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終活
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老衰の死亡までの期間は?ご家族が準備することや心構えについて解説
自らの最期を自らで考え、計画する「終活」が人気です。一時的な流行にはとどまらず、高齢者の方々が取り組むべき文化となりつつあります。終活セミナーはさまざまな場所で開催され、エンディングノートの作成に取り組む人も少なくありません。
そんな中、多くの人が不安に思うのが、終活にかかる費用についてです。
充実したセカンドライフや安心の最期を迎えるためには一体どれくらいの費用を準備しなければならないのでしょうか。
この記事では、終活にどれくらいの費用が必要なのか、介護や医療、葬儀やお墓、遺品整理や相続など、項目別に詳しく解説していきます。どうぞ参考にしていただき、後悔のない終活にお役立てください。
まずは終活がそもそもどういった取り組みなのかを確認しておきましょう。
終活とは、「人生の終わりに向けた活動」のことです。
これまでは元気なうちに死を考えておくべきでないと考えられていました。公共空間で死について語ることがタブーだったのです。
なぜなら、従来の日本社会はイエ制度がきちんと確立されており、親や先祖の供養や死後の整理は子や子孫が行うものと考えられていましたし、社会制度全体がそれを前提に整備されていたからです。
しかし、戦後の核家族化や少子高齢化にともなって、自身の供養や死後を子や孫に託せない状況があちこちで起きてしまいます。こうした流れを受けて、2009年に週刊朝日が「現代終活事情」という特集記事を企画。「終活」という言葉が誕生し、瞬く間に広がっていきました。
その後、一般社団法人終活カウンセラー協会が「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きる活動」と定義したことにより、終活は、葬儀や死後の問題なけでなく、セカンドライフを含めた未来の人生設計というような前向きな意味合いで語られるようになったのです。
終活ですべきこと、考えるべきことに次のような事柄が挙げられます。
万が一、自身が病気にかかったり、あるいは認知症などで自ら生活できなくなった時のために、医療や介護の意志を示しておきます。こうしておくことで家族やまわりの人が判断する時に迷わずに済み、心の負担が軽減されます。また、どの施設や病院にかかりたいか、延命治療や臓器提供についてもはっきりさせておきましょう。
葬儀やお墓や仏壇など、死後の希望を残しておくことで、自分らしい最期を迎えることができ、まわりの人たちも安心できます。葬儀では希望の葬儀スタイルだけでなく、誰に参列してほしいか、どの写真を遺影にしてほしいかなどを明示しておきます。すでに入るべきお墓がある場合はその所在地を、ない場合はどのような形で埋葬や供養をしてもらいたいか、示しておきましょう。
年齢を重ねていくに従って住環境も大きく変わります。高齢者住宅への入居、子どもとの同居や近居、いま住んでいる住宅のバリアフリー化するなどが挙げられます。
相続が「争続」とならないためにも、どれくらいの資産を持っているのか、財産目録を作成しておきましょう。また、遺産相続に対する希望があれば遺言書を残しておきましょう。
久しく会っていなかった友人や知人に会うといった取り組みも終活の内の括られます。趣味や旅行、家族との思い出作り、地域活動やボランティア活動など、これからの生活の中でどのように生きがいを持って過ごしていくかを考えることも大切です。
終活では考えなければならないことがたくさんあります。それぞれの項目で将来的にどれくらいの費用が掛かるかを知っておくことは、後悔のない終活をする上で欠かせません。費用の目安について解説いたします。
生命保険文化センターが2021年度に行った調査によると、介護の期間は平均で61.1ヶ月。そしてこの期間中に581万円強の費用が必要となると試算されています。
同センターの調査によると、一時費用(介護を始める上での初期費用)として74万円です程度のお金がかかります。この中には、車いす、ベッド、トイレなどのレンタルや購入費、また住宅を住みよくするためのリフォーム代などが挙げられます。
そして、月々の費用平均は8.3万円です。その内訳は、入居型施設、ホームヘルパー、デイサービスといった介護サービスの費用の他、福祉用具のレンタルやおむつなどの消耗品などです。
ただし、これらをすべて自身で負担するわけではありません。介護認定されれば、介護サービス利用時に介護保険を適用することができ、自己負担の割合は1~3割のいずれかになります。また介護度によってひと月の利用限度額が異なります。
歳を重ねると、病気やケガのリスクが高まり、入院しなければならないことも考えられます。厚生労働省によると、生涯医療費の約半数が、70歳以上で必要となるといわれています。
ただし、いまの日本の医療制度では、医療保険の中から医療費の7~9割が支給され、患者本人の自己負担額は1~3割で済みます。また、原則70歳以上の自己負担額は、1ヵ月の上限が5万7,600円、外来に関しては1万8,000円となっており、負担額がそれ以上になることは基本的にはありません。
もしも、所定の限度額を超えた場合は「高額医療費制度」が適用され、高額療養費が医療保険から給付を受けられるので、患者が実際に負担する医療費はそれほど高額にはなりません。
たとえば、70歳以上で年収370万円~770万円の人の場合、100万円の医療費がかかったとしても、自己負担額は87,430円で済みます。
世界的にみても日本の医療制度は大変充実していると言われていますが、それでも月数万円の出費は大きな痛手となります。医療費をできるだけ安く抑えるには、栄養バランスの取れた食事や適度な運動など、生活習慣に配慮し、健康を維持しながら老後生活を送ることが大切です。
