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宗教別の供物に適した品物・送り方・マナー [葬儀編]

  • 2023年01月30日
花

日本の葬儀では、故人への供養や感謝の気持ちを表すために供物を送ります。遺族に弔意を伝えるためにも、供物には適切な品物を選び、失礼のないようにしなければなりません。
葬儀の際に送る供物には、宗教による考え方や習慣の違いによって、それぞれマナーが異なります。このコラムでは、そもそも供物とは何であるかを説明し、宗教ごとに選ぶべき品物や、供物の送り方などのほか、返礼品についても紹介しているので参考にしてください。

記事の監修

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

供物とは?

葬儀で送る供物とは、亡くなった人の霊を慰めたり、生前お世話になった故人へ感謝の気持ちを表現したりするものです。

故人へ供える目的があるため、通常は供物台や祭壇の脇などに飾られます。
宗教や地域などで、供物にはそれぞれの特色があり微妙に異なるため、参列する葬儀がどの宗教で行われるものなのかは事前に把握しておくと良いです。

日本の葬儀で送られる供物は香典である金銭のほかに、仏教の五供をベースに考えられているため、食品を供えるケースが多いと言われます。
五供は食品を指す飲食や線香を指す香のほか、先祖のために明かりを灯す蝋燭や先祖へ喜んで貰うための花、清浄な水を指す浄水を表しています。
日本では供養のしきたりとして一般的に供物へ用いるものとして知られているものばかりです。ですから、供物に選ぶ品物は五供に縁のあるものにすると間違いがありません

しかし、前述した様に宗教によっても違いがあるほか、いくら故人を偲ぶためのものとは言え、当然ながら受け取るのは生きている遺族です。
遺族に対しても迷惑にならず喜んで貰える品物を選ぶのが供物のマナーとも言えるでしょう。

宗教別の供物に適した品物

果物

仏教の場合

主に、食品や線香のほか、蝋燭(ろうそく)なども供物として送れます。前述した様に、五供の考えから供物にするための品物はほぼ決まっているので、特に仏教であれば五供をベースに品物を選択すれば良いでしょう。
基本的に供物は消費できるものが良いと考えられているため、線香や蝋燭(ろうそく)は一般的な供物として用いられます。

一方で香典は線香の購入代金として送ると考えられているので、参列する葬儀や遺族の立場などを考慮して現金にするか線香にするかを決めましょう。

食品の場合は、衛生面を考慮して菓子などで日持ちするものや、包装がしっかりしたもの、また、缶詰も多く使われます。生ものではフルーツの詰め合わせが供物として用いられるケースも多いです。

神道の場合

神道の葬儀では、神の恩恵と言う考えから海産物が供物になるほか、お酒も神聖な飲み物として扱われるので、一般的に祭壇へ供えられます。
海産物や酒類以外の食品を選びたい場合は、仏式に準じて問題ありませんので、果物や日持ちするお菓子などを選ぶと良いでしょう。

キリスト教の場合

そもそも供物が習慣にありませんが、葬儀では生花が送られるケースが多い様です。

供物として送ってはいけない品物

供物には送ってしまうとマナー違反になる品物があるため、事前に知っておく必要があります。

仏教の場合

まず、仏教の場合は、殺生をイメージさせる海産物や肉類などの生物は、供物としてふさわしくありません。
アルコール類も供物にならないので選ばないようにしましょう。
基本的に食品を供物にする際は、故人の好んだ食べ物を選ぶ人も少なくありませんが、宗教によってタブーとされているものは選ばないで下さい。

神道の場合

神道では、仏教で禁じられている海産物や酒類は供物になりますが、線香は神道では使用しないので避けます。蝋燭(ろうそく)は神道でも使います。

キリスト教の場合

キリスト教で生花をお供えすることはありますが、芳名板など送り主の名前が入ったものははずします。供物を遺族に渡すことは可能です。

供物の送り方とマナー

事前に喪家に承諾を得ておく

現代では基本的に喪家と近しい間柄ではない一般の参列者は供物ではなく香典を持参するのが一般的です。
主に、近親者や企業などの団体であれば、供物を送るケースがあります。
また、供物を飾るためのスペースが確保できるかや、葬儀のスタイルに合っているかなど、供物については気を配る必要があるでしょう。このため、供物の手配をする以前に喪家へ承諾を得ておくのがマナーになります。

会場の場所や届ける時間帯などのほか、喪家の考え方などを確認するのは重要です
事前確認ができて喪家が供物を辞退しない場合は、葬儀を運営する葬儀社や世話役の連絡先を聞き、手配を頼むと間違いが少なくなります。

