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つけなければいけないもの?戒名の必要性について考える

  • 2022年06月02日

日本ではほとんどの葬儀は仏式で行われています。
日本消費者協会が2014年に行ったアンケートによると、仏式で葬儀を行った割合は実に91%にものぼりました。
仏式での葬儀においては、戒名が授けられます。
戒名料として遺族が寺院に何十万円も渡すということは珍しくありません。しかし、どうして葬儀のときに戒名をつけるのか、それは必要なことなのか、そしてどうしてそんなに高額なお金がかかるのかといったことは、よくわからないという人は多いでしょう。
そこで、ここでは、戒名をつける理由や必要性などについて説明していきます。

戒名の必要性がわからない人がよく思うこと

多くの人がまず疑問に思うことは、戒名の必要性と、どうして料金があんなに高いのかということでしょう。

まずは、戒名とは何かということについて説明します。
戒名とは、仏門に入った者に対して与えられる名前です。
戒名を授かるということは、仏弟子になった証であり、仏の定めた戒めや生活規律を守るという証でもあります。
この戒めや規律は、合わせて戒律と呼ばれています。

戒名は死んだ後でつけられる名前というイメージが強いですが、本来は、仏門に入った人が授かる名前なのです。
そのため、お坊さんはみんな戒名を持っています。
しかし、長い年月を経て、仏弟子にならないままで亡くなる人が増えました。
そのままでは仏式での葬儀や法要が行えないため、亡くなってから戒名をつけて仏弟子として弔うことが一般的になってきたのです。
ちなみに、戒名には位があり、寺院へ大きく貢献した人ほど高位の戒名が授けられることになっています。

なお、仏教では戒名と呼ぶことが一般的ですが、宗派によってはこの呼び方を使わないこともあります。
浄土真宗では戒めという考え方をしませんので、戒の字は使わず「法名」と呼んでいます。
また、日蓮宗でも授戒という考えた方はないため、「法号」という言い方をしています。
いずれにせよ、戒名(法名や法号)は宗旨宗派に則った供養を行うために、必要となるのです。

では、その戒名が高額なのは、どうしたわけでしょうか。
実は、本来の筋道から言うと、戒名料というのは少しおかしなものなのです。
仏教には六波羅蜜と呼ばれる修行法があり、その徳目のひとつに「布施」があります。
この布施には、仏の道を説いたり写経や読経を行ったりする法施、見返りを求めず金品を施す財施、相手の不安をなくすために相談にのるといった行為を行う無畏施の3種類があります。
このうち、お坊さんが戒名を授けるのは法施にあたり、それに対して感謝の意を込めて金品を渡すのが財施です。

つまり、戒名料という対価が決まっている物ではなく、本来はあくまで自発的な気持ちから渡す「お布施」なのです。
しかし、実際には、多くのお寺で戒名料として渡すお布施には相場を設定しています。
これは、お布施には運営や維持にお金がかかる寺院に援助するという側面もあり、目安を示した方が檀家側もどうすればいいかわかりやすいという事情も合わさって、このようなことになっているのです。

戒名をつけないと起こる問題とは?

戒名の意味は理解できても、高いお布施を払ってまでつけてほしくない、という人もいるでしょう。実は、戒名は絶対に必要というわけではありません。つけなくても故人を弔いをする方法はあります。

ただし、菩提寺がある場合は別です。
菩提寺に葬儀をお願いしたり、納骨したいと考えている場合は、戒名を授かなければ拒否されてしまう可能性があります。
お寺は元来仏教の修行をする場所ですから、そこに入るのであれば、授戒を受けて仏門に入る必要があるのです。

また、たとえ故人に頼まれて戒名をつけなかったとしても、親族から批判される恐れもあります。
お寺との結びつきが強い地域もあり、戒名を授かるのは当然のことと考える人もたくさんいます。菩提寺から戒名を授からないことで、親族から大きく糾弾される可能性は否定できません。
どうして戒名をつけないことにしたのか、その理由を親族によく説明して、事前に理解を得ておくようにしましょう。

戒名は必ずつけなければならないもの?

