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終活
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老衰の死亡までの期間は?ご家族が準備することや心構えについて解説
終活という言葉が一般的になってくると同時に、生前整理を意識する人が増えてきました。自分が遺したもののせいで、大切な家族がトラブルに巻き込まれないようにと、実際に取り組んでいる人も数多くいます。
「生前整理なんてもっと年をとってからでも間に合うだろう」と考えている人もいるでしょう。しかし、生前整理は意外とエネルギーを必要とする作業です。「あの時にやっておけば良かった」と後悔しないよう、今のうちから生前整理について知っておきましょう。
生前整理とは、あなたが亡くなった後に遺族が遺品の整理に困らないよう、生きているうちに(生前のうちに)身の回りの物を整理しておくことを言います。
部屋が散らかっていると、
「これを今から片付けなければいけないのか…」
とげんなりしてしまうものです。ましてや、散らかしたのが自分でなければ尚更のこと面倒に感じてしまいます。
これは遺品整理にも言えることです。他人の所有物を処分する行為は、勝手がわからず普段以上に気を使います。特に大切な人との思い出が詰まった遺品を処分するとなれば尚更です。
遺族にかかる負担を少しでも軽くするために、生前整理を行う必要があるのです。
また、遺族に見られたくないものなどがある場合も、生前整理で処分してしまった方が良いかもしれません。
日記や手紙などのプライベートなものは、いくら家族でも見られたくないと思う人も多いはず。そういったものを遺して後悔するのならば、思い切って生前整理で処分してしまうのも一つの手です。
生前整理によってどのようなメリットがもたらされるか、具体的に見ていきましょう。
当然ですが、遺品が多ければ多いほど遺品整理の手間は多くなります。遺された家族のことを思うのなら、遺品は最低限しか遺さないに越したことはありません。
普段から同居しており、お互いの所有物を把握できているような間柄の人間がいる場合は、遺品をどうすれば良いか的確に判断できるため遺品整理は捗るでしょう。
また、同居人が変わらず同じ家に住み続けるのならば、無理して一気に片付ける必要もないかもしれません。
しかし、あなたが一人暮らしの場合はそうもいきません。賃貸に住んでいたのなら契約の関係上、早急に遺品を整理する必要があります。
また、持ち家の場合でも、誰も住んでいない家を長期間放置しておくわけにはいかないため、なるべく早く整理する必要があります。
したがって、一人暮らしの場合はより生前整理を行う必要性があると言えるでしょう。
生前整理をしていなかったことにより一番困るのが相続関係でしょう。特に土地や有価証券などの財産の権利書などの所在を明らかにしておく必要があります。
生前整理によって自分が抱えている財産を正確に把握し直し、それらの処遇をどうするかを今のうちから決めておくことで、相続トラブルを避けることができるかもしれません。
大切な家族に良かれと思って遺した財産が、家族の仲を引き裂く原因にならないように気を配りましょう。
生前整理によって身の回りを整理しておくことは、何も遺品整理や相続のときにだけ役立つわけではありません。
あなたが病気や事故で急に入院しなければならなくなったときや、認知症などで施設に入居することになったとき、事前に整理されていれば慌てずに対処することができます。
例えば、急な事故によって入院した場合、家の中に不要なものが多く散らかっていると、あなたの代わりに手続きなどを手伝ってくれる人が、必要なものを探し出せずに困ってしまう可能性があります。
万が一の事態に備える意味でも、日頃から身の回りの整理は行っておきましょう。
生前整理のために断捨離をすることで部屋がスッキリと片付き、良い気分転換にもなります。また、部屋が整理された状態になると、その状態をキープしたいという気持ちになり、不要なものにお金をかけなくなります。
ただし、一度、生前整理を行ったことに満足してものを増やしてしまっては、生前整理の意味があまりありません。整理した後は、無駄なものを一切排除したミニマリスト的な生活を意識して送り続け、余計なものを増やさないように心がけましょう。
