い戒名を授かった場合には言及されることもあります。追加でお布施を渡すタイミングに決まりはないため、法要が終わってから渡したのでも問題ありません。
また、相場よりも高額なお布施を要求された場合や、経済的に苦しい場合はお寺を変えるのも方法の一つです。ただし、その場合は長年の付き合いや地域の慣習なども考慮し、慎重に判断することが望ましいでしょう。
お葬式や法要では、お布施以外にも用意しなければならない費用があります。
ここでは、お布施以外にかかる費用について詳しく解説します。
御車料とは、お坊さんがお寺からお葬式や法要会場まで移動するための交通費です。
会場まで足を運んでくれたことへの感謝や、交通費としてお布施とは別に用意します。御車料に明確な決まりはありませんが、5,000円〜10,000円ほど用意するのが一般的です。
お坊さんが遠方から足を運んでくれたり、公共交通機関を利用したりした場合は、相場よりも多く包むこともあります。なお、お寺で法要を行ってお坊さんの移動がない場合や、施主が運転する車にお坊さんを乗せる場合などは御車料の用意は不要です。
御車料の用意・渡し方 | ポイント |
---|---|
封筒の種類 | 無地の白封筒、白黒または双銀で結び切りの不祝儀袋。 |
封筒の表面 | 封筒表面の上部中央に「御車料」と記載。その下に喪主または喪主の家名を記載。 |
封筒の裏面 | 左下に氏名・住所・金額を記載。 |
渡すタイミング | お布施を渡すタイミング |
御膳料は、お葬式や法要の後に行われる会食にお坊さんが参加しなかった場合に渡します。
会食そのものが行われなかった場合にも、お礼として用意するのが一般的です。御膳料に明確な決まりはありませんが、5,000円〜10,000円ほど用意します。
なお、御膳料はお坊さんが会食に参加する場合は不要です。
御膳料の用意・渡し方 | ポイント |
---|---|
封筒の種類 | 無地の白封筒、白黒または双銀で結び切りの不祝儀袋。 |
封筒の表面 | 封筒表面の上部中央に「御膳料」と記載。その下に喪主または喪主の家名を記載。 |
封筒の裏面 | 左下に氏名・住所・金額を記載。 |
渡すタイミング | お布施を渡すタイミング |
心づけは、お葬式でお世話になった方に対して支払うお礼です。
具体的には、葬儀社の担当者、霊柩車の運転手、受付を手伝ってくれた方などが対象となります。3,000円〜10,000円が相場ですが、近年では心づけを受け取らない方針の葬儀社も増えています。
ちなみに法要における心づけは、お坊さんに渡す御車料や御膳料のことです。御車料や御膳料を用意しているのであれば、別途心づけを用意する必要はありません。
心づけについては以下の記事でも詳しく解説しています。
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戒名料とは、お寺に戒名を授けてもらうことへのお礼です。
戒名料がかかるのは、基本的に新たな戒名を授与してもらう場合のみです。すでにお葬式で戒名を授かっている場合、法要では戒名料はかかりません。そのため、お坊さんに読経をお願いするお布施のみを包みます。
ただし、法要の際に新たな戒名を付けてもらう場合は、その謝礼として戒名料が必要になる場合もあります。その場合、戒名料をお布施とは別に包むケースと、まとめてお布施として渡す場合があるため、お寺に確認しておくとよいでしょう。
ここでは、お布施金額についてよくある質問を紹介します。
お布施には、渡してはいけないとされる金額の決まりはありません。
慶事や弔事では割り切れる偶数は使用しないマナーがありますが、お布施については特に決まりはありません。また、お香典では、「4」や「9」などの数字は避けるマナーがありますが、お布施の場合は問題ありません。
ただし、端数のある中途半端な金額はお布施は避けるのが望ましいとされています。例えば、「21,233円」といった小銭が含まれる金額は、受け取りに手間をかけさせ、丁寧さに欠ける印象を与えるため避けましょう。千円単位や万単位のきりの良い金額で包みます。
家族だけの法要を行う場合でも、お布施の金額は基本的に変わりません。
ただし、お布施の金額に決まりはなく、家族だけの法要の金額は一般的な法要に比べてやや低めになるケースが多いです。
地域や宗派、お寺の慣習によっても変わるため、家族だけの法要で用意すべきお布施の金額がわからない場合は、お寺や担当のお坊さんに相談してもよいでしょう。
お布施の金額がわからない場合は、まずお寺やお坊さんに直接相談するのが確実な方法です。
お布施の金額に明確な決まりはないものの、地域や宗派、お寺ごとに相場や慣習があるため、気になる場合は尋ねても問題ありません。周囲に相談できる檀家や地域の詳しい人がいる場合は、その方に相談してみてもよいでしょう。
お布施は法要当日に渡すのが一般的ですが、事情がある場合は後日郵送することも可能です。
現金を郵送する際は必ず「現金書留」を利用し、白封筒やのし袋に包んだお布施と、感謝の気持ちやお詫びの気持ちを記した手紙を同封します。また、郵送する場合は事前にお寺やお坊さんに連絡し、郵送の旨を伝えておくと丁寧です。
お葬式や法事の際にはお布施を用意しなければなりません。
お布施に明確な決まりはないものの、宗教や地域、お寺によって相場があります。
お寺とは長い付き合いになるため、お布施を用意する際は失礼がないようにしましょう。
また、お布施以外にも御車料や御膳料が必要になる場合もあるため、渡し忘れがないように注意が必要です。
お布施について分からないことや不安に感じることがあれば、親族や菩提寺、葬儀社に相談しておくとよいでしょう。
「よりそうお坊さん便」は、お葬式、ご法事の読経に関する費用を含んだ定額プランで、お布施の費用を分かりやすく定額にして、僧侶の紹介を行なっているお坊さんを派遣するサービスです。お坊さん手配でお困りの際は、ぜひ「よりそうお坊さん便」にお任せください。
(※菩提寺がある方のご依頼は、菩提寺に連絡し、必ず許可を得てからご依頼ください。)
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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