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終活
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老衰の死亡までの期間は?ご家族が準備することや心構えについて解説
自身の最期を考える「終活」が人気ですが、考えるべき事柄たくさんあり、どこから手を付けていいか分からないという方が実に多くいます。
そこでおすすめなのがエンディングノートです。終活で考える項目が網羅されているため、頭の中を整理、記録しながら終活を進められます。
また、エンディングノートを家族に渡すことで、それ自体が伝達ツールにもなります。
この記事ではエンディングノートの書き方や内容について詳しく解説していきます。どうぞ最後まで読み進めてみて下さい。
まずは、終活とエンディングノートが、それぞれどういったものなのか、詳しくご紹介いたします。
終活とは「人生の終わりを考える活動」のことです。自身がどういう老後を過ごすかといった介護や医療の問題、亡くなった時の自身の葬儀やお墓のこと、さらにはいまある財産や家財をどうするかなどを元気なうちから考えます。
ひと昔前は、子どもたちやまわりの親戚たちにお願いできたのですが、核家族化や少子高齢化が進む現代社会では、頼るべき子どもや親戚が近くにいないという人が少なくありません。こうした社会状況から必然的に終活が注目されるようになってきたと言えます。
また、終わりを見つめることは、これまでの人生を振り返り、さらにこれから先をどう生きていくかを考えることにもつながります。セカンドライフをどのように過ごすかと言った前向きな観点からも、終活は有意義なものだと言えるでしょう。
エンディングノートとは文字どおり、自身のエンディング(=最期)について記すノートのことです。自身が死亡した時や、判断力・意思疎通能力の喪失を伴う病気にかかった時などに備えて、自身の状態や希望、家族や友人などに伝えたいことを書き留めておけます。
老後や終末期についての介護や医療、亡くなったあとの葬儀やお墓、財産や貴重品に関する情報とそれらの相続と遺品整理についてなどが主な内容に挙げられます。その他にも自身の交友関係、身の回りの事柄で整理してほしいことなど、書くべき内容に決まりはなく、多岐に渡ります。
ただし、エンディングノートには遺言のような法的効力がありません。あくまでも家族や周りの人の負担を軽減させるためのものです。
書店や文具店、インターネットなどで購入できます。また自治体、NPO、葬儀社などによる無料配布、インターネット上で無料ダウンロードもできます。
エンディングノートには決まった形がないため、これらをもとにファイルやバインダーを使用してオリジナルのエンディングノートを作成する人もいます。
書き始めるべきタイミングもなく、「思い立った時」がまさにその時です。
30代から40代の人であれば、自分のことよりも親の介護や医療について考えるためにエンディングノートを広げることもあるでしょう。
50代から60代は、自身の老後について考えるだけでなく、親の介護や医療、そして葬儀や相続について具体的に動き出す人が増える年代です。
こうした事柄に対して「元気なうちに早めに考えておこう」という必要性に駆られた時、まずはエンディングノートを手に取ってみるとよいでしょう。
エンディングノートにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
いざという時に自身の情報をまとめておくことで家族が判断に困ったり、大事なものを探し回るといった負担が軽減されます。
例えば、かかりつけ医、既往歴、服用している薬、持病などについて書いておくことで適切な治療を施すことができます。
葬儀に使いたい遺影写真を残しておくことで、家族が写真を探し回る必要がありません。
入るべきお墓の所在地が示されていることで、家族も安心して埋葬ができます。
財産目録を残しておくことで、どれだけの財産があるかを把握でき、遺産相続のトラブルを回避できます。
このように、親子で充分なコミュニケーションが取れていない場合、なおさらエンディングノートが双方にとってメリットとなることでしょう。
自身の老後や最期を考えるということは、同時に自分がこれまで歩んできた道や積み上げてきたものを振り返るきっかけにもなります。いわば「人生の棚卸」ができるのもエンディングノートの大きなメリットです。