一般財団法人日本消費者協会が2022年に発表した「第12回 『葬儀についてのアンケート調査』報告書」によると、葬儀にかかる総額費用の平均金額は121.4万円という調査報告があります。
昨今では葬儀も縮小傾向にあり、葬儀スタイルによって費用は大きく異なります。
一般葬とは親族以外に参列者を招いて執り行う葬儀のことです。人数によって予算は増減しますが、50~100名の会葬者と想定して、料理や返礼品や寺院への謝礼を込めて130万円程度からだと思われます。
昨今主流となっている家族葬。身内のみ30名程度で料理や返礼品や寺院への謝礼を込めて100万前後が相場です。
通夜や葬儀のようなセレモニーを行わずに、火葬だけで済ませてしまう葬儀スタイルです。式場の利用や祭壇の設営などがないため、安価に葬儀を執り行えます。火葬料金が極端に高い都内だと20~30万円、それ以外の地域では15万円程度が相場です。
最近はお墓の形も多様化しており、選ぶ形によって費用が異なります。株式会社鎌倉新書による「第12回お墓の消費者全国実態調査(2021 年)」をもとに解説していきます。
従来型の一般墓では、墓地の購入、墓石の建立、墓地の管理でそれぞれ費用が必要となり、平均購入価格は169万円です。最近では一般墓の形もさまざまで、コンパクトなもの、プレート仕様のお墓などであれば数十万から販売されているものも少なくありません。
樹木葬とは石ではなく樹木に対してお参りするタイプのお墓です。平均購入金額は71.7万円で、一般墓に比べて費用を安く抑えられることが分かります。
納骨堂は、建物の中に並べられた「納骨壇」にお骨を納めます。平均価格は91.3万円ですが、ロッカー型、仏壇型、自動搬送型などによって価格はさまざまです。
住環境の変化に伴い、仏壇の形も多様化しています。株式会社鎌倉新書による「お仏壇の全国消費者調査2017」では、全国の平均価格は34万円と言われています。
仏壇には主に唐木仏壇、金仏壇、そして近年人気の家具調仏壇があり、サイズやデザインによってそれぞれ費用が大きく異なります。
唐木仏壇とは、紫檀や黒檀などの銘木を活かした仏壇のことで、全宗派に対応しています。国内木材であるエンジュや屋久杉なども人気です。50万円から100万円が相場です。
主に浄土真宗のお仏壇として用いられ、金箔と漆塗りで、極楽浄土の世界を再現しています。産地も日本全国に点在しており(金沢、名古屋、京都、大坂、広島、福岡など)、それぞれ細かい様式が異なります。費用相場は100万円から200万円です。
ウォールナットやタモなど、洋風家具などに用いられる素材のものが主流で、洋室やマンションなどに適したコンパクトさとモダンデザインが特徴です。近年の仏壇のスタンダードとなり、30万円から50万円が費用相場です。
遺品整理とは故人様が済んでいた部屋の整理のことで、「物量+人件費+オプション費用」によって費用が大きく異なります。
目安としてはひとり暮らしの1Rや1Kの間取りだと3万円〜8万円。ファミリーで住む4LDK以上だと24万円から60万円にもおよび、部屋の状況に費用に大きな差が出ます。
弁護士に遺言書の作成を依頼することで、遺産相続のトラブルを回避できます。また、作成だけでなく、遺言書の保管、遺言執行、万が一トラブルになった時の解決まで含めて安心できます。
遺言書の作成費用の相場は20万円〜30万円です。遺産額によっては50万円を超えることもあります。さらに遺言執行を弁護士に依頼した場合、さらに別途費用がかかります。預貯金の払い戻しや不動産登記などに対応してくれますが、最低でも30万円程度、状況によっては100万円を超えることもあります。
もろもろの相続手続きを行政書士などに代行してもらうことで、家族の負担は大きく軽減されます。不動産相続登記、相続税の申告、遺族年金や未支給年金の申請、銀行口座の解約など、煩雑な手続き業務をすべて任せることができます。
相続の手続き代行は何をどこまで依頼するかによりますが、50万円前後が相場です。
誰も住まなくなった住宅の解体は、建物の構造(木造、軽量鉄骨造り、鉄筋コンクリート造りなど)と大きさによって異なります。たとえば木造は坪単価2.5万円~4万円であるのに対し、鉄筋コンクリートは3.5万円~7万円と言われており、一般的な住宅であれば100万円~200万円と言われています。
建物の頑強さ、アスベストの撤去、解体前のお祓い、門扉や外構の撤去、遺品整理など別途必要となるものも少なくありません。
このようにしてみると、終活にはたくさんのお金がかかります。しかし、何にどれくらいのお金がかかるか、大体の統計は出ているため、早めに予算計画を立てておくことが大きな安心につながります。
いまある収入をわずかずつで構いませんので、貯金に回していきましょう。
終活をきっかけに保険の見直しもおすすめです。これまで加入していた生命保険や医療保険などが本当に必要なものかどうか、再考の余地はあります。
また最近では葬儀に特化した「葬儀保険」も販売されています。少額短期保険(ミニ保険)なので、毎月の掛け金が少額で、保険期間も短期なのが特徴です。月々数百円の支払かで数百万円の保険金が下りるため、充分に葬儀費用を充当できます。
いまあるお金を投資に回して資産形成するという方法もあります。まだ若い人は国も推奨するNISAやiDeCoなどを活用してもよいでしょう。
おひとりさまや身寄りのいない方は葬儀費用を信託銀行に預けておくことをおすすめします。元気なうちから準備した葬儀費用などを保管し、自身が亡くなった後の葬儀などの費用はそこから支払えます。
ここまで葬儀の費用について解説してきました。最後にこの記事のポイントをまとめます。
ここに挙げたのはあくまでも、参考、一つの目安にしてください。詳しいことは自身の状況や希望を専門家に相談して、具体的な費用を算出してもらいましょう。
この記事が、納得のいく終活の一助になれば幸いです。
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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