花輪や生花は葬儀に用いない地域があるなど、宗教だけでなく地方によっても習慣が異なるため、知識がある業者に相談するのは良い手段です。

供物を送るタイミング

葬儀が行われる会場へ直接送りたい場合は、会場側の都合を考えてなるべく早期に手配を済ませるのが大切です。

通夜に間に合わせたいなら、通夜当日の午前中に会場へ届くようにするのが良いでしょう。

葬儀に間に合わせるなら葬儀前日までに届けます。タイミングが合わずに葬儀に間に合わなければ供物を用意した意味がなくなってしまうので、供物を手配する業者にしっかりと伝えて下さい。

また、訃報を後で知った場合は、勿論葬儀には間に合いませんので弔問した際に供物を渡すと良いでしょう。
しかし、葬儀直後は遺族の疲労なども考慮して無理に訪問せず、辞退された場合はお悔やみの言葉を添えて、香典や供花などを郵送すると良いです。

のし紙の水引きや表書きのマナー

葬儀に送る供物へかける掛け紙は、のしがない結びきりと呼ばれる水引きが描かれた弔事用のものを使います。
広く使われている水引きの色は黒白ですが、地域によって適した物を選びましょう。
広く使われている水引きの色は黒白ですが、地域によって適した物を選びましょう。


表表書きは、仏式であれば御供物や御供、神式では御玉串料と水引きの上部に書きます。因みに御供の読み方は「おそなえ」です。
「御霊前」も厳密には使わない宗派もありますが許容範囲内です。 水引きの下に氏名を記載しましょう。


また、キリスト教で供えるバスケットフラワーなどには掛け紙や名札は付けないのがマナーです。です。

供物のおすそ分け

葬儀が終了した後に、地域により供物を参列者へ持ち帰らせる習慣があります。供養のひとつと考えられている習慣で、供物のおすそ分けを勧められた場合は、断らずに受け取るのがマナーです。

遠方から参列したなど、どうしても持ち帰れない理由がある場合にはきちんと喪家へ伝えると失礼にならずに済みます。
また、喪家が供物のおすそ分けをすると事前に分かっていた場合、送る供物に選ぶ品物は菓子などで個包装になっているものなどが喜ばれるでしょう。

供物に関する気になる疑問

男性疑問

供物・香典・供花のどれを送るのが一番良いの?

前述しましたが、地方や宗教によって供物のあり方は異なるので、マナーに準じたスタイルを選びましょう。
ただし、近年では供物や供花を辞退する喪家も少なくはありません。小さな会場で葬儀を行うケースや、多くの供物を貰っても分け与える人がいないなど、様々な理由があります。
一方で、大勢の参列者を呼ぶような大型の葬儀では花輪やフルーツなどの派手な供物は喜ばれるかもしれません。
供物を送る場合は喪家へ事前確認するか、一般の参列者であれば香典を持参するのが無難と言えるでしょう。

【合わせて読みたい】
葬儀で香典辞退と言われたらどうする?供え物や供花は送る?家族葬の時は?
供花とは?送り方マナー・相場・宗教ごとの違い

いただいた後のお返しや返礼品はどうしたら良いの?

返礼品に関しては、香典の場合は一般的に貰った現金の半額程度を相場に品物を送りますが、故人が喪家の主であった場合などは、3分の1程度を香典返しの相場にしてもマナー違反にはなりません。
供物や供花の場合は、お礼状を送るのが一般的ですが、加えて返礼品を添えるのがマナーです。
香典と供物を貰った場合は、香典の分を合算して返礼品を選ぶ必要があります。

【合わせて読みたい】
弔電や供花に対するお礼はどうすべき?お礼状の書き方
香典返しの書き方送り方【挨拶状/のし/表書きですぐに使える文例付き】

供物の受け取りを辞退する旨の連絡があったらどうするの?

喪家の意向を尊重すべきです。どうしても供物を送りたい場合は、後日に遺族を訪ねて改めて渡すスタイルにしましょう。
ただし、無理に行動を起こすと迷惑になるため、喪家への事前確認は必ずして下さい。

まとめ

葬儀で供物を送りたい場合、宗教や地域ごとの違いや、喪家の考え方、葬儀のスタイルなどを考慮する必要があります。
香典を送る参列者が多い中で、どうしても供物や供花を送りたい場合には、喪家の意向や会場の状態を事前に確認してから手配するかを判断しましょう。

監修者のコメント

祭壇脇に飾られる供物を盛篭(供物篭)といい、供花より盛篭の方が喜ばれることもあります。専用の篭に、果物、缶詰、菓子などが盛り付けられ、祭壇を彩ります。スタンドタイプの篭が多いのですが、近年はデザイン性のある器を使用しているところもあります。

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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。

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