生前整理と混同しがちなのが、老前整理と遺品整理の2つです。これらの違いはWhen、Who、Why、Whatという4Hで説明できます。正しく理解して、生前整理はどのようなことを意識して行えば良いかを押さえておきましょう。
基本的に、生前整理はいつ始めても問題ありません。健康体で病気とは縁遠い生活を送っていたとしても、事故などに巻き込まれるケースもあります。そう考えると、今すぐに生前整理を始めても良いくらいです。
大切なのは、自分で動けるうちに行うことです。本当に残しておきたいものと、なくても困らないものを判断できるのはあなた自身です。
家族に生前整理を手伝ってもらった結果、「残しておきたかったものを捨てられた」「説得されて処分したけれど後悔している」とならないようにするためには、自分一人で行うのがベストです。
また、月日が経つほどものへの愛着や思い入れが濃くなってしまい、なかなか処分の判断ができなくなることもあります。
これらを加味すると、やはり体が自由に動く今のうちから生前整理を始めた方が良いと言えます。
ただ、なかなか踏み切れない人も一定数いるでしょう。そんな人は、次のタイミングを意識してみると良いかもしれません。
進学や就職、結婚などにより子供が家を出たタイミングは、生前整理を始める1つの目安になります。
同居していない遺族が遺品整理を行う場合の負担は大きいです。そのため、子供が同居ではなくなった時点で生前整理を行っておけば、あなたの身に何か起こった場合でも、家族は対応しやすくなります。
70歳を一区切りに生前整理を行うのも良いでしょう。厚生労働省の政府統計資料によると、2016年時点での日本人の平均健康寿命は、男性で72.14歳、女性で74.79歳となっています。健康寿命とは健康上に問題なく、自力で生活を送れる期間のことを言います。
70歳を過ぎたあたりから身体に不調が出始め、自力での生活が困難になる人が多いということです。
生前整理は自力で行うことが大切なので、平均健康寿命の一歩手前である70歳を迎えた際には、生前整理について今一度考えてみましょう。
生前整理をやってみようと思い立っても、何から始めれば良いかわからない人も多いはず。どのような手順で進めていけば順調に整理できるか見ていきましょう。
普通に片付けをするように、まずは持っているものを必要なものと不要なものに分けるところから始めていきます。
断捨離で大切なことは、使っているかどうかを意識して、必要なものをピックアップしていくことです。ものを捨てることが苦手な人に多いのが、「いつか使うかもしれないから」「思い入れがあるから」と実用的でない理由で処分を思い止まることです。
いつか使うかもしれないからと思いながら何年も使用する機会が来なかったものは、おそらくこの先も必要になることはないでしょう。思い切って処分することも大切です。
「使っていないけれど捨てるのは抵抗がある」そういうものは一旦別の場所に移して様子を見ましょう。このとき、元あった場所に置いたままにしてしまうと、処分するか悩んでいたことすら忘れてしまう可能性があります。
保留コーナーを設けて、そこに処分を悩んでいるものをまとめて置いておきましょう。
時間をかけて考えた結果、不要なら処分、必要なら元の場所に戻せば良いのです。
食器や衣料品などを判断するときには、自分にとって適量かどうかを意識すると良いです。1週間に1回しか洗濯機を回さなかったとしても、靴下や下着類は7個ずつあれば十分足りることになります。
また、夫婦二人暮らしなのにグラスが10個以上あっても仕方がありません。
このように、自分たちの生活を振り返って、適正量を知ることが断捨離に繋がります。
不要なものをピックアップしたら、それらを思い切って処分してしまいましょう。
細々としたものならば、普通に家庭ごみとして処分しても問題ありません。また、きれいな状態で捨ててしまうのに抵抗があるようなものは、リサイクルショップなどに売るという選択肢もあります。
不用品がたくさんある場合や、家庭ごみとしては出せない大きなものがある場合は、不用品回収業者に依頼するという方法があります。
買取を行っている不用品回収業者もいるので、売りたいものもあるときは、一気に処分することができます。
一通り身の回りのものが整理できたら、いよいよ財産の整理に入ります。相続をどうするか考える前に、生前贈与した方が良い財産がないかを確認しておきましょう。
