宗教を深く知る!宗派の代表的な種類と特徴は?

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日本人は海外の人たちと比べて、宗教に対する意識が希薄な傾向があるとよく言われます。
そのことは決して悪いことではないのですが、宗教について深く理解しておくことが、人生の中で役に立つ場合もあるでしょう。
そして、宗教そのものの理解を深めるためには、その中には宗派があることと、それぞれの宗派の特徴を知っておくべきだと言えます。
ここでは仏教を始めとする宗教について、その宗派の代表的な種類と特徴を紹介して行きます。

そもそも宗派って何?

宗派の種類と特徴について紹介する前に、そもそも宗派とはどういったものなのかについて説明した方が、それぞれの宗派についての理解が深まるかも知れません。

簡単に言うと、宗派とは同一の宗教の中における分派のことです。

日本の多くの家庭で信仰されている仏教を例に挙げて説明しましょう。

仏教という大きな枠の中には、何々宗や何々教といったような小さなまとまりがたくさんあります。

それらの小さなまとまりが宗派です。その小さなまとまりの中でも、何々派といったようにさらに細かい組織に分かれている場合もありますが、1つの宗派の名前が特定の1つの教団を指している場合もあります。

このように宗派と一口に言っても、そのあり方には色々な形があります。

そして、日本だけでも数知れないほどの種類の宗派が存在しているので、それらの全てを把握することは不可能と言えるほど難しいでしょう。

また、ここでは分かりやすいように仏教を例に挙げて説明しましたが、宗派が存在しているのは仏教に限ったことではありません。

世界中に大変多くの信者を有しているキリスト教にも宗派の違いがあって、時にはその間で対立が繰り広げられることもあります。

【仏教の代表的な宗派1】浄土宗

仏教の代表的な宗派の1つ目に挙げるのは浄土宗です。

この宗派はかなり有名なので、歴史の授業などでその名前を耳にしたことがあるという人も大勢いるでしょう。

この浄土宗は阿弥陀如来を本尊としており、その向かって右に観音菩薩を、左に勢至菩薩を配置した阿弥陀三尊を祀る場合が多いです。

その開祖は法然で、主な経典は観無量寿経です。

彼は43歳の時に、観無量寿経疏という中国で書かれた観無量寿経の注釈書を読んだことをきっかけとして、世の中に念仏の教えを広めようとしました。その年の1175年が浄土宗の開宗の年とされています。

この浄土宗の大きな特徴は、その始まりからも分かるように、念仏を唱えることを重視していることです。

阿弥陀如来による救いを信じて南無阿弥陀仏と念仏を唱えれば、それだけで極楽浄土に至れると信じられているため、それまでの多くの仏教の宗派で重んじられてきた修業に対して価値を認めません。

