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葬儀の種類・宗派
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「天台宗」は、比叡山延暦寺にゆかりが深く、最澄(伝教大師)を開祖とする仏教の宗派の一つです。宗派名には馴染みがなくても、比叡山延暦寺の名前を耳にしたことがある方は多いかもしれません。
天台宗は、日本仏教の展開の中で大きな存在感を持ち、のちの時代の仏教界に幅広い影響を与えてきたと説明されます。実際に、後世に新たな動きを生み出した僧の中には、若い頃に比叡山で学びを深めたとされる人物もいます。
この記事では、天台宗の基本的な特徴を整理したうえで、葬儀の考え方やマナーについても紹介します。
天台宗は、平安時代に最澄(伝教大師)によって開かれたとされます。最澄は804年に遣唐使に随行して唐へ渡り、中国で天台教学を学んだのち、805年に帰国してその教えを広めていきました。
その後、延暦25年(806)に年分度者(国家公認の僧侶)2名を認可する官符が出されたことから、天台宗では806年を開宗の年(開宗の日)として説明されています。
天台宗は、特に法華経を重視することで知られます。法華経は、大乗仏教の代表的な経典の一つとして、「すべての人が仏となりうる」という趣旨が説かれる経典として理解され、最澄もその教えを大切にしたとされます。
日本における天台宗の総本山は、比叡山延暦寺です。延暦寺は、最澄が開いた草庵(「一乗止観院」とされます)に始まると説明され、最澄の没後、弘仁14年(823)に嵯峨天皇から「延暦寺」の寺号が下賜されたと伝えられています。
最澄が建立した草庵の後身として、現在は根本中堂が中心伽藍の一つとなっています。根本中堂は歴史の中で焼失と再建を重ね、現在の建物は戦国期の焼き討ち後に再建されたものとして知られます。
比叡山延暦寺は、のちに各地で新たな仏教の流れを築いた僧が、若い頃に学びを深めた場として語られることがあります。そのため、浄土教系や禅宗系、日蓮系の諸宗が、広い意味で天台の学問・修行環境から影響を受けたと説明される場合もあります。
また、こうした文脈から、比叡山延暦寺が「日本仏教の母山」と称されることがある、という言い方もされます。
天台宗の修行は多岐にわたりますが、天台教学の修行体系として語られることが多いものに「四種三昧」があり、比叡山の代表的な行として知られるものに「千日回峰行」があります。
四種三昧は、天台大師(智顗)の『摩訶止観』で説かれる修行法で、形態の違いによって「常坐三昧」「常行三昧」「半行半坐三昧」「非行非坐三昧」の4つに整理されます。
ここでいう「三昧」は、心を一つの対象に安住させて散乱を離れる、といった意味で用いられる仏教用語です。
常坐三昧:座して行う三昧で、一定期間にわたり坐して修行に専念します。
常行三昧:歩行しつつ行う三昧で、一定期間、行道(歩行)と称名・読誦などを中心に修します。
半行半坐三昧:歩行と坐法を組み合わせて行う三昧です。内容は体系的に説明されることが多く、たとえば「方等三昧」「法華三昧」などの枠組みで語られます。
非行非坐三昧:上の三つに限らず、日常のあらゆる場面でも止観を忘れない、という趣旨で説かれる三昧です。
次に、比叡山で知られる厳しい修行として「千日回峰行」があります。千日回峰行は7年をかけて行われ、定められた日数・行程で比叡山中(年次によっては京都の一部を含む)を巡拝し礼拝を重ねます。途中には、9日間の断食・断水・不眠・不臥で不動真言を唱え続ける「堂入り」があることでも知られています。
修行者の装束として、白装束や笠、草鞋などが挙げられます。また、短剣や「死出紐」を携える点は、行の厳しさと覚悟を示す象徴として説明されることがあります。
千日回峰行の行程は年次で段階があり、たとえば1〜3年目は一定期間(各年100日)巡拝を重ね、4〜5年目は日数が増え、堂入りを経て、6年目以降はさらに長距離の巡拝(年次によっては「京都大廻り」など)を含む構成として紹介されます。
天台宗の葬儀は、日本の仏教葬儀の一般的な形式に沿って、読経や焼香を中心に営まれます。加えて天台宗では、顕教と密教の両面を重んじる立場を背景に、葬儀の法要も「顕教法要」「例時作法」「密教法要」といった構成で説明されることがあります。こうした作法に則り、故人を供養し、冥福を祈念するかたちで執り行われるのが特徴です。
この三つの法要は、それぞれ役割が異なります。
顕教法要では、法華経の読誦などを行い、懺悔(さんげ)を重んじます。天台宗では、すべての人に仏性があると説くため、懺悔を通して心身を清め、功徳を故人へ回向する趣旨で営まれます。
例時作法では、読経などを通じて故人の安らぎを祈り、極楽往生を祈念するとともに、残された人々の心のよりどころを整える意味合いも込められるとされます。
密教法要では、定められた作法に基づき、印(手の結び)を結び、真言を唱えるなどして故人を供養します。こうした修法を通して、故人が善き道へ導かれるよう祈念します。
天台宗の通夜では、臨終誦経と通夜誦経、そして剃度式が行われると説明されます。
臨終誦経では、阿弥陀経を読誦し、故人が安らかに導かれることを祈念します(枕経として行われることもあります)。
通夜誦経では、朝と夕方で読誦される経典が異なるとされ、朝は法華経、夕方は阿弥陀経を読む形が一般的です。
