家族葬とはどんなお葬式?参列者は誰を呼ぶ?費用や式の流れ、注意点を解説
- 2023年10月02日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
家族葬とは、親しい近親者のみをお呼びして執り行う葬儀形式のことです。参列者の人数が限られるため、故人さまを偲ぶ時間をしっかり過ごすことができます。
本記事では、家族葬を検討する方へ「家族葬の内容」や「費用」「参列者の呼ぶ範囲」「家族葬の流れ」「家族葬の喪主の役割」「家族葬の香典」その他、注意すべきマナーや服装など、家族葬に参列する際にも知っておくべき家族葬のポイントを解説します。
目次
家族葬とは近親者のみで行うお葬式
家族葬の定義にははっきりしたものはありません。ただ一般的には参列者が20〜30人ぐらいまでで近親者のみで執り行うお葬式を家族葬と言います。
家族葬と一般葬の違いは?
これまでのお葬式は、お通夜・告別式を2日間かけて行い、広く参列者が訪れる「一般葬」が主流でした。近年増えてきたのが、お葬式の内容は変わらず参列者をご家族・近親者に絞り少人数で見送る「家族葬」です。また、お通夜を省略して、告別式・ご火葬を1日で行う場合は一般的に「一日葬」と呼ばれています。
家族葬と密葬の違いは?
家族葬と似た葬儀形式として密葬があります。密葬も参列者を近親者に限定した少人数で執り行う葬儀形式ですが、家族葬との違いは「密葬は近親者でお葬式を執り行い、後日、本葬やお別れ会もセットで行う。」ことです。
著名人や社会的影響力の大きい方がお亡くなりになると、お葬式に多くの参列者が訪れます。ご遺族は準備と対応に追われ、故人さまとしっかりお別れできないことが考えられるため、そのような場合に密葬を行うことが多いのです。
家族葬にかかる費用相場
家族葬の平均費用は110万円程度です※。こちらは一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で施行された、10人~30人程度の小規模なお葬式の平均金額です。実際にかかる費用は、地域や参列者の人数によって多少異なりますが、おおまかな目安として参考になります。(※出典:エンディングデータバンク 家族葬の費用 調査期間:2017年1月~12月)
家族葬のメリットとデメリット
家族葬のメリット
故人さまとのお別れに専念できる
家族や親戚を中心とした近親者のみなので、多くの参列者に対する気遣いや準備、挨拶と言った対応に追われることがありません。精神的な負担も少なくなり、故人さまを偲ぶ時間に専念することができます。
家族葬のデメリット
お葬式後に弔問に訪れた方への対応が発生
一方で、お葬式後に訃報をお知らせする手間が発生したり、直接お別れが言えなかった方が、ご自宅へ弔問に訪れることもありますので、あらかじめ対応を考えておく必要があります。
葬儀費用を比較すると、小規模で参列人数が限られるため、大きな式場を必要とする一般葬と比べて、費用が安くなる傾向はあります。しかしその分、香典も集少ないため、結果として一般葬よりも費用がかかってしまう場合もあるので、事前の検討が大切です。
家族葬はどこまでの範囲を呼ぶの?
身内だけの10名〜20名程度の家族葬を想定する場合は、一般的に1~2親等までの親族をお呼びすることが多いです。1~2親等というと、具体的には故人さまの祖父母、両親、配偶者、子供、子供の配偶者、孫、兄弟姉妹などが当てはまります。
状況によっては、故人さまと仲の良かった友人や、近所でお世話になった方など、親族以外で参列がある場合でも家族葬の範囲に含めることができます。
家族葬を行う時の会社への連絡方法
会社に在籍されている方がお亡くなりになった場合、速やかに会社へ一報を入れましょう(訃報を伝える)。死去に伴う諸手続があるためです。勤務する会社によっては規則により弔慰金が出ることもあります。その際、家族葬であることも併せてお伝えしましょう。
家族葬でご遺族・喪主は何をするの?