そういったある種の手軽さが民衆に受けて、浄土宗は開宗してすぐに多くの信者を得ることに成功しました。

そのような成り立ちから、現在でも浄土宗の葬儀では、僧侶だけではなく参列する人たちが全員で念仏を唱える、念仏一会という儀式が行われるという特徴があります。

【仏教の代表的な宗派2】浄土真宗

仏教の代表的な宗派として次に紹介するのは浄土真宗です。

この浄土真宗という名前は、前に紹介した浄土宗によく似ています。それも当然で、浄土宗の開祖である法然の弟子の親鸞によって始められた宗派がこの浄土真宗です。

ただし、浄土真宗という名称の独立した宗派となったのは開祖の親鸞の没後で、実は彼自身には独立開宗の意志はなかったとのことです。

そういった成り立ちを持つことから、この浄土真宗の特徴には浄土宗と共通する部分がいくつもあります。

例えば本尊が阿弥陀如来であったり、経典は無量寿経を主としていたり、修行ではなく念仏を重視したりといったような点が共通しています。

しかし、浄土宗とは異なり阿弥陀如来の両脇に観音菩薩と勢至菩薩を祀ることはなく、阿弥陀如来を唯一の救い主と考えるという点などには違いが見られます。

この浄土真宗の特筆するべき特徴は、最初に肉食妻帯を許可したことです。

肉食とは動物の肉を食べること、妻帯とは結婚することを意味しており、それらの行為は浄土真宗が始まった当時の仏教の世界では禁じられていました。

そのような時代に、親鸞は自らが堂々と肉食妻帯を行って大きな話題となったのです。

そこには肉食妻帯という、人間としての幸せを追求している普通の人でも、差別されることなく救われるのが真の仏教だという意味が込められているのだと言われています。

【仏教の代表的な宗派3】時宗

次に紹介する仏教の代表的な宗派は、鎌倉時代の末期に始まった時宗です。

時宗の開祖は一遍という人物ですが、彼には新しい宗派を開宗しようという意欲があったわけではなく、当時は彼と弟子たちで構成された時衆という集団に過ぎませんでした。

一遍は一つの拠点にとどまることはなく、東北から九州までの広い地域を渡り歩き、信仰心がなくても念仏を唱えさえすれば極楽浄土に行けるという教えを広めて行きました。

そんな彼がなくなってから長い年月がすぎた江戸時代に、一遍の教えの流れを汲んだ流派が統一されて、時宗という名称で呼ばれるようになりました。

この時宗も浄土宗から枝分かれした宗派なので、上で挙げた2つの宗派と共通する点がいくつかあります。

その主な共通点は、阿弥陀如来を本尊としていることと、念仏を唱えることを重視していることです。

ただ、主な経典が阿弥陀経だという点には大きな違いが見られます。

さらに、この時宗の代表的な特徴として挙げられるのは、踊念仏を全国に広めたことです。

踊念仏とは、大勢の人たちが念仏を唱えながら踊ることで、現在の盆踊りの原型だと言われています。

【仏教の代表的な宗派4】真言宗

仏教の代表的な宗派の4つ目に挙げるのは真言宗です。

真言宗は日本では非常に有名な宗派ですし、近畿地方の人気観光スポットの一つである高野山に総本山があるので、多くの人がその名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

この真言宗の開祖は、弘法大師とも呼ばれる空海です。

空海は唐の時代の中国に渡り、そこで高僧から密教の奥義を伝授されました。

密教とは大乗仏教の中の秘密の教えのことを言い、修業を積んだ限られた人たちの間でのみ信仰が許されるものだとされています。

彼は日本に帰ってから10年後の816年に、高野山に修業の場として金剛峯寺を開創し、そのお寺は現在でも真言宗の総本山となっています。

その成り立ちにも表れているように、真言宗は日本における密教の代表的存在です。

しかも、他の教えの流れを汲まないことから、純粋な密教と言える唯一の宗派でもあります。

この真言宗の本尊は大日如来で、主な経典は大日経と金剛頂経です。

真言宗の特徴には、その中でも数多くの分派に別れているというものもあります。

そのため、葬儀においてもそれぞれの分派で、またその地域の習慣によって信仰や行われる儀式などに違いが生じる場合があります。

【仏教の代表的な宗派5】日蓮宗

5つ目に紹介する仏教の代表的な宗派は日蓮宗です。

この日蓮宗は、法華宗という名前で呼ばれることもあります。

この日蓮宗の開祖は日蓮で、開宗されたのは鎌倉時代中期の1253年だとされています。

その本尊は釈迦で、経典は法華経です。

その法華経を唯一無二の最高の教義と考え、その中にある功徳の全てが込められているとされる、南無妙法蓮華経というお題目を唱えることを非常に重視するという点が大きな特徴です。