また、棚卸をする中で、これからの人生でいるものといらないものの整理ができるでしょう。
家の中の不要なものだけでなく、保険や貯蓄や投資など、資産の見直しをするいい機会にもなります。
将来について漫然とした方針や希望を持っていたとしても、頭の中で考えているだけだとその考えがなかなか定着しないことがあります。
エンディングノートに実際に書くという作業をすることで、考えや想いをきちんと言語化、整理ができます。
普段なかなか家族と将来について話す機会を持たない人にとっては、エンディングノートがお互いの会話のきっかけにもなることでしょう。
また、直接会話ができなくても、エンディングノートを通じて書いた本人の想いを知ることもできます。想いを共有することで相手のことをより理解できますし、、本人が希望した医療、葬儀、供養が実現できます。
エンディングノートに老後や死後の希望を書くことで、心が落ち着くという人が実に多くいます。最期を見据えることで、いますべきことが明確になるからです。
「こういう余生を過ごしたい」「最期はこのように締めくくりたい」という希望や目標が、いまを前向きにさせてくれます。
また、老後や最期に不安を持っている人も、自身がどうありたいかを言語化すること、不安感がわずかばかりでも軽減されるでしょう。
エンディングノートに書くべき内容は、おおむね次に挙げる事柄です。一つずつ分かりやすく解説いたします。
まずは自身について振り返りましょう。家族に自分のことを伝えるためだけでなく、これからさまざまな事柄を考えていく上で、自分がどういう人生を歩んできたか、どういう人たちに囲まれてきたかを再確認することはとても大切なことです。
自分がどれだけの財産を持っているかを一覧にまとめておくと、遺産相続の手続きが円滑に進められ、家族にとっては大きな助けとなります。もしも遺言書を作成しているのであれば、明記しておきます。
主に以下の事柄について書いておきます。
名目 | 具体例 |
---|---|
不動産について | 登記簿謄本(全部事項証明書)、権利証、固定資産税納税通知書 |
預貯金について | 預金通帳、キャッシュカード |
口座の自動引き落とし | 電気、ガス、水道、電話(固定・携帯)、新聞、NHK、保険、クレジットカード、家賃など |
有価証券 | 証券会社から定期的に取引残高報告書や特定口座年間取引報告書 |
その他の資産 | 貴金属・宝飾品・ゴルフ会員権・クレジットカード、電子マネー、鑑定書、会員証書 |
生命保険、年金 | 保険証書、契約書、年金手帳 |
また、負債(借入金やローンの残債)も相続の対象となります。将来的にご家族がトラブルに巻き込まれないためにも、どれだけの負債を抱えているかもきちんと書いておきましょう。
携帯電話会社、パソコンのプロバイダーなどについて記載しておきます。それぞれログインIDとパスワードをまとめておくと便利です。
また、よく利用しているWebサイトのログインID・パスワードなどを一覧にまとめておくと、家族が解約手続きをする際に役立ちます。
特にネットショッピングやサブスクリプションなど費用が発生するものはその情報をまとめておくようにしましょう。
パスワードを直接知られたくない場合は、再発行に必要な情報のみを記しておくのもよいでしょう。
家族や親族の連絡先を記しておきます。家系図にしておくと親族関係が一目で分かります。また、ご先祖様のご命日や、冠婚葬祭の記録もしておきましょう。
万が一の時、大事なペットのお世話ができなくなるかもしれません。その時に備えて次に挙げることを記しておきましょう。
自身の判断能力が低下してしまった時にどんな介護や医療を望んでいるかを記載します。
医療や介護についての想いや情報を記しておくことは家族にとっても大きな助けとなります。告知や延命について、ご家族には大きな判断や決断が迫られ、心理的な重圧がのしかかります。ご本人が意思を残しておくことで、その重圧も軽減されるでしょう。
故人様が亡くなった後、喪主となる方がしなければならないことは膨大にあります。葬儀の中だけでもしなければならないこと、決めなければならないことはたくさんあります。葬儀後も、お墓、法事、仏壇、香典返しなど、仏事にまつわるさまざまなことを進めていかなければなりません。これらを深い悲しみの中で行うわけですから、家族の心理的負担ははかり知れません。
あらかじめご自身の考えを伝えておくことで、判断や選択の迷いが減り、家族の負担を少しでも軽減できます。
