知っておきたい西山浄土宗 ~本山や主な寺院はどこ?数珠やお線香のマナーは?

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お葬式やお通夜での礼儀作法は社会人として身に付けておきたいマナーですね。 しかし、日本にはいくつもの宗派があり、葬儀の場での礼儀作法は宗派によって異なる点もあります。 ここでは浄土宗の宗派の1つである「西山浄土宗」の葬儀作法についてご説明します。

この記事の監修者

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

お葬式やお通夜での礼儀作法は社会人として身に付けておきたいマナーですね。 しかし、日本にはいくつもの宗派があり、葬儀の場での礼儀作法は宗派によって異なる点もあります。 ここでは浄土宗の宗派の1つである「西山浄土宗」の葬儀作法についてご説明します。

西山浄土宗とは?

西山浄土宗(せいざんじょうどしゅう)は浄土宗の宗派で、浄土宗を開いた法然の弟子である証空・西山上人が説いた西山派の流れを組んでいます。 浄土宗は長い歴史の中でいくつもの流派に枝分かれしては消滅してきました。 その中で現在でも残っているのが鎮西派、そして西山派です。西山派の中にも大きく3つの流派に分かれていてその1つが西山浄土宗です。

西山浄土宗の歴史

法然亡き後の浄土宗

鎌倉時代に法然が開宗した浄土宗。その教えは「専修念仏」、つまり南無阿弥陀仏を唱えることで極楽往生できるというものです。 法然の没後、彼の教えを学んだ弟子たちはお互いに少し異なる解釈をし、それぞれの宗派に分かれていきました。弟子の証空・西山上人は西山派を築いていきました。 西山派の教えは「一類往生説」と言います。これは念仏を唱えることで、他力によってでしか往生することは出来ないという教えです。

西山三派

西山派は最初、西谷流(せいこくりゅう)、深草流、東山流、嵯峨流の4つに分かれるもその後、太平洋戦争終結後まで幾度も変遷を重ねました。 現在では大きく3つの流派に分けられています。それぞれを浄土宗西山禅林寺派、浄土宗西山深草寺派、西山浄土宗と呼びます。

西山浄土宗の総本山と主な寺院

続いては、西山浄土宗の総本山と主な寺院について紹介します。

西山浄土宗の総本山

西山浄土宗の総本山は京都府長岡京市にある「光明寺」です。 この光明寺は浄土宗の開祖である法然が初めて念仏を唱えた場所だとされており、浄土門根元地と言われています。また、現在では紅葉の名所としても有名です。

西山浄土宗の主な寺院

西山浄土宗総本山光明寺東京別院

本山に準じて東京都町田市に設けられています。横浜市にも横浜分院が建立されています。

楊谷寺

長岡京市にある寺院。清水寺の開祖延鎮が806年に開山したとされています。 独鈷水(おこうずい)の寺、または紫陽花の寺として有名な寺院です。

西山浄土宗のお経

木魚を叩きながら読まれる主な仏典は「仏説阿弥陀経」です。 それとは別に「往生礼賛偈」というお経もとても重要視されています。 「往生礼賛偈」は礼拝と懺悔で構成されています。正式名称は「勧一切衆生願生西方極楽世界阿弥陀仏国六時礼讃」です。西山浄土宗で最も肝心なお経に位置づけられています。

西山浄土宗のマナー

数珠の持ち方

西山浄土宗で一般的に使われる数珠は日課数珠と呼ばれています。 2つの輪を交差して繋げたような形をしています。この形状は浄土宗ならではのもので、他の宗派とは大きく異なります。2つの輪も構成している玉が違います。 片方は親玉、主玉、副玉が連なっており、もう片方は親玉と主玉だけです。持ち方は次の通りです。

  • 左手の親指と人差し指の間に副玉がない方の輪をかけ、人差し指と中指の間に副玉がある方の輪をかけます。
  • そのまま数珠を握り、念仏を唱えます。念仏の度に副玉がない方の輪を親指で手前に動かします。
  • 合掌の時は2つの輪を揃え、房が手前に垂れるようにして両方の親指にかけます。

線香のあげ方

次に線香のあげ方についてです。お線香は1本を立てる場合と、または1本を2つに折り、片方を立て、残りを寝線香にする場合がありますが厳密な決まりは無いようです。 火を消す時は左手であおいで消すようにしましょう。

西山浄土宗の戒名

戒名は故人の年齢や社会的な功績、信仰の深さなどその人の生前の様子を表したもので主に「院号」「道号」「法号(戒名)」「位号」で構成されています。

  • 院号:本来は貴族など位の高い人にのみ与えられていました。近年では信仰心が篤い人や地域に貢献した人にも贈られます。
  • 道号:元々は住職など仏道に励んだ人に贈られていました。宗派名が入ることもあります。
  • 法号:本来の戒名です。
  • 位号:年齢や性別、身分を表します。

西山浄土宗の場合は授戒を受けた人には空号が、さらに五重相伝(教えを5つの段階に分けて伝える法会)を受けた人に道号がつきます。

西山浄土宗の仏壇

西山浄土宗の仏壇では中央にご本尊の阿弥陀如来、向かって右に観世音菩薩と善導大師の脇掛、左に勢至菩薩と円光大師の脇掛をまつります。 仏壇の大きさによって観世音菩薩と勢至菩薩は省略する場合もあります。 地域や仏壇の大きさによってはまつり方が変わる可能性もあるので菩提寺に尋ねるのが良いでしょう。

まとめ

  • 西山浄土宗は浄土宗の流派の1つです。
  • 総本山は京都府長岡京市にある光明寺です。
  • 木魚を叩きながら読まれる主な仏典は「仏説阿弥陀経」。「往生礼賛偈」というお経も西山浄土宗では重要なものと考えられています。
  • 数珠は特殊な日課数珠を使います。線香は1本を立てる、または2本に折って片方を立て、もう片方を寝線香にします。
  • 戒名は授戒を受けた人には空号が、さらに五重相伝を受けた人に道号が贈られます。
  • 仏壇はご本尊の阿弥陀如来、向かって右に観世音菩薩と善導大師の脇掛、左に勢至菩薩と円光大師の脇掛をまつるのが基本です。

監修者のコメント

ただ一心に念仏をとなえることが極楽浄土への道であると説く法然の教えを汲んで、多くの弟子が念仏を広めていきました。その一人が証空であり、証空によって唱えられた西山義はやがて浄土宗西山派として浄土宗鎮西派に次ぐ浄土宗内での大きな派となります。

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