菩提寺があり、そこで葬儀や納骨を行う場合は、基本的に戒名は必要です。
しかし、お弔いの方法は多様化しており、先祖代々受け継いできたお墓に入るだけではなくなっています。たとえば、永代供養や海洋散骨といった供養の方式もあります。

永代供養とは、納骨堂や永代供養墓に遺骨を預け、遺族に代わって霊園や墓地の管理者に供養や管理をしてもらう方法です。
納骨堂とは遺骨を預けておくお堂のことですが、多くの場合、13回忌や17回忌などのタイミングで遺骨を永代供養墓に移送します。
永代供養墓は、他の遺骨と合祀されることがほとんどで、墓誌版などに故人の名前が記されます。この墓誌名の名は、公営や民営の霊園であれば戒名ではなく俗名のままで問題ありません。

海洋散骨は、遺骨を粉砕して粉状にし、海にでて撒くという供養形式です。
年忌法要などをどうするかは故人と遺族の考え方次第ですが、墓を持たない供養形式のため、とくに戒名を必要としていません。

戒名をつけないと位牌はどうなる?

人が亡くなると、仏式で葬儀を執り行う際は、白木の位牌を用います。
これは仮の物で、忌明けとなる四十九日を目途に漆塗りの正式な位牌へと交換します。
位牌は、故人の魂が下りてくる拠り所と考えられおり、通常は仏壇に祀ります。
位牌の表には戒名と亡くなった年月日を彫り、裏面には俗名と享年が入るのが一般的です。夫婦の場合のみ、1つの位牌に連名で入れることも可能です。

では、戒名がない場合は、位牌はどうしたら良いでしょうか。
この場合は、生前の名前を使用して構いません。その際は、名前の後に「霊位」や「位」と付けることで、戒名と同じ意味をもつと言われています。
表面には名前のみを入れて裏面に没年月日と享年をいれるケースと、表面に名前と没年月日をいれ、裏面には享年のみいれるケースとがあり、どちらでも問題はありません。

なお、位牌をつくったら、故人の魂を入れてもらう儀式(開眼供養/開眼法要)が必要となります。四十九日の法要の際に行うことが一般的です。戒名を付けておらず、菩提寺ではなく葬儀社に紹介してもらったお寺に開眼法要をお願いする場合は、戒名無しの位牌であることは事前に伝えておきましょう。

戒名料が気になる場合の対処法1.生前戒名

戒名自体はつけたいけれど、高額な戒名料の支払いは避けたいというときの対処法の1つに、生前戒名を授かるという方法があります。
生前戒名は、亡くなったときにつけてもらう戒名より安く設定されているのが一般的です。
なお、生前戒名は、費用を抑えられる他に好きな漢字を入れてもらえるなど納得のいく戒名を受けられるというメリットもあります。

生前戒名を検討している場合は、菩提寺がある人は菩提寺に相談するようにしましょう。
特につきあいのあるお寺が無い場合は、葬儀や納骨を頼む予定のお寺があれば、そこに相談するとよいでしょう。
注意したいのは、菩提寺があるのに連絡せず、他のお寺に相談して戒名をつけてしまうケースです。この場合、いざ菩提寺の墓地に納骨しようとしたときに断られてしまったり、新たに戒名をつけなおしてもらう必要が生じる可能性があります。菩提寺がある場合は、必ず事前の相談が必要です。

戒名料が気になる場合の対処法2.位の低い戒名をつけてもらう

戒名料を抑える方法として、低ランクの名にしてもらうというものもあります。

本来、戒名は2文字のみでした。
しかし、現代では院号・道号・戒名・位号の4つのパートから構成されるようになり、この4つを繋げたものを戒名と呼ぶようになっています。
このうち、院号は寺院や社会に対して大きな貢献をした人に対してのみ与えられます。そのため、院号がつかない戒名というものもたくさんあります。
道号は、故人の性格を象徴する漢字を使用するなど戒名に個性や格式を添えるものです。

戒名はこれまで見てきたとおり、仏門に入った証の名前です。
そして、その下の位号は、居士や大姉、信士や信女などいくつかの種類があり、性別や年齢によって使い分けられ、仏教徒の階級を表します。
大居士や清大姉は位が高く、一般の男女であれば信士や信女になることが多いです。

高位の戒名は、長く寺院に寄与してきた見返り、お礼として寺院側が与えます。
本来とても喜ぶべきことですが、高位になるほど戒名料の相場も高くなってしまうのです。最高位になると100万円を超すものもあります。
そのため、戒名のランクにはこだわらないから費用を抑えたいというのであれば、寺院側に率直に相談して低いランクの戒名にしてもらうと良いでしょう。