日蓮宗が生まれた鎌倉時代には、仏教の教えはあっても、悟りに入ることが出来る人がいなくなるという、末法と呼ばれる時代になったと考える思想が広まっていました。

そのような末法思想を元に、日蓮は法華経だけが人々を救うことが出来ると信じ、他の仏教の教えを邪教として糾弾しました。

さらに、個人の信仰のレベルを超えて国全体で日蓮宗を信仰するべきだと主張したという点も、開宗当時に見られたこの宗派の特徴の一つです。

この日蓮宗では死に対する考え方にも特徴があります。

死とは体から魂が離れて、仏の世界である霊山浄土へと旅立つことだと考え、葬儀においては死者を霊山浄土へと導くことを目的としています。

また、思想や法華経の解釈の違いなどの原因により、分派が大変多く生まれているという点もこの日蓮宗の重要な特徴です。

【仏教の代表的な宗派6】天台宗

次に紹介するのは、比叡山延暦寺を総本山とする天台宗です。

天台宗の開祖は、伝教大師という名前でも知られている最澄です。彼は804年に中国へと渡り、そこで高僧から天台教学や密教などの教えを受けて帰国しました。

彼は帰国後中国で学んできた教えを広めるようになり、それが天台宗の始まりになったとされています。

この天台宗の特徴は、他の宗派とは異なり本尊が定められていないことです。

また、経典は日蓮宗と同じ法華経で、そのことからこの宗派は天台法華宗と呼ばれることもあります。

この天台宗の大きな特徴は、円・密・禅・戒を大切にしていることです。

その4つの中で密、つまり密教と禅については比較的意味が分かりやすいのですが、円と戒の意味は分からないという人が多いでしょう。

円は法華経、戒は大乗菩薩戒という戒律を意味しています。

それらの全てを大切にするという特徴は、4種類の教えを融合させて誕生したという、天台宗の成り立ちが大きく関係しています。

この天台宗は真言宗と並んで、日本における密教の代表的存在とされているのですが、そのように法華経などの流れも汲んでいるという点が、純粋に密教を信仰する真言宗との違いとなっています。

【仏教の代表的な宗派7】曹洞宗

仏教の代表的な宗派として最後に挙げるのは曹洞宗です。

曹洞宗のお寺は全国に約14,000ヶ所もあると言われており、日本でトップクラスの規模を誇る宗派の一つです。

この曹洞宗は元々中国で誕生した禅宗の宗派の一つで、鎌倉時代に道元という僧によって日本に伝えられました。

そのため、一般的には道元が曹洞宗の開祖とされています。

この曹洞宗の本尊は釈迦で、経典には様々なものが使用されていますが、その中で特に重要な位置を占めているのは般若心経です。

禅宗の流派の一つであることから分かるように、この曹洞宗でも座禅による修行を重視しているのですが、その際に悟りを開くことなどの目的を持ってはならないという点が大きな特徴となっています。

神道の特徴と宗派

日本において、仏教と同様に多くの人が信仰している宗教が神道です。

日本人にはお願い事をするために神社を訪れる人が多いので、神道はかなり身近にある宗教だと言えるでしょう。

この神道は日本古来の宗教で、その起源は古代にまで遡るという、大変長い歴史のある宗教です。

この神道の特徴の一つは、開祖とされる人物がおらず、当時の日本人の生活の中から誕生したことです。

そのような成り立ちから、経典のようなものも存在していないため、祭祀は古事記や日本書紀などの記述を元に行われています。

また、多くの場合1種類の本尊を持つ仏教とは違い、八百万の神を信仰の対象とする多神教であるという点も大きな特徴で、神道には神の数だけ宗派があると言われているほどです。

その主な宗派には、アマテラス・スサノオ・オオクニヌシなどを信仰するものがあります。

キリスト教の特徴と宗派

世界的に最も信仰されている宗教は、約20億人の信者がいるとされるキリスト教です。

しかし、日本人の間ではこのキリスト教は仏教や神道ほど宗教として浸透しているとは言えません。とは言え、教会で結婚式を挙げる人は大勢いるので、全くなじみがないというわけでもないでしょう。

そのキリスト教の特徴は、神と共にイエス・キリストや聖母マリアへの信仰を重んじる宗教だという点です。

また、神の像を作ったり、絵を描いたりしてそれらを崇める偶像崇拝が禁じられていることも特徴の一つです。

ただし、その代わりにイエス・キリストや聖母マリアの偶像を作ることは許されているので、それらに対して祈りを捧げることは可能です。

このキリスト教には様々な流派がありますが、その中でもプロテスタントとカトリックという2つの宗派は代表的で、日本人にもそれらの名前は広く知られています。

それぞれの宗教や宗派の特徴を知っておこう!

日本人の多くは、自分の家がどの宗派に属しているかについて、普段意識するようなことはあまりないでしょう。

日本では信仰の自由が誰にでも保証されており、その自由の中には信仰しないという選択をする自由も含まれているので、信仰を持たない人が大勢います。

親族の誰かが亡くなって、その人のお葬式を執り行おうとする時に、自分の家の宗派について初めて知ったと言う人も少なくありません。

そのように宗教を信仰していない人であっても、葬儀や法要などの際には宗教が大きく関わってくるものなので、いざという時に焦ったり、失敗して恥をかいたりしないように、宗教に関する知識があった方が良いと言えます。

そのために、それぞれの宗教や宗派の大まかな特徴は把握しておきましょう。

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