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飾り方(祀り方)
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仏壇には何をお供えする?注意点は?
故人の命日やお盆など、お墓参りを理由に帰省する人も多いのではないでしょうか。故人を供養するにあたってお墓と同じくらい大切なのが仏壇です。
そんな仏壇にお供えする物は何が適しているかご存知の人は、どれくらい居るでしょう。
お供え物は何でも良いという訳ではなく、向き不向きやマナーといったものが存在します。せっかくのお供えものですから、心を込めて正しく供養に用いたいところです。
今回の記事では仏壇にお供えして良いものや避けた方が良いもの、お供え物にまつわる作法をご紹介します。
お供え物には大きく分けて「五供(ごくう)」と呼ばれる毎日お供えする物と、お盆や法要時にお供えする物の2種類に分類されます。
どちらのお供え物も「ご先祖様や故人にいただいてもらう為の物」という考え方に基づいているものです。
五供は「香」「花」「灯燭(とうしょく)」「浄水」「飲食(おんじき)」という5つの要素から成っており、それぞれに役割が与えられています。お供えする物と役割は以下の通りです。
それぞれに大切な役割を持つ五供ですが、お供えするタイミングと下げるタイミングにも決まりがあります。
毎日お供えする物なのでしっかり把握して習慣として身体に馴染ませましょう。
五供をお供えするタイミングはそれぞれ以下の通りです。
基本的には朝にある程度まとめてお供えする事になります。前日の内に準備を済ませておくと、朝のバタバタした時間でも慌てずお供えする事が出来るでしょう。
お供えしたものを下げるタイミングは以下のようになります。
お供え物には「日持ちする物が良い」「処理に困るものは好まれない」など向き不向きがあるので、ある程度定番の品物が決まっています。
基本的には故人の為に用意するものなので、故人が生前好んでいた食べ物や飲み物をお供えするのもポピュラーと言われています。
ただし故人の好物でも傷みやすいものは夏場にお供えしない方が良いでしょう。
お供え物の定番としては以下のようなものが挙げられます。
日本らしさを感じさせるお盆の時期などにぴったりなお供え物の代表が和菓子です。
お饅頭や羊かんなどが一般的ですが、物によっては賞味期限がやや短めな場合があるので購入時によく確認しておきましょう。
おせんべい類もお供え物として用いられる事が多く、海苔や海老などを使用した物は高級感があり喜ばれます。
お供え物と聞くと和風なイメージが強いですが、洋菓子をお供えしても問題ありません。
マドレーヌやクッキー、ゼリーといった洋菓子類は賞味期限が長く個包装の商品が多いのでお供え物向きと言えます。
故人の好物であるケースが多い果物類もお供え物として好まれる傾向にあります。
なるべく日持ちするリンゴやみかん、パイナップル、スイカ、メロンなどから季節の旬の物を選びましょう。
お店で売られているフルーツバスケットを用いる際には、果物の数を奇数にしてお供えするのがマナーである事も覚えておきましょう。
好意のつもりで持ち寄った物でも、実はお供え物として不適切だったなんて事は避けたいものです。せっかくの気持ちが相手方の迷惑になってしまっては元も子もありません。
お供え物として不向きな品物をしっかりと把握しておきましょう。
綿菓子や飴類、チョコレートといった溶けやすいものはお供え物には向いていません。
溶けてしまうと遺族側が後処理にも困ってしまうので、特に気温の高い夏場には持ち寄らない方が良いでしょう。
仏教には「仏様は食べ物や飲み物を香りで頂いている」という考え方があります。これは故人の御霊にも当てはまる事であり、ニンニクやネギなど匂いの強い食べ物はお供えものに不向きとされているのです。
お線香の香りと食べ物の匂いが混ざってしまうのも、あまり気持ちの良いものではないでしょう。
同じ理由からお供えする花もバラなどの香りが強い品種は避けられる傾向にあります。
仏教では殺生を禁止しているので、それを連想させてしまう肉類や魚介類といった食べ物はお供え物として不向きです。
特に夏場は早々に傷んでしまう可能性もあるので避けておきましょう。
お供え物には仏壇への飾り方や置く向きに決まりがあります。
いざお参りに行って親戚に手伝いを頼まれた時、こうした作法が分からないと慌ててしまいがちです。何かとせわしないお参りですから、事前にお供え物の飾り方や置く向きを把握しておきましょう。
所属している仏教の宗派にもよりますが、一般的な仏壇は上・中・下段の3つに分かれています。この場合、お供え物であるお菓子や飲み物などは真ん中の段に飾りましょう。
仏壇のサイズと飾るお供え物のバランスを取りながら、こぼれたり落ちたりする事の無いよう配慮してください。
お供え物を飾る時の向きは自分達から見て正面になるように配置します。
これは仏様が慈悲によって自分達にお供え物を返してくれたものを頂戴する、という事を表しているのです。
ちなみに一般的には仏壇の上段は仏様のご本尊と位牌、下段には花立て・香炉・燭台の「三具足」と呼ばれるセットが配置されます。
箱入りのお菓子などはそのまま仏壇にお供えする事が出来ないので、中身を取り出し小分けにして仏具に乗せて飾りましょう。
その際、仏具が汚れてしまわないように半紙を折り畳んだものをお供え物の下に敷いてください。折り畳んだ半紙は三角形が自分達の方向に向くように配置しましょう。
お盆の時期になると、菊や蓮の花を形取った砂糖菓子をよく見かけるようになりませんか?
