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葬儀後の流れ
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ご遺体搬送車とは?構造・種類・役割・方法・注意点を解説
ご遺体搬送とは、お亡くなりになられた故人さまのお身体を病院から自宅、自宅から葬儀場、葬儀場から火葬場へと運ぶことです。
病院でお亡くなりになられた場合、そのまま病院でご火葬を行うわけにはいかないため、どこかのタイミングで必ず運搬が必要となります。
その際に使用されるのが、ご遺体搬送車です。
この記事では、ご遺体搬送車とは、ご遺体搬送車の構造、種類、役割、ご遺体搬送の方法、注意点などについて詳しく解説します。
ご遺体搬送車について知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
ここでは、ご遺体搬送車の目的や注意点について詳しく解説します。
ご遺体搬送車とは、お亡くなりになられた故人さまのお身体を運ぶ車両を表します。
本来、ご遺体を一般車などで運ぶこと自体は法律違反ではないため、やり方によっては一般人でも運べますが、衛生面や精神面の観点からリスクが伴うとされています。
感染症でお亡くなりになられた場合は特別な処理が必要ですし、運搬中にご遺体を損壊させてしまうと死体損壊罪という罪に問われる可能性も否めません。
体液が流出することで車両の汚損だけでなく、二次被害が出る危険性もあるため、適切な車両での運搬が必須です。
また、ご遺体は寝かせて搬送しなくてはいけないため、ある程度のスペースが求められるという点でもご遺体搬送車が必要といえるでしょう。
なお、事業許可のない者が費用をもらって故人さまのお身体を運搬するのは法律で禁止されているなど、注意しなければならない点は多いです。
少なくともご遺体搬送については、専門業者もしくは葬儀社に依頼するのが良いでしょう。
白ナンバー車でご遺体を有償で運搬する行為は違法です。
白ナンバーは、自家用車や商用車として登録されている自動車のナンバープレートで、白地に緑色の文字で表記されているものが主流です。
主に白ナンバーの車両としては、以下のようなものがあります。
そのため、遺体を白ナンバー車で有償で運搬するのは営業行為とみなされ違法となるおそれがあるため、ご注意ください。
お亡くなりになられた故人さまのお身体を有償で運搬するためには、緑ナンバーの車両が必要です。
緑ナンバーは、運賃をもらって人間や貨物を運ぶ運送事業用車として登録されている自動車のナンバープレートで、緑地に白色の文字で表記されます。
主に緑ナンバーの車両としては、以下のようなものが主流です。
基本的に、緑ナンバーは運送業を営む者が取得するもので、ご遺体搬送車も含まれます。
それら運搬業など営利目的で使用される車両には緑ナンバーの装着が義務付けられているのが普通であるため、依頼時には十分に注意しましょう。
ご遺体搬送車の構造は一般車とは異なり、運搬するためのストレッチャーや担架を固定するスペース、冷却に関する設備を搭載しているのが特徴です。
ここでは、ご遺体搬送車の構造について詳しく解説します。
ご遺体搬送車には、運搬するためのストレッチャーが搭載されています。
ストレッチャーとは、もともと傷病者を運搬するための器具を指す言葉ですが、ご遺体搬送車など故人さまのお身体を運ぶ車両にも搭載されているのが一般的です。
ストレッチャーがあることで運搬中に落下するのを防ぎ、より安定した状態で搬送することが可能といえるでしょう。
ご遺体搬送車には、担架を固定するスペースも搭載されています。
故人さまのお身体は寝かせた状態で運ぶ必要があり、担架ごと入れられるようになっているか、フルフラットで載せられるようになっているのが基本的です。
スペースがあることでどのような体型の人も乗せられ、より快適に搬送することが可能といえるのではないでしょうか。
最近のご遺体搬送車は、一見してご遺体搬送車とはわからない控えめなデザインのものが主流となりつつあります。
従来は装飾を施した派手な見た目のご遺体搬送車が主流で、現在も一目でご遺体搬送車とわかるデザインのものがあるものの、現代は控えめなものが好まれやすいです。
最近では、伝統を重んじる農村部には大々的にお葬式を行う家庭や地域も残っていますが、都市部ではスマートなご遺体搬送車が広まりつつあるといえるでしょう。
冷却に関する設備が搭載されているのも、ご遺体搬送車の特徴です。
お亡くなりになった故人さまのお身体は、腐敗しやすい状態となっているため、運搬中も冷却できるようにしているご遺体搬送車が主流となっています。