生前贈与の大きなメリットは節税対策になることです。贈与額が1年の間に110万円以下の場合は贈与税がかからないため、毎年110万円以下で贈与し続けることによって節税することができます。
また、不動産のような分割して贈与できない大きな財産も、相続時精算課税制度をうまく利用すれば2500万円が課税金額から控除されます。
ただし、場合によっては生前贈与の方が損をすることもあるため、弁護士などの専門家にアドバイスを求めた方が安心です。
分割相続をする際に、相続できる財産にどのようなものがあるかわかりづらい場合、分配の仕方で相続トラブルに発展する可能性があります。
このときに、どのような財産があるかを記した財産目録があれば、スムーズに分配することができるでしょう。
また、相続税を支払う際には相続財産一覧表を作成しなければならないため、正確な財産目録を作っておくことで、遺族の負担を減らすことができます。
財産目録には、現金・預貯金、有価証券、不動産、貴金属や骨董品などの財産を一覧にして記します。
また、借金や未払い金などのマイナスの財産も漏れなく記しておきましょう。他の財産を相続してから借金のことを知ってしまうと、背負うつもりのない借金に悩まなければならなくなります。
遺品整理で遺族が困らないように、遺品をどうしてほしいかを記したエンディングノートを用意しておきましょう。
エンディングノートに決まった形式はないので、自分の好きなように書いて問題ありません。お気に入りのノートやパソコンで自作しても良いですし、最近はエンディングノートも市販されているので、それらを利用するのも良いでしょう。
ただし、エンディングノートを書く際に気をつけなければならないことが1つあります。それは、エンディングノートには何の法的効力をもないということです。
したがって、財産分与について書き残しておきたい場合は、法的効力のある遺言状をしっかりと残しておきましょう。
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すでに生前整理を行えるほどの体力がない場合や、長期入院で自宅に帰れない場合など、どうしても自力で生前整理が行えない場合は専門業者に代理で整理してもらう方法もあります。
生前整理業者は依頼主の意見を尊重しながら、部屋の片づけ、仕分け作業、不用品の買取及び回収、そして清掃などを引き受けてくれます。
特に、仕分け作業は業者ごとにノウハウがあることも多く、経験豊富なスタッフが生前整理をサポートしてくれます。
生前整理業者を選ぶ際の1つの目安となるのが、生前整理アドバイザーなどの資格をもっているかどうかです。やはり専門業者に依頼するからには、ある程度生前整理に精通している業者にお願いしたいものです。
資格を持っているのならば、最低限の知識は保有しているはずなので、比較的安心して任せることができるでしょう。
しかし、業者を選ぶ際に一番大切なことは、見積もり時を利用して実際にスタッフと会ってみることです。
あなたの大切なものたちを任せる人です。信頼できない人に任せられるはずがありません。何社か見積もりを取ってみて、実際に業者の人たちと会って話してみましょう。
「この人たちになら任せても良い」と思えるような業者を選ぶことが何より重要です。
料金の相場は間取りによって変わります。一番小さな間取りの1Kで約37,000円、夫婦二人暮らしに適した2LDKで約136,000円、一軒家などの4LDKともなると約232,000円となります。
これらはあくまで目安なので、処分する家財の量や部屋の状況によって料金が変動することもあります。
生前整理は遺族たちにしてあげられる最後の親切です。たくさんある遺品整理で大切な家族に迷惑をかけたり、相続で揉めさせたりしないためにも、きっちり生前整理をしておきましょう。
何が起こるかわからないのが人生です。
「こんなことになるなら生前整理しておけば良かった」
と後悔しないように、できるうちからコツコツと身の回りを整理していきましょう。
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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