剃度式では、香を焚き、必要に応じて清拭を行うなどして故人の身を整えます。出家の作法として剃刀を当てることが習わしですが、現代では実際に剃髪しない場合も多いとされます。
この際、導師が辞親偈を唱え、出家の志を示します。続いて懺悔文、授三帰三竟を唱え、三宝(仏・法・僧)への帰依を表明したうえで、最後に故人に戒名が授けられます。
天台宗の葬儀は、次のような流れで進行します。
まず導師によって「列讃」が行われます。
この列讃では、穏やかな旋律の曲が流れます。
故人が成仏し、阿弥陀如来に迎えられることで仏となることを祈ります。またこの列讃には、場の静粛を促す意味もあります。
唱え終わると、鐃と鈸という打楽器が鳴らされます。
列讃の後は、故人の棺が閉ざされます。この棺を封じること「鎖龕」と呼びます。
続けて、棺を送る準備が行われます。これは「起龕」と呼ばれます。
その後「奠湯」あるいは「奠茶」と呼ばれる儀式が行われます。これは、霊前に茶器を供える儀式です。
これらの儀式で、故人が旅立つ準備が整います。
導師は霊前に進んで、「引導」を渡します。この引導には、故人を極楽へと送り出す意味があります。
続けて、松明や線香などによって空中に梵字を描く「下炬」が行われます。
故人を称える下炬文が唱えられた後、弔辞などを読み上げます。
その後読経が行われ、最後に回向文が唱えられると、葬儀は終了します。
天台宗においては、焼香の回数は基本的に3回とされています。
合掌礼拝をしてから、右手の3本指(人差し指、中指、親指の3本)でお香を取ります。続けて左手を右手に添えながら、額に頂いた後、焼香します。
これを繰り返した後は、再び合掌礼拝をします。
なお、天台宗においては焼香の回数は明確には定められていません。場合によっては、1回の焼香でよいとされることもあります。
線香を使う場合は、まず右手に線香を持ちます。
蝋燭で火をつけますが、この時、使用する本数は1本か3本です。1本だけ使っても問題はありません。
もし数珠を持っているのであれば、左手にかけましょう。
線香に火をつけたら、線香を振るか、左手であおいで火を消します。息を使って吹き消すのはマナー違反となりますので、注意しましょう。
続けて香炉に線香を立てて、合掌礼拝をします。3本の線香を使った場合は、手前側に1本、奥の方に2本と1本ずつ立てていきます。他の人があげた線香がある場合は、ぶつからないように少し離して立てるようにしましょう。
天台宗の特徴として、一般的な丸い玉が連なった数珠を使用しないことが挙げられます。
楕円の形をした、平珠と呼ばれる珠が連なった数珠が、天台宗では使用されます。
この数珠は一般的には、108個の主玉と、4個の天玉、1個の親玉によって作られていて、親玉からは紐が2本伸びています。
また、この紐の部分には、弟子玉が連なっています。弟子玉は片方は平玉20個、もう片方は丸玉が10個連なっています。
この数珠は、親指と人差し指の間にかけて持ちます。
弟子玉が連なっている部分については、下の方に垂らして礼拝を行います。また手に持つ時には、一度大きな輪を一捻りして、二重の状態にします。
その後、左手の人差し指の上に親玉がくるように置き、弟子玉の部分は垂らして握ります。
なお流派によって、これらの持ち方は異なる場合もあります。
天台宗の戒名は、「院号」「道号」「戒名」「位号」の4つの要素で構成されています。
戒名は「法名」「法号」と呼ばれることもありますが、どちらも意味としては同じものです。
院号とは、戒名の一番上に置かれる号です。生前、寺院に対して多大な貢献をした人や、信仰心の深い人、社会的な貢献度の高い人が授かります。
道号とは、戒名の上につけられる号で、字に相当するとも言われています。
生前の人徳や性格、業績などを表す言葉が用いられます。
戒名とは、2文字で表される名で、誰であっても2文字で表されます。
身分などに関係なく、仏の世界が平等であることの表れです。
宗派に縁のある文字や、生前の名前から1文字を用いたりすることが多いようです。
本来、戒名とはこの2文字のことを指しますが、ほとんどの場合は「院号」「道号」「位号」の総称を戒名と呼ぶことが通例となっています。
位号とは、戒名の下につく尊称です。階級を表し、性別や年齢、地位によって与えられる位号は異なります。
例えば男性であれば信士、居士といった位号が与えられ、女性であれば信女、大姉といった位号が与えられます。
また天台宗においては、戒名の上に梵字の「ア」や「キリーク」「カ」といった文字が使われることがあります。「ア」は大日如来、「キリーク」は阿弥陀如来、「カ」は地蔵菩薩を意味します。
天台宗の数珠は、平たい玉が連なったとても特徴的な形をしています。
天台宗の本式数珠は、平たい玉が連なったとても特徴的な形をしています。 一般的には、どの宗派でも使用できる一連の略式数珠を持参するのが良いでしょう。
なお、自分の宗派と相手の宗派が異なる場合、その宗派に合わせて数珠を用意する必要はありません。実際、宗派まで把握したうえで参列するケースは少ないですし、持ち方や扱い方も異なるので、すべての宗派の作法を細かく把握するのは困難です。
数珠は仏教の法具ですから、を持参するときはポケットやバッグに無造作に入れず、数珠袋に入れて丁寧に扱うようにしましょう。
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