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位牌
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位牌とは|仏壇があれば位牌は必要ない?
故人の魂が宿ると考えられているのが、仏壇などに安置される位牌です。
位牌は取り扱いにも注意が必要になり、例えば引越しの時にも無造作に持ち歩くことは禁物です。
位牌の置き場所や並べ方についても正式なマナーがありますので、万が一、位牌を動かす必要が生じたときには、しかるべき作法に則って行いたいところです。
位牌を移動させるときの作法について、ここではいろいろなケースを取り上げて解説をしていきます。
位牌を移動させるときには、本当に動かしても大丈夫なのか?と作業を躊躇してしまう方もいるでしょう。
故人の分身とも言える位牌は、果たして移動させてもよいものなのでしょうか。位牌の移動について、少しご説明してみましょう。
きちんとした作法にしたがって行えば、位牌を移動させること自体はNGな行為ではありません。ルールを守って移動をする限りは、特に問題になることはありませんので、万が一、位牌を動かさなければならなくなったときにも余り神経質になる必要はないです。
故人を供養する上でも、位牌は常に目の届くところに安置をしておく方がよいでしょう。
位牌を移動する際には、実のところいろいろなルールがあります。
特に注意をしたいのが、位牌を家の外に持ち出すケースです。こういったケースの場合は、少しルールが複雑になってくるため、注意が必要になるでしょう。
家の中で別室に位牌を移動するときなどは、できるだけ丁重に扱えば、通常通り持ち歩いてもさして問題はないでしょう。仏壇の中に位牌を安置している場合は、仏壇ごと移動します。 住宅事情等で仏壇を動かすことができず、位牌だけを取り出して他の部屋に移す場合、位牌を安置する小さめの厨子はあった方が良いでしょう。
位牌を家から持ち出す場合、基本的にはあらためて魂抜きや魂入れなどをする必要はありません。
ただし、別の場所に移動する区切りとして、場合によっては新しい場所でお迎えするための儀式を行うことはあります。迷ったら菩提寺などに確認を取っておくと確かでしょう。
家の建て替えなどの際には、仏壇ごと移動することが多いですが、このようなときにもしかるべき方法にそって行う必要があり、適当に移動するのはご法度です。
移動のために位牌を外に持ち出す際には、これからご紹介するチェックポイントにそって、まずは正しい方法を判断してみるのがおすすめです。知っておくと役立つ3つのポイントを、ここでは具体的に挙げていきます。
家の位牌の移動を考える場合、1つ目のチェックポイントになってくるのが宗派です。
位牌の移動についてのルールは宗派によっても変わるのが一般的ですので、檀家になっている菩提寺の住職に相談してみるのがよい方法です。自分の家の宗派が分からないときでも、菩提寺に問い合わせれば、正しいルールについて教えてもらうことができます。
2つ目のチェックポイントとして挙げられるのが、家に仏壇があるかどうかという点です。
位牌を家の外に持ち出す場合、仏壇があるときとないときとでは、方法が大きく違ってきます。
例えば仏壇があるときには、仏壇ごと位牌を移動することになりますが、仏壇がない場合は、位牌だけを移動させる流れになるため、必要な準備も変わってくるでしょう。
そして3つ目は、位牌を作り変えたり修理する際によく行われる、魂抜きや魂入れといった儀式の確認です。
位牌には故人の魂が宿っているというのが多くの宗派の考え方ですので、位牌を新しくする際には古い位牌の魂を抜いて、新しい位牌に入れるという儀式を行いますが、ちょっと家の外に持ち出すときにも持ち出す際の法要を必要とする寺院もあります。
菩提寺に相談をして、法要が必要かどうかを確認しておくのがベストでしょう。
位牌や仏壇に宿っている故人の魂を一時的に抜くのが、魂抜きと呼ばれる儀式です。
位牌や仏壇を処分したり、新しくお迎えする時には、魂抜きを行います。
一方、故人の魂を位牌や仏壇に入れるのが魂入れです。この儀式は、仏教の宗派によって呼び方が違うこともあります。
例えば、魂の概念がないとされる浄土真宗では、遷座供養といった呼び名で呼ばれています。
魂抜きや魂入れが必要になるケースが多いのが、例えば仏壇を移動するときです。この場合、まず魂を抜いてから移動をし、別な場所に設置をしてから改めて魂を入れます。
古い仏壇を処分し、新しい仏壇を設置する場合にも、同じような魂抜きや魂入れは行われています。
その他、位牌を作った時や処分する時、墓じまいをする時や建てた時にもこのような儀式が行われるのが一般的です。
魂抜きや魂入れの儀式が必要になると、お経をあげてくれた僧侶に一定の費用を支払うことになります。
例えば、自宅まで出向いてくれた僧侶の交通費やお茶代などは、儀式の依頼をした側が負担をします。このような実費の他に、魂入れや魂抜きではお布施が必要です。お布施の相場は、大体1万円から5万円前後と言われています。
位牌や仏壇を移動させるときには、これだけは避けたいというNGなパターンが幾つかあります。
NGな例を知っていれば、思わぬ失敗を避けることができます。ここでは、NGな失敗例について具体的にご紹介してみましょう。
これだけは避けたいNGなパターンとして挙げられるのが、魂抜きや魂入れを一切しないで仏壇を安易に動かしてしまうケースです。
仏壇は、本来動かしてはならないものと考えられていますので、こういった儀式をせずに軽い気持ちで屋外に運び出してしまうのはNGな行動になります。
