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葬儀の種類・宗派
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神式のお葬式で知っておきたい香典袋のマナーは?参列時のマナーや作法を紹介
日本にはさまざまな宗教や宗派が存在しています。宗教や宗派ごとに「死」に対する考え方が違うため、葬儀の流れやマナーにおいてそれぞれ違った特徴があります。今回は、奈良県天理市を本拠地とし、各地に信仰を広め活動する「天理教」の葬儀について、考え方や葬儀の流れ、マナー、香典についてご紹介します。
天理教は江戸時代末期に誕生し、明治末期から昭和初期にかけて教勢を伸ばした新興宗教です。
「親神様」と呼ばれる天理王命(てんりおうのみこと)の教えを、教祖である「中山みき」が説いたことから始まりました。
奈良県天理市に教会本部を構え、信者により国内をはじめ、世界各国にもその教えは広まっています。
天理教では、「人間の体は、魂の仮住まいの場として親神様が貸してくださったもの」と考えています。
誕生は親神様が魂に体を貸してくださることを指します。
人間の体を借りた魂は、この世で皆と楽しく、仲良く、助け合いながら暮らすよう親神様から教えられ、日常生活を送ります。
月日が経ち、やがて死が訪れたとき、借りていた体を親神様にお返しします。
そして魂は、親神様のもとで新たな体が見つかるまで待つことになるのです。
この考えから、天理教での葬儀は、古くなった体を親神様にお返しするための儀式とされています。
天理教では魂は死によって新たに生まれ変わり、やり直すという考えから「死」のことを「出直す」といいます。
「亡くなりました」ではなく、「出直されました」と言い換えるとよいでしょう。
仏式でいう通夜のことを天理教では、「みたまうつし」と呼びます。
「親神様から借りていた体から御霊(みたま)を移す」ことから名付けられ、天理教式葬儀の大きな特徴といえます。
みたまうつしは告別式より重要な儀式とされているため、天理教徒は告別式よりもみたまうつしに参列される方が多いでしょう。
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「みたまうつし」については、こちらで詳しくご紹介しています。
天理教は昭和20年頃まで神道の一派として存在していたため、葬儀は仏式より神式に近い形式です。
しかし、独自の教理があるため、一般的な神式の葬儀と作法が異なる点があります。
天理教式の葬儀のやり方やマナーは、神社ではなく所属している教会に相談し進めていくのがよいでしょう。
ここでは、死去から葬儀後の法事・法要にいたるまで、その流れとやるべきことやマナーについてご紹介します。
自宅への搬送が終わり安置したら、ご遺体の前にお供えをします。
【お供えするもの】 お神酒、米、魚、野菜など
所属する教会によってお供えするものが異なる場合があります。
またこのとき、教会によってはおつとめをするところもありますので、教会長に確認するとよいでしょう。
※おつとめとは、神前で礼拝することをいいます。
このあと遺族が柩の前に集まり十二下りのお歌でおつとめをする教会も多いため、近親者や残れる人は一緒に唱和して故人を偲びます。
この流れの他にも、神前の供物を下げる「撤饌」を行うところもありますので、教会長とよく相談しておきましょう。
◆◆玉串奉奠の手順と作法◆◆
◆◆参拝の手順と作法◆◆
天理教式の参拝は「二礼四拍手一拝四拍手一礼」です。
一般的に参拝時の拍手は「しのび手」といって音を出さずにうちますが、天理教式の拍手では音をたててもよいとされています。
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基本的な流れは通夜とあまり変わりません。
このあと出棺し火葬場に向かいます。火葬場では、祭主が玉串奉奠・火葬祭詞を奏上し、参列者による玉串奉奠が行われます。
火葬された遺骨は、新霊様の前か横に安置して納骨の日を待ちます。墓石前にお供えするお供えものの準備もしておきましょう。 ここでは葬儀後の納骨や法事・法要までをご紹介します。
納骨の際は、「納骨ののりと」を奏上のうえ、納骨します。
分骨をして本部や大教会へ納める場合もありますので、教会に確認してみましょう。
仏式での法事・法要にあたる儀式が旬日祭です。
天理教式では、出直しの日(ご逝去当日)を1日目とし、10日ごとに旬日祭を行います。
仏式の初七日にあたる十日祭に始まり、二十日祭、三十日祭、四十日祭と続き、五十日祭は忌明けとして盛大に行われます。
その後の百日祭、一年祭、五年祭、十年祭に関しては、所属する教会に確認するとよいでしょう。
近年、十日祭は仏式の初七日同様、葬儀当日に行うことが多くなりました。
十日祭の日程は、事前に教会長と打ち合わせをしておきましょう。天理教式では、通夜振る舞いや茶話会のような飲食の提供がほとんどありません。
通夜(みたまうつし)や告別式といった儀式を中心に行われるのが天理教式の葬儀の特徴といえます。
天理教式の香典マナーは神式とほぼ同様です。仏式とは異なる点がありますので注意しましょう。
天理教式では市販の香典袋を使用してもかまいませんが、仏式に使う蓮の花の書かれたものは避けましょう。
水引は、白黒もしくは黄白、銀色の結びきりのものを選びます。※地域により異なる場合があります。
天理教式の表書きは、「御玉串料」「御榊料」「御霊前」と書きます。
宗教ごとに葬儀の考え方が異なれば、おのずと流れやマナーも変わってきます。
天理教式の葬儀の特徴・仏式との相違点は以下のとおりです。
◆天理教式では「葬儀」は魂をうつしかえる儀式のことであり、通夜にあたる「みたまうつし」が告別式より重要な儀式であり、参列者も多い。
◆葬儀の相談は神社ではなく、天理教会に相談する。
◆天理教式では仏式の「焼香」のかわりに、「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」と呼ばれる榊(さかき)の枝を神様にお供えする。
◆天理教式の参拝は「二礼四拍手一拝四拍手一礼」※拍手は音をたててもよい。
◆香典袋は蓮の絵の入ったものは使用しない。
天理教において、死に対する考え方は「魂が生まれ変わるとき」です。天理教の葬儀は親神様への神聖なる儀式となりますので、きちんとした流れやマナーを把握しておくことが必要といえるでしょう。
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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