なお、戒名は寺院側が決めるものですので、高額のお布施を包んだところで、必ずしも高位の戒名を授かれるわけではありません。

戒名料が気になる場合の対処法3.戒名料の安いサービスを使う

戒名を授かるには、菩提寺や納骨予定のお寺に相談する他に、戒名授与サービスを行っているところを利用するのも1つの方法です。
既に明した通り、戒名料はもともとはお布施の性質をもったもの。戒名の対価ではなく寺院への感謝の気持ちとして渡すものです。ところが、相場を見ると非常に高額に設定されていることが多いです。
困ってお寺に相談すると、「お気持ちで結構です」というような言われ方をすることが一般的です。寺院側へ渡すお金の額は、葬儀や法事に関して遺族をもっとも悩ませるものの1つです。

戒名授与のサービスでは明確な金額設定をしており、その額は一般的な寺院戒名の相場からするとかなり安いのが普通です。
たとえば、最高位の院居士・院大姉で20万円、一般的な信士・信女なら2万円などといった具合に、明確で比較的安価な金額が設定されています。金銭的な負担も少なく、いくら払えばいいか迷うこともありません。
ただし、菩提寺で納骨する予定がある場合は、生前戒名をつけてもらう場合と同様にサービスを利用する前にそちらに相談する必要があります。菩提寺がない、民間や公営の霊園に納骨するといった場合はあまり問題はないでしょう。

戒名が不要だと感じたら?寺院に連絡を

それでは、戒名の不要必要について検討してみて、やはり不要だと感じた場合はどうすればいいでしょうか。
まずは、菩提寺がある人はその旨を寺院側に伝えて相談しましょう。

そもそも戒名とは、仏門に入った証となるものです。
そして、仏式の葬儀というのは、基本的に仏弟子でない故人に授戒を施し、仏の世界に旅立てるようにするというものです。
戒名をつけなくていいとするのは、仏式での葬儀や法要は必要ないという意味になります。
菩提寺の僧侶にお願いして葬儀を行わないのであれば、墓地に入ることも拒否されてしまうでしょう。
場合によっては離檀する必要が生じる可能性もあります。そのことも含めて、しっかり相談することが大切です。

菩提寺がなく、葬儀社に寺院を紹介してもらうというときは、葬儀社や紹介先の寺院に戒名は不要であることを早い段階でしっかり伝えておきましょう。寺院の方針や考え方によって、対応が異なります。

戒名は故人が死後の世界で迷わないための名前

繰り返しになりますが、戒名は、厳しい修行を行い戒律を守る証として、仏弟子に授けられる名前です。そのため、生前に仏教に帰依して戒名を授かるのが本来の形といえます。
しかし、現代では仏弟子とならないまま死を迎えるケースがほとんどとなりました。
そこで、故人の魂が死後の世界で迷わないようと、戒名を与え、仏弟子としてあの世に送り出しているのです。
仏弟子であれば、仏の世界に入ることができます。この死生観に則れば、故人の魂が迷わずにあの世に行き、安らかに成仏するためには、戒名は必要なものと言えるでしょう。

戒名をつけることが必要であるか不必要であるかは個人の考え方によって分かれるところですが、故人のことを思うなら戒名は重要なものであり、つけた方が良いという考え方は、日本においては広く根付いています。

戒名の不要必要は人によって違う!家族や寺院とよく相談を

これまで、戒名は亡くなったら僧侶からつけてもらわなければいけないものと漠然と考えていた人は多いのではないでしょうか。
仏教の方式に則った葬儀や法要を行うのであれば、戒名は確かに必要なものとなります。しかし、仏教での葬儀や供養にこだわらず、無宗教葬を行い、公営や民営の墓地に納骨するか散骨を考えているといった場合は、戒名は必要のあるものではありません。

先祖代々お世話になっている菩提寺があるか、特に付き合いのあるお寺はないかといったことや、故人の生前の考え方でも、戒名の不要必要は変わってきます。
戒名をどうするかは、本人1人や家族だけで決めてしまわないで、必要であれば寺院も交え、あらかじめよく相談しておくことが大切です。場合によっては親族にも事情を話して、理解を得ることも必要でしょう。

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