家の建て替えなどの際には、とくにこの手のパターンが増えますので、注意をしましょう。
魂抜きや魂入れなどはとくに必要ない、と思うようなときにも、やはり伝統的なルールにしたがって移動をした方がよいでしょう。
仏壇は、本来縦の状態で運ぶべきもの。したがって、横にして入口や窓から出すといった行為は、実のところNGです。
したがって、入口や窓の大きさによっては、仏壇を運び出す際にも少し工夫が必要になるでしょう。横にすると運びやすいことは確かですが、運搬中に仏壇の角などに傷がつく恐れがあります。
万が一、落としてしまうようなことがあると、割れや欠けといった破損の一因にもなりますので、仏壇を横にした状態で運ぶのは避けましょう。
家の仏壇に祀られている位牌や本尊などは、移動するときにも家人が運ぶのが基本です。したがって、引越しをする場合、位牌や本尊などを業者に運んでもらうことはNGな行為になります。
どざくさに紛れて、つい、業者に位牌や本尊の運搬を依頼してしまう方もいるかもしれませんが、こういった行動は、ルールに反しますので避けましょう。仏壇がある場合とない場合、故人の魂が宿る位牌や本尊に他人が触れることは、避けた方がよいというのが一般的な考え方です。
位牌の移動では、どのような方法をとるのが本来のマナーにかなっているのでしょうか。
仏壇がある場合とない場合、仏壇を処分する場合とでは、やはりルールが違ってきます。正しい移動のマナーについて、少しまとめてみましょう。
位牌を仏壇の中に安置している場合は、仏壇ごと移動させます。
この場合、魂抜きの法要が必要になってくるため、1ヵ月ほど前には寺に連絡を入れておきたいところです。
仏壇、位牌の魂抜きをしてもらえば、後はスムーズに移動ができます。一旦魂抜きが終わったら、仏壇は引っ越し業者に運んでもらっても問題はありません。位牌や本尊は、風呂敷などに包んで自分で運びましょう。
新しい場所に仏壇、位牌を設置したら、忘れずに魂入れの法要を行います。
仏壇をとくに設置していない場合は魂抜きなども特に不要で、位牌を自分の手に持って運ぶことができます。ただ、このようなときにも、位牌をそのまま裸の状態で運ぶのは考えものです。
日本では大切なものは包んで持ち運ぶ習慣がありますので、風呂敷などにくるんで丁寧に持ち運びます。
標準サイズの位牌を包むときには、68センチ前後の風呂敷を使うと便利です。こういった風呂敷にくるむことで、持ち運びの最中に位牌の表面に傷が付くのを避けられます。
仏壇を処分して、中に安置されている位牌のみを移動したい場合は、仏壇の魂抜きとお焚き上げの儀式をすることが必要です。
魂抜きやお焚き上げは、古い仏壇を処分するときなどに行われる儀式。魂を抜くことで、物として仏壇を処分できるようになります。
こういった儀式を済ませておけば、設置した新しい仏壇に魂入れをして、すぐに位牌を安置できるでしょう。
位牌を持ち運ぶ際には、仏壇がない場合と同様に、風呂敷などに一旦包んでから移動をします。
位牌を移動した後には、どのような配置で置くべきかについて迷うことがあるかもしれません。
位牌の正しい置き方や並べ方などは、供養を行う上でもぜひ押さえておきたい情報です。置き方や並べ方について、少しご案内してみましょう。
仏壇がある場合には、位牌は仏壇の中に安置します。
仏壇をとくに用意していないときには、他の場所にスペースを設けて位牌を置くことも可能です。このような場合は、安置についてもとくに厳しいルールなどはありません。
故人に失礼にならなければ、タンスや机の上、棚の上などに白い布などを敷いて供養のスペースを作り、位牌を安置する方法もあります。厨子などがあると、仏壇がなくても位牌のおさまりがよくなるでしょう。
位牌を並べるときには、正しい方法があるのかどうかも気になるところではないでしょうか。
仏壇がある場合とない場合とでは、少しルールが違いますので、ここではそれぞれのケースにそった並べ方を説明していきます。
例えば仏壇の中に位牌を置く場合は、中段の位置から並べていきます。
目上の人が右にくるように置くのが、位牌を安置するときの作法です。また、上段から目上の人を並べていくのも、ルールの1つです。
例えば、立場が上にあたる曾祖父や曾祖母は上の段に、祖父や祖母は下の段にそれぞれ安置をします。仏壇の大きさや位牌のサイズなどを考えながら、バランスのよい配置法を考えましょう。
仏壇がないときは、中央に置いた位牌の手前に香炉を置き、右側にろうそく立て、左側に花立てを置きます。
リンは打ちやすい位置を考え右側の手前に置きます。
位牌は、いわば故人の分身でもあります。
移動や安置に関する作法も、もとをただせば故人の魂を大切に扱うことから考えられたものです。
住宅事情によっては、作法通りに位牌を安置することはなかなか難しいかもしれませんが、お寺とも相談をしながらベストな方法を考えていくのがよいアプローチになるでしょう。
ご紹介したような作法は、知っておいた方がいざという時に役立ちます。作法を踏まえて移動や安置をしていけば、やはり気持ちの切り替えなどもしやすくなります。
急な引っ越しで位牌や仏壇の移動が必要になったときも、基本的な作法を心得ていれば慌てずに済むでしょう。
作法を参考にして、ぜひ正しい方法で位牌の供養を行ってみてください。
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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