静かな運転を可能としながらも迅速な運搬が可能となっているため、確実に運搬してもらいたい人はやはり専門業者もしくは葬儀社に任せるのが安心でしょう。
ご遺体搬送車は、主に寝台車と霊柩車の2種類あるのですが、両者は別物です。
ここでは、ご遺体搬送車の種類について詳しく解説します。
寝台車は、病院から自宅、自宅から葬儀場などへ故人さまのお身体を運搬する車両です。
運搬するためのストレッチャーや担架を固定するスペースがあるのはもちろん、冷却設備などが搭載されている車両となっています。
具体的な車種としてはセダンやバンが主流で、付き添いの人が乗車できるよう3人乗りの仕様となっているのが一般的といえるでしょう。
霊柩車は、葬儀場から火葬場などへご遺体を搬送する車両となっています。
棺を固定するための装置が備え付けられていたり、十分な空間が設けられていたりするのはもちろん、革張りの装飾や金色の装飾が施されているものが主流です。
基本的には寝台車も霊柩車も、貨物自動車運送事業法により緑ナンバーを付けて走行するのが義務とされていますが、運搬の区間や車両の装飾の点で別物といえるのではないでしょうか。
ご遺体搬送車は、衛生面や精神面での配慮、死後安置義務の履行、尊厳への配慮という面で重大な役割を担っている車両です。
ここでは、ご遺体搬送車の役割について詳しく解説します。
ご遺体搬送車は、衛生面や精神面での配慮のために使用されます。
法律では故人さまのお身体を喪主やご遺族が一般車で運搬する分には違法となりませんが、やはりご遺体を搬送するとなると衛生面や精神面での負担がネックです。
かけがえのない人を失った悲しみに暮れるなか、衛生面に配慮して運搬するというのは精神面でかなり負担となりやすいでしょう。
ゆえに、専門業者や葬儀社にご遺体搬送を依頼した方が安心です。故人さまのお身体による汚損やご遺体の損壊を防ぐためにも、プロに任せた方が確実といえます。
日本の法律では死後24時間はご火葬できないため、安置義務の点でご遺体の搬送が必須です。
仮に故人さまが病院でお亡くなりになった場合、病院では数時間しか安置してくれないため、どこかにお身体を運搬して安置しておく必要があります。
一般葬でも家族葬でも、はたまた火葬式(直葬)でもご逝去後24時間はご火葬が禁止されているため、自宅もしくは葬儀社への運搬が必要となるでしょう。
ご遺体搬送車は、安置の場面でも欠かせない車両というわけです。
ご遺体搬送車は、尊厳への配慮のためにも使用されます。
お亡くなりになられた後でも、故人さまの尊厳は守られる必要があるため、お身体を痛めたり傷つけたりしないよう丁寧に運ぶことが必要です。
お通夜・葬儀・告別式を無事に終えてご火葬を執り行うまで、故人さまを丁重に取り扱うために使用されるのが、ご遺体搬送車というわけです。
故人さまのご遺体を丁重に保ったまま葬儀へつなげることも、ご遺体搬送車の重要な役目です。
ご遺体搬送は、専門業者に依頼する、葬儀社に依頼する、自力で運搬することが可能です。
ここでは、ご遺体搬送の方法について詳しく解説します。
ご遺体搬送は、専門業者に依頼することが可能です。
お葬式を依頼する場合は葬儀社にすべて一任する方が楽なのですが、諸事情によってお葬式を執り行わない場合は故人さまのお身体のみを搬送する必要があります。
専門業者は寝台車はもちろん霊柩車も取り揃えているところがあるため、状況に合わせて手配できるサービスといえるでしょう。
ご遺体搬送は、葬儀社に依頼するのが安心です。
故人さまがお亡くなりになった場合、お葬式の手配が必要となりますが、葬儀社であれば一般葬・家族葬・火葬式(直葬)など幅広い形式に対応してくれます。
葬儀社はご遺体の安置・運搬・納棺まで徹底してサポートしてくれるのはもちろん、万全の体制でお通夜・葬儀・告別式・ご火葬ができるようにしてくれます。
喪主やご遺族の負担を軽減しつつ、必要な手続きを全部やってくれるため、特別な事情がない限りは葬儀社に任せるのが安心です。
例外として、自力で運搬することも不可能ではありません。
喪主やご遺族が、普段使用している車を使って個人的にご遺体を運ぶことは法律に抵触しません。正規の手順を用いて運ぶ分には、法律違反になることもないでしょう。
対して、自力での運搬は非常に大変です。理由は以下の通りとなっています。
よく使用されるご遺体搬送車には、運搬のためのストレッチャーや担架を固定するスペースが搭載されていますが、一般的な乗用車には特別な設備がありません。
クーラーはあっても冷却設備はないため、短時間しか運搬できず長時間には対応できません。
