家族葬は自宅でできる?基本的な条件やメリット・デメリットを解説

家族葬は自宅でできる?基本的な条件やメリット・デメリットを解説
  • エックスアイコン
  • フェイスブック
  • ライン
  • リンクをコピー

近年、家族だけで静かに故人を見送りたいという思いから、従来の斎場や会館を利用するお葬式ではなく、自宅での家族葬を選ぶ方が増えています。

しかし、いざ自宅で家族葬を行おうと考えても、本当に自宅でできるのか、どんな条件や手順が必要なのかなど、分からないことや不安も多いものです。

この記事では、自宅での家族葬について、初めて自宅葬を検討する方にもわかりやすく解説します。

家族葬を自宅で行うという選択肢

家族葬を自宅で行うという選択肢

家族葬を自宅で行うことは、故人の思い出の詰まった場所で最期の時間を過ごせるという魅力があり、近年ではお葬式の自由度やプライベート感を重視して自宅葬を選ぶ方も増えています。

ここでは、家族葬を自宅で行うという選択肢について詳しく解説します。

自宅で家族葬を選ぶ人が増えている背景

自宅で家族葬を選ぶ人が増えている背景には、時代や社会の変化が大きく影響しています。

まず、少子高齢化や核家族化が進む中で、従来のような大規模なお葬式ではなく、親しい家族やごく近い親族のみで故人を見送りたいという考え方が広がっています

また、コロナ禍をきっかけに、密を避けた小規模なお葬式の需要が高まったことも自宅葬の増加に拍車をかけました。

さらに、斎場や会館を利用する場合に比べて、時間や進行に縛られず、故人とゆっくり過ごせる点も自宅葬の魅力です。

自宅ならではの温かい雰囲気や、思い出の品々に囲まれた空間で最期の時間を共有できることは、家族にとって大きな安心感につながります。

自宅葬と斎場葬の違い

自宅葬と斎場葬には、いくつかの大きな違いがあります。まず、自宅葬は自宅の一室を利用してお葬式を行うため、会場費用がかからず、時間の制約も少ないのが特徴です。

家族が中心となって準備や運営を行うため、自由度が高い反面、片付けや近隣への配慮、駐車スペースの確保など、家族の負担が大きくなる場合があります。

一方、斎場葬は専用の施設を利用するため、設備やサービスが充実しており、天候やスペースの心配が少ないのがメリットです。

葬儀社のスタッフが進行や準備をサポートしてくれるため、家族の負担も軽減されます。また、斎場には十分な駐車場や休憩スペースが備わっているため、参列者への配慮もしやすいです。

このように、自宅葬は自由度やプライベート感を重視したい方に向いていますが、準備や運営の負担が増す点も考慮が必要です。

斎場葬は利便性やサポート体制を重視したい方に適しており、それぞれの特徴を理解した上で選択することが大切です。

自宅で家族葬を行うための基本条件

自宅で家族葬を行うための基本条件

自宅で家族葬を行うには、いくつかの基本的な条件を満たしているかどうかを事前に確認することが大切です。スペースや設備、住環境によっては準備や対応が必要になる場合もあります。

ここでは、自宅で家族葬を行うための基本条件について詳しく解説します。

自宅の広さや間取りの確認ポイント

自宅で家族葬を行う際は、まずご自宅の広さや間取りが適しているかを確認することが重要です。一般的に、祭壇や棺を設置するためには6畳以上のスペースが必要とされています。

また、参列者が数名集まる場合は、余裕のある空間が望ましいためリビングや和室など、家具を移動してスペースを確保できる部屋があるかもポイントです。

棺や祭壇を運び込むための動線も忘れずにチェックしましょう。玄関や廊下、ドアの幅が十分かどうか、ストレッチャーや棺の搬入出がスムーズにできるかを事前に確認しておくことが大切です。

また、参列者の靴を置くスペースや、控室として使える部屋があるかも考慮しましょう。

これらのポイントを押さえておくことで、当日の進行がスムーズになり、家族や参列者も安心して故人を見送ることができます。

マンション・集合住宅での注意点

マンションや集合住宅で家族葬を行う場合は、戸建てとは異なる注意点があります。まず、管理規約や自治会のルールを事前に確認し、お葬式の実施が可能かどうかを調べておきましょう。

特に、エレベーターや共用部分の使用制限、騒音や人の出入りに関する規定がある場合があります。

また、棺や祭壇を搬入する際、エレベーターのサイズや玄関の幅が十分かどうかも確認が必要です。ご近所への配慮も不可欠で、事前に挨拶をしておくことでトラブルを防ぐことができます。

さらに、マンションの構造上、駐車スペースや参列者の待機場所が限られていることも多いため、参列者の人数を抑えたり、時間を分けて案内するなどの工夫が求められます。

このように、マンションや集合住宅で家族葬を行う場合は、事前の確認と周囲への配慮が特に重要です。

必要な設備・備品リスト

自宅で家族葬を行う際には、お葬式に必要な設備や備品を事前に準備することが欠かせません。まず、祭壇や棺、遺影写真、供花などの基本的なお葬式用品が必要です。

これらは葬儀社に依頼すればレンタルや設置をしてもらえることが多いですが、自宅のスペースに合わせてサイズや配置を調整する必要があります。

また、参列者用の椅子や座布団、焼香台、線香・ろうそく、香炉、数珠なども用意しましょう。飲み物や茶菓子、控室に置く簡易テーブルなど、参列者へのおもてなしに必要なものもリストアップしておくと安心です。

