開眼供養・魂入れとは?お墓や仏壇に魂をいれる儀式
- 2022年06月02日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
お墓や仏壇を購入したときには、施工業者やお店のスタッフから開眼供養や開眼法要の儀式を勧められるかもしれません。
このような儀式は、名称こそ異なりますが、仏教の各宗派で行われています。先祖供養をしていくうえでは、儀式の詳細についてもしっかりと把握しておいたほうがいいでしょう。
開眼供養や開眼法要っていったいどんなことをするの?と疑問に感じている方のために、今回は儀式の詳細や必要な準備などをご紹介していきます。
開眼供養・魂入れとは?
開眼供養や魂入れは、お墓や仏壇、位牌などに先祖や故人の魂を入れる儀式
設置したばかりのお墓や購入して間もない仏壇、位牌などには、先祖や故人の魂が入っていない状態と考えられています。
通常、このようなお墓や仏壇、位牌を購入して、魂入れずの状態のまま放置することはありません。
速やかに菩提寺の僧侶などに依頼をして、開眼供養(かいげんくよう)や魂入れの儀式を行ってもらうのが一般的です。
お墓を移すときや、引っ越しに伴い仏壇を移動するときには、あらかじめ閉眼供養や魂抜きと呼ばれる儀式を行います。
このような儀式をした後にも、新に設置したお墓や仏壇に開眼供養や魂入れを行って魂を入れます。
昔から、仏師が完成した仏像に魂を入れるときには眼を書き込む習慣がありました。こういった事情から、開眼供養という呼び名が使われるようになったと言われています。
開眼法要や根性入れとも呼ばれる
開眼供養や魂入れの儀式は、開眼法要や根性入れとも呼ばれています。仏教の宗派によって呼び方が異なるのが、この手の儀式の特徴です。
実際、浄土真宗や浄土宗などでは、入仏式や撥遣式(はっけんしき)といった名称で呼ばれています。
お墓や仏壇などに魂を入れる儀式は、本来は「入仏法要」が正式名称です。
開眼供養や開眼法要、魂入れといったいろいろな呼び名がありますが、いずれも「入仏法要」をより分かりやすく表現した俗称です。ちなみに、この「入仏法要」は、仏事の中でもお目出度い儀式と考えられています。
開眼供養魂入れの準備
行う時期
開眼供養や魂入れは、例えば以下のような時期に行われます。
- お墓が完成したとき
- 仏壇を購入したとき
- 黒塗りの位牌を購入して白木の位牌を処分するとき
設置工事が終わったお墓には、開眼供養や魂入れをするのが1つのしきたりです。新しいお墓が完成した後は、儀式を行う1つのタイミングと言えるでしょう。
仏壇を購入して家に設置したときにも魂を入れてからでないと供養ができないため、購入とほぼ同時期に儀式を執り行うケースが多いです。
また、白木の位牌を黒塗りの位牌に取り換えるときにも開眼供養や魂入れを行います。
多くの方は、四十九日が過ぎると納骨をします。このときには、それまで供養していた白木の位牌を処分して黒塗りの位牌に取り換えるのが一般的です。
新しく購入した位牌に魂を入れるのが、開眼供養や魂入れです。
流れ
お墓の場合
お墓の場合は、現地で僧侶を迎えてお経をあげてもらうのが最初のステップです。開眼供養や魂入れをする前の墓石には白い布がかけられていることが多いですが、お経をあげるときにはこの布を取り外します。
その後、参列した人が順番に焼香をし、再び僧侶による読経が行われます。
仏壇の場合
仏壇の開眼供養や魂入れのときには、仏壇を設置してある部屋まで僧侶に出向いてもらうことが必要です。お墓と同様に、読経、焼香、読経といった流れで儀式が行われます。
位牌の場合
位牌の場合も、儀式の流れは基本的に同じです。菩提寺通じて位牌を購入した場合は、お寺の本堂などで儀式が行われる場合もあります。
服装
開眼供養や魂入れの際の服装は、とくに決まっていません。必ずしも礼服を身につける必要はなく、黒やグレーといった地味な色の服装であれば、問題になることは少ないです。
ただ、このような儀式の後には納骨式が行われるケースが少なくありません。納骨式があるときには、喪服に準じた服装をしたほうがいいでしょう。
必要なもの
開眼供養や魂入れの際には、例えば次のようなものが必要です。
- 仏様用のご飯やお膳、箸
- 花
- 赤いろうそく
- お供えの果物や菓子
慶事である開眼供養や魂入れでは、ろうそくも赤いものを使います。納骨式が続くときには、白いろうそくも用意しておきましょう。
費用
儀式の際、施主は僧侶へお布施を渡します。ちなみに、開眼供養や魂入れのお布施の相場は、1万円から3万円前後です。
お布施を渡すときには、シンプルな白い封筒や奉書紙などを使うのがベストと言えます。
表書きに「御布施」や「御礼」といった文字を書き、お金を包みましょう。
他家の開眼供養や魂入れに参列するときには、香典を用意するのがマナーです。
香典の金額は、通常の法事とほぼ同じと考えておいていいでしょう。
自分の立場の相場に合わせて、5千円から3万円前後のお金を包めばマナー違反になることはありません。
ちなみに、開眼供養や魂入れの香典を包むときには、のしがついていない祝儀袋を用います。紅白の水引があしらわれた祝儀袋に、「開眼供養御祝」などの表書きを書きましょう。
当日のお供え物の相場は、お盆やお彼岸の場合と大体同じです。
さほど高価なものをそろえる必要はなく、5千円から1万円前後の予算を見ておけばひととおり用意ができるでしょう。
香典の返礼品は、もらった金額の3分の1程度が相場と言えます。
まとめ
お墓や仏壇がある方は、今回取り上げた開眼供養や魂入れが必要になる状況もでてきます。
必要に応じて菩提寺や施工業者、仏具の販売業者と相談をしながらスケジュールを組めば、スムーズに儀式を執り行うことができるでしょう。
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