お葬式に際して、遺族側が最初にすることは、お葬式の責任者である喪主を決めることです。喪主が高齢などでお葬式の管理が難しい場合は、喪主以外に実務的な担当者である施主(世話役)も決めましょう。家族葬は一般葬に比べて参列する方が少なく、式時間が短くなる傾向はありますが、執り行われる式の内容自体に、大きな違いはありません。
以下では、よりそう家族葬二日プランを例に、お葬式の流れを動画でご紹介します。
家族葬での喪主の役割
限られた人しか参列しない、規模の小さい家族葬とは言え、遺族の代表として喪主がすべき役割は多くあります。ここでは、お亡くなりからお葬式を開始するまでに喪主がすべきことを解説します。
その際の注意点は、お亡くなりから約3時間程度で葬儀社を決めなければならないことです。病院側からも次の方のために霊安室を早く空けるように要請がありますが、よく内容を吟味せずに決めてしまうと、あとで後悔することも少なくありません。
時間が無くとも、必ずお葬式にかかる費用の見積もりを葬儀社に出してもらい検討しましょう。
お葬式で使うお写真や、火葬に関して必要な書類に関することなど、細かな打合わせになるので、可能であれば事前の検討をしておきましょう。よりそうお葬式では事前のご相談にも対応しております。
家族葬の喪主挨拶のポイント
喪主はお葬式の主催者として、式の区切りとなる場面で、参列者に感謝の意を示すのが一般的です。そこで喪主が挨拶をする3つのタイミングについて解説します。
1.通夜での挨拶
まず、通夜開始前に、僧侶が来場された時の出迎えと挨拶は喪主の役目になっています。通夜式開始の挨拶は省略されることが多く、喪主は通夜終了時に挨拶するのが一般的です。タイミングとしては、仏式なら参列者の焼香がすべて終わり、僧侶が退場した後です。
2.通夜ぶるまいでの挨拶
一般的に、立食の場合は喪主が挨拶することは稀ですが、着席での場合は最後に喪主が通夜ぶるまいの終了の挨拶をします。ただ、この挨拶が省略されることもあります。
3.出棺時の挨拶
お葬式・告別式では一般葬と同様に、喪主の挨拶は斎場から出棺(霊柩車に棺を運び火葬場へ向かう)する際に行います。火葬場に向かわず、ここで帰られる方もいるからです。タイミングは霊柩車に棺を乗せる前、あるいは乗せてからのどちらかになるので、葬祭業者の指示に従いましょう。全員が火葬場へ向かう場合は、省略されることもあります。
家族葬の香典・香典返しのマナー
お葬式において、通常は参列者から香典をいただき、香典返しを行うという慣習があります。しかし家族葬では、喪主が香典を辞退をする場合も増えています。理由として「参列者に金銭的な負担をかけたくない」「身内や近い親族などが中心に集まるため香典額も高額になりやすく、それに見合った香典返しの手間が負担になる」などがあります。そこで、喪主、参列者それぞれの立場から、香典に関するマナーを解説します。
【喪主】家族葬の香典返しのタイミング
家族葬で一般のお葬式のように香典や供花・供物を受け取った場合、一般葬と同じく「香典返し」をするのがマナーとなります。
香典返しを渡すタイミングは、「当日返し(即日返し)」と「後返し」があります。多くの人が集まる一般葬では当日返しが多いですが、香典額に幅がある家族葬では後返しが多い傾向にあります。後返しの時期は、「忌明け(きあけ)」の時期に行います。具体的な時期は宗教や宗派によって異なります。
【喪主】家族葬の香典を辞退する際の伝え方
香典の授受はお葬式の基本ですから、香典を渡せないことに違和感や戸惑いを持つ方は実に多くいます。こうした方々にどのような理由で辞退を伝えれば納得してもらえるのでしょうか。最も無難なのは「故人さまの遺志」です。
「故人がまわりの人たちに迷惑をかけないでほしいと言ってましたので…」
「故人の遺志を尊重して、御香典をご辞退させていただきます」
参列者の方も、故人さまの遺志や喪主の意向を汲み、香典辞退を受入れてくれるでしょう。そのためにも、参列者の方へ事前に香典辞退の旨をしっかりお伝えしておきましょう。
【参列者】家族葬で香典は持参するべき?