遺産相続によって家族が仲たがいになることほど悲しいことはありません。遺言書の有無や相続の方針を記しておくことで遺産相続がスムーズに進みます。
大切な家族、親戚、友人や知人などの連絡先を記しておきます。葬儀時などの訃報に大きく役立ちますし、記録用としてもエンディングノートを活用できます。
エンディングノートを開いている家族へのメッセージを残すことができます。普段面と向かって伝えられない感謝を綴ることで、エンディングノートがただの事務的な連絡だけでなく、想いの行きかうかけがえのないツールとなることでしょう。
エンディングノートには、住所、連絡先、資産など、あなたの大切な個人情報が書かれているため、取り扱いには充分に気を付けなければなりません。
銀行口座やクレジットカードの暗証番号は絶対に記載しないようにしましょう。情報が洩れて、不正利用の危険性があるからです。また、パソコンやスマートフォンなどのログインIDやパスワードなども危険です。もしもこれらを記載したいのであれば直接書き込むのではなく、家族だけが分かる暗号や、再発行に必要な情報のみ記載しておきましょう。
エンディングノートには、法的な効力はありません。どんなにノートに想いや希望を綴っていても、家族らがその希望通りに遺産相続をするとは限りません。もしも遺産に関して法的な効力を発生させたいのであれば遺言書を作成しなければなりません。
せっかく一生懸命エンディングノートを書いたとしても、いざというときに見つけてもらえないと意味がありません。大切な家族や身近な人にだけ、保管場所を伝えておくことが大切です。一方で、大切な個人情報が記載されたものなので、人目に付きにくい場所に保管しておきましょう。
社会に広く普及しているエンディングノートですが、買ったはいいがなかなか書けないという人が大変多いという実態があります。ある調査によると、エンディングノートを実際に書いたという人の割合はたったの5%程度だそうです。
エンディングノートが書けない理由はいくつかありますが、主に次の3つが挙げられるでしょう。
エンディングノートを書くことは自身の死を考えることでもあり、人によっては恐怖や恐れが湧き上がってくる人もいるでしょう。そのため、自身の最期について考えることがためらわれてしまうようです。
大切だとは言え、将来のことをいますぐ考えられないケースも少なくないようです。まだまだ元気な方は介護や医療についての実感が湧かないでしょうし、亡くなった後のことを想像できない人もいます。
ペンを持ってノートに文字を走らせることが不慣れな人は、なかなか書き進められません。また、今が忙しくてじっくりと自身の将来を考える時間が持てないという人もいます。
それではどのようにエンディングノートを書いていけばいいのでしょうか。そのポイントやコツをご紹介いたします。
ここまで見てきたように、自身のこと、医療や介護のこと、葬儀やお墓のこと、財産や相続のことなど、エンディングノートに書く項目はたくさんあります。これらすべてを完成させる必要はありません。いま自分たちにとって考えなければならないことから書き進めていきましょう。
たとえば、「介護や医療は心配だけど、入るべきお墓は決まっている」という人の場合は、お墓のページは後回しでも構いません。
一度にすべてを完成させるのではなく、長い時間をかけて、自分の想いをメモしておく。その程度の軽い気持ちから始めてみてはいかがでしょうか。
ひとりで考えてもなかなかうまくまとまらない時は、だれかと一緒に書いてみてもいいでしょう。あるいはエンディングノートに書くべき内容について誰かと話すのでも構いません。
食卓で今後のことを家族に投げかけてみる、葬儀やお墓をどうするか友人たちに相談してみる。そこで気づいたこと思ったことをエンディングノートに記すという方法もあります。
エンディングノートの目的は、ノートを完成させることではありません。本人の希望を託したい相手に伝えることです。伝わりさえすれば目的は果たされるのですから、電話や会話でも構わないのです。あくまでも終活の入り口としてエンディングノートを活用してみましょう。
ここまで、終活の入り口に最適なエンディングノートについて解説してきました。最後にこの記事のポイントをまとめます。
エンディングノートを活用することで、終活がより実りあるものになるとよいですね。
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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