そのお菓子は「落雁(らくがん)」と呼ばれるもので、穀粉や水飴に砂糖を混ぜて乾燥させた干菓子です。
室町時代に中国大陸から伝えられ茶道の茶菓子として広く用いられましたが、現在ではお供え物の定番としても認知されています。
落雁は黄色やピンクといった鮮やかな色味と美しい形が魅力的で、お供えする事で仏壇が華やかになるでしょう。
落雁がお供え物に用いられるのは、かつて日本では砂糖が非常に高級な食材であった事に由来します。
お盆は現世に帰って来た故人の御霊をお迎えする為の行事です。はるばる現世に帰ってきてくれた故人に対するおもてなしがお供え物であり、高級品であった砂糖菓子は上級なお供え物として特別視されていました。その名残が今でも残り、手頃な値段で手に入る現在でもなおお供え物の定番として用いられているのです。
また、昔は現在のような冷蔵保存の手段がなく、お供え物で特に日持ちする落雁のような干菓子は重宝されていました。
色形やかつての高級品である事、日持ちの良さを理由に古くからお供え物として選ばれ続けているのが落雁なのです。
菓子折りとして購入したお供え物は、のし紙を付けて相手方へ渡す事が一般的です。
様々な書き方があるのし紙ですから、迷ってしまわないようにお供え物に適した表書きや水引きを確認しておきましょう。
表書きについては一般的に「御供物」や「御供」と書いておけば問題ありません。49日法要を境に法要前は「御霊前」、法要後には「御仏前」と書く場合もあるので不安な場合は訪問先に確認を取ってみましょう。
水引きは多くの地域で黒白の結びきり、西日本の一部では黄白の結びきりが用いられています。水引きの下には贈り主である自分の名前を書きましょう。お葬式の場合には薄墨を用いる事が一般的ですが、お彼岸やお盆では通常の墨で問題ありません。
また、何人かの連名でお供え物を贈る場合には右から順番に目上の人間の名前を書き、5人以上になる場合は「○○一同」と記入しましょう。
フルーツバスケットなどカゴに盛られているお供え物の場合には、のし紙を貼付する事が難しい場合もあります。そんな時にはのし紙の代用として短冊を、水引きの代わりに黒白のリボンを用いましょう。
故人が亡くなってから初めて迎えるお盆の事を「初盆(ういぼん)」と呼び、親戚や生前交流のあった人達を招いて盛大に供養するのが一般的です。
お参りをする人が多くなる点から食べ物や飲み物などのお供え物が溢れてしまう事に気を遣い、品物ではなく現金をお供えするケースもあります。
現金をお供え物として贈る場合、のし紙の表書きは「御仏(佛)前」や「御供物料」を用いましょう。
水引きは黒白もしくは黄白の結びきりで問題ありません。
お供えする金額は故人と自分との関係性にもよりますが、一般的に友人関係であれば3000~5000円程度になります。
お供え物とお金を両方贈る場合もありますが、その際は両方の金額を合わせて5000円程度に設定すると調度良くバランスが取れると言えるでしょう。
お金を包む際には少なすぎても失礼にあたりますが、多すぎても相手方に心労をかけてしまいます。
基本的に初盆以外で現金をお供えする機会はあまりありませんが、しっかり相場を把握して適切な金額を贈れるようにしておきましょう。
お参りする際に持ち寄ったお供え物は、仏壇に飾ったらそれで終わりという訳ではありません。供え終わって下げられた食べ物や飲み物は、家族やお参りに訪れた人達で「仏様からのお下がり」として飲食するのです。
お供え物に小分け包装のものが喜ばれるのはお供えしやすいという意味合いもありますが、こうしたお下がりを頂く際に配膳しやすかったり食べ切れない場合の持ち帰りに便利だからという事でもあります。
お参りした季節に旬の果物などは、お下がりを頂く会食の席で喜ばれやすいです。
特にメロンやスイカ、ぶどうなどは取り分け易さも相まってお供え物の果物として人気となっています。
お供え物として定番であるとご紹介した落雁のような砂糖菓子は贈答・鑑賞用に作られている場合もあり、そのままの状態だと食べづらいという物も少なくありません。
そんな場合には砂糖菓子を砕いて、料理の調味料として活用する方法がオススメです。
お供え物は無駄なく活用して故人も家族もお参りに訪れた人も、皆で美味しく頂く事が大切なのです。
お供え物を選定する際に時間的な余裕があるなら、こうしたお下がりの事まで考慮して品物を選んでみるのも良いでしょう。
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