家族葬と言ってもお葬式には変わりなく、「香典辞退」の意向が特に案内されていない場合は、相応の金額の香典を包んでいくのがマナーです。当日、喪主が受け取りを辞退されたらその意向に従いましょう。その場合は、喪主側の事情もあるので無理に渡そうとするのは禁物です。
【参列者】家族葬に参列すべきかの判断基準と辞退する時のマナー
家族葬は、原則として喪主やご遺族から参列願いがあった時にだけ、参列するのがマナーです。先方に理由があり家族葬を選ぶので、誰でも参列して良いというものではありません。逆に案内がないのに参列するのは、ご遺族に対してマナー違反になります。
家族葬では、通常は参列者以外への訃報のお知らせはお葬式の後にします。訃報の知らせが届いていなければ、お呼ばれしていないということと考え、人づてに家族葬があることを知ったとしても参列は控えましょう。
家族葬の弔電を受け取る側と送る側のマナー
【喪主】弔電を辞退する側のマナー
弔電の辞退を伝える方法として、基本的には「訃報用紙に記載する方法」と「電話やメールで直接伝える」という2通りの方法があります。
- 訃報用紙に記載する
- 電話やメールで直接伝える
【参列者】弔電を送る側のマナー
弔電は普段あまり出す機会がないため、どういった点に気をつければよいのか分からない方も多くいらっしゃいます。場合によっては遺族に対して失礼になってしまうこともありますので、気をつけるべきマナー3つをご紹介します。
- 故人さまとの関係や差出人の名前を明記する
- 宛名を喪主の名前にする
- 弔電辞退の場合は送らない
【参列者】家族葬で供花を贈る際のマナー
家族葬においては、供花を贈る前に遺族側の意向を確認することが必要です。家族葬では香典辞退が多く、その場合、供花も辞退していることがあるからです。供花も香典と同じく、お返しを必要とするという考えがあります。
つまり供花を贈ることにより、遺族にお返しの手間をかけさせてしまうことにもなります。ご遺族に気を遣わせないためにも、まずは家族葬の案内に供花辞退があるかないかを確認しましょう。
家族葬の服装マナー
家族葬の服装といっても特別なルールはありません。一般的なお葬式に参列する際と同じと考えて良いでしょう。ただし、遠方から来る方や高齢者が多い場合、参列者は平服(略喪服)で統一するなどの連絡を喪主からしておけば、参列者の負担を軽くすることができます。一般の参列者を呼ばない家族葬ならではでしょう。
喪服には、正喪服、準喪服、略喪服の3つのカテゴリーがあります。喪服の基本は黒。光沢のある素材の服は避けるほか、金ボタンや金時計、ネクタイピンなど光るものは控えます。靴は革靴が基本です。喪服がない場合は、親族に相談して借りるか、レンタル業者を利用するのもいいでしょう。
正喪服 | 和服なら紋付羽織袴、洋服ならモーニングという、もっとも格式の高い喪服で、喪主などの葬儀の主催者側が着用します。ただし現在では着用する人は減っています。 |
---|---|
準喪服 | 男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルと呼ばれる、現在もっとも一般的な喪服です。男性はダブル、またシングルのブラックスーツ。3ピースの場合はブラックのベスト。ワイシャツは白のレギュラーカラーでネクタイは黒の無地など。タイピンはつけません。足元も黒の靴と靴下で統一します。光沢が抑えられた黒で統一するのが基本です。 女性であれば、装飾や光沢のないブラックフォーマルが基本で、黒のスーツやワンピース、アンサンブルになります。ストッキングは黒を着用。指輪は結婚指輪のみにし、ネックレスは一連のパールが一般的です。お化粧はナチュラルメイク、ネイルも落としておきましょう。 |
略喪服 | 案内に「平服でお越しください」とある場合は、この略喪服にあたります。現在では、家族葬の参列者はこの略喪服であることもあります。ただし特に略喪服で案内されない限りは、通夜はともかく葬儀・告別式は準喪服で参列した方が無難です。また家族葬ではなく「お別れの会」の場合は、この略喪服であることが多いです。 準喪服との違いは、無地の黒一緒でなくてもグレーやダークグレー、紺など地味な色調のものであれば良いということです。ただし、お洒落さを感じさせるような光沢感のあるものは避けます。女性の場合は、黒や紺、グレーなどのダークスーツやワンピース、中に着るトップスは白を避け、黒や紺といったダークカラーのものにします。 |
よりそう家族葬お客さま体験談
実際によりそうお葬式をご利用された方にお話を伺いました。お葬式をご検討中の方は、ぜひご覧ください。
- 人生を楽しんできた主人。容体が急変し慌ただしい中、「よりそうお葬式」がサポートしてくれました
- 冗談と食べることが好きだった父。 丁寧な電話対応が「よりそうお葬式」を選んだ決め手です
- 選んだ決め手はパンフレットのわかりやすさ。うれしい演出もあり、列席の方々にも好評なお葬式でした。
- お葬式から相続相談まで連携するサービスで満足して見送ることができました
家族葬に関するよくある質問
お葬式手配の「よりそうお葬式」
監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
家族葬といっても、人によって捉え方は異なります。親戚や友人・知人を含めて50人以上が集まる家族葬も少なくありません。一方で、最近は身近な親戚にも訃報を伝えず、家族数名で葬儀を行い、後日報告するケースもあります。