加えて、移動中の衝撃や振動によって故人さまのお身体が損傷してしまうリスクもあるなど、自力での運搬は何かと危険を伴います。
他にも、運搬中に体液が漏れて車内が汚れたり、防腐処理されているにもかかわらず感染症を引き起こしたりすることがあるからこそ、ご遺体搬送はプロに任せるのが良いです。
専門業者や葬儀社であれば、確実に運搬してくれるでしょう。
なお、ご遺体搬送の流れや費用については、以下の記事でも詳しく解説しています。
⇒ ご遺体搬送の流れや費用は?病院や自宅でお亡くなりになった場合
ご遺体の搬送では搬送先を確認する、車両の車種を確認する、棺の有無を確認する、費用を確認するなどいくつかの注意が必要です。
ここでは、ご遺体搬送の注意点について詳しく解説します。
ご遺体搬送では、搬送先を確認する必要があります。
一般的に病院などでお亡くなりになられた故人さまのお身体は、一時的に病院で安置できますが、数時間後には自宅や葬儀社に運搬しなくてはいけません。
しかし、お葬式の形式によっては自宅で一時的に安置が必要となったり、葬儀社に直接安置してもらったりと状況によって変わってくるため、搬送先は今一度確認しておくべきです。
病院から自宅、自宅から葬儀社という具合に搬送する際は場所のミスが発生しやすいからこそ、あらかじめ搬送先を確認しておく必要があるでしょう。
車両の車種については、あらかじめ確認しておいてください。
一般的にご遺体搬送に使用される車両は、セダンタイプやバンタイプのものが主流で、故人さまのお身体だけでなく喪主やご遺族が同乗できるようになっています。
付き添いできる人数には限りがありますが、車種によっては1〜2名ほど同乗可能です。
そのため、まずはどのような車が使用されるのかを確認しましょう。
棺の有無についても、事前に確認しておきましょう。
霊柩車は棺ごと載せられるものが主流ですが、寝台車は棺ごと載せられないものが主流です。
運搬するためのストレッチャーや担架を固定するスペースはあっても、棺ごと載せるのは不可能となっています。
専門業者や葬儀社であれば、寝台車も霊柩車も手配できる可能性があるため、契約する前にどのようにして運搬できるのかを確認しておいてください。
ご遺体搬送では、費用について確認することも必要です。
運搬の費用は具体的にいくらと決められているわけではないため、依頼する専門業者や葬儀社によって変わります。
費用は距離で決まることが多く、10km以内の移動は数万円、10km以上からは数千円ずつ適宜加算という方法を取っているところも少なくありません。
早朝や深夜は料金がさらに加算されることがあるため、今一度確認が必要となるでしょう。
搬送時に飛行機を使用すると、運賃の他に燃油サーチャージも込みで請求されることもあるため、費用に関しては事前によく確認しておくのが良いでしょう。
ただし、費用は依頼するところによって差があるため、相見積もりを忘れてはなりません。
ご遺体搬送の費用については、以下の記事もご参考ください。
故人さまがお亡くなりになると、お身体の運搬が必要となります。
仮に病院でお亡くなりになられた場合、火葬ができる24時間後まで自宅もしくは葬儀社で安置することが必要となるため、ご遺体搬送車の手配が必要です。
特別な事情があってご遺体の運搬だけを頼みたい場合は、専門業者など他のプロに任せても良いですが、一般的にはお葬式を頼む葬儀社に任せることになるでしょう。
むしろ、自力で故人さまのお身体を運ぶのは大変なため、安置・運搬・納棺はもちろん、お通夜・葬儀・告別式・ご火葬まですべて手配してくれるプロに任せるべきです。
なお、お葬式の手配に関しては、よりそうお葬式にお任せください。
よりそうお葬式では、家族葬を中心に、火葬式(直葬)、一般葬にも対応しています。全国各地の葬儀場からお選びいただくことが可能で、ご要望に応じてアレンジも可能です。当社であれば、特別な手続き不要でご遺体搬送が可能です。
故人さまにもしものことがございましたら、ぜひよりそうお葬式にご相談ください。
詳しいプランについての詳細は、公式ホームページからご覧いただけます。
「よりそうお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「お葬式読本」を無料で贈呈しています。はじめての喪主でも安心の役立つ情報がそろっています。もしも時のための事前準備に活用できます。
※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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