さらに、故人を安置するための布団や保冷剤、エアコンや扇風機などの空調設備も重要となります。

必要な備品はお葬式の規模や自宅の状況によって異なりますが、事前にリストを作成し、漏れがないように準備することが大切です。葬儀社と相談しながら、必要なものをしっかり揃えておきましょう。

自宅で家族葬を行う流れ

自宅で家族葬を行う流れ

自宅で家族葬を行う場合、どのような手順で進めればよいのか不安に感じる方も多いでしょう。事前の準備からお葬式当日、ご火葬後の対応まで、流れを把握しておくことで安心して進めることができます。

ここでは、自宅で家族葬を行う流れについて詳しく解説します。

葬儀社への連絡と事前相談

自宅で家族葬を行うと決めたら、まず最初に信頼できる葬儀社へ連絡し、事前相談を行うことが大切です。

葬儀社には「自宅葬プラン」や「家族葬プラン」を用意しているところも多く、自宅の間取りや希望に合わせた提案をしてもらえます。

相談時には、自宅の広さや設備、参列者の人数、宗教形式などを伝えておくと、より具体的なアドバイスを受けることができます

また、必要な備品や設営の手配、近隣への配慮についても葬儀社がサポートしてくれる場合が多いです。事前に打ち合わせを重ねることで、当日の流れや役割分担も明確になり、家族の負担を軽減できます。

自宅葬ならではの注意点や不安な点があれば、遠慮せずに相談しましょう。

お身体の搬送と安置

お身体の搬送と安置は、お葬式の最初の大切なステップです。病院や施設で亡くなられた場合、まず葬儀社に連絡し、お身体を自宅まで搬送してもらいます。

搬送時には、ご自宅の玄関や廊下、部屋の広さなどを事前に確認し、スムーズに搬入できるようにしておくことが重要です。

自宅に到着したら、故人を安置する部屋を決め、布団や安置台を用意します。安置する部屋は、できるだけ静かで落ち着いた場所を選びましょう。

夏場や暖房の効いた部屋では、ドライアイスや保冷剤を使ってお身体の状態を保つ必要があります。安置後は、枕飾りを設置し、ご家族で最後の時間をゆっくり過ごすことができます。

枕飾り・祭壇の設置

お身体の安置が済んだら、次に枕飾りや祭壇の設置を行います。

枕飾りとは、故人の枕元に供える仏具やお花、ろうそく、線香などをまとめたもので、宗教や地域によって内容が異なります。葬儀社が準備や設置をサポートしてくれる場合が多く、安心して任せることが可能です。

祭壇は自宅のスペースに合わせて設置し、遺影や供花、位牌などを並べます。和室の場合は畳の上に直接設置することもできますし、リビングなど洋室の場合はテーブルや台を使って高さを調整することも可能です。

祭壇の設置が整うことで、通夜や告別式の準備が本格的に始まります。家族で協力しながら、故人を偲ぶ空間を整えましょう。

納棺・通夜・告別式の進め方

納棺は、故人を棺に納める大切な儀式です。多くの場合、葬儀社のスタッフが納棺師とともに進行し、ご家族も立ち会いながら故人に最後のお別れをします。納棺後は、通夜や告別式の準備に入ります。

通夜は夕方から夜にかけて行われますが、自宅で行う場合は参列者の人数やスペースを考慮し、簡素で温かい雰囲気の中で進めることが可能です。

翌日には告別式を行い、読経や焼香など宗教儀式を執り行います。葬儀社が進行をサポートしてくれるため、初めての方でも安心して式を進めることができます。

ご火葬・精進落としまでの流れ

告別式が終わると、故人を火葬場へ搬送します。自宅から火葬場までの移動には、霊柩車やマイクロバスを利用することが一般的です。

火葬場では、火葬炉の前で最後のお別れをし、ご火葬が終わるまで待機します。ご火葬後は、遺骨を骨壷に納める「収骨」の儀式を行います。

自宅に戻った後は、精進落とし(お斎)を行うことが多いです。精進落としは、お葬式を終えた家族や親族、近しい方々が集まり、食事をしながら故人を偲ぶ時間です。

自宅で行う場合は、仕出し料理やお弁当を手配し、簡単に済ませることもできます。これで自宅での家族葬の一連の流れが完了します。

自宅で家族葬を行うメリット

自宅で家族葬を行うメリット

自宅で家族葬を行うことには、斎場や会館では得られない多くの魅力があります。費用面や自由度、そして心の面でも大きなメリットが感じられるでしょう。

ここでは、自宅で家族葬を行うメリットについて詳しく解説します。

費用を抑えられる理由

自宅で家族葬を行う最大のメリットのひとつが、お葬式費用を抑えられる点です。まず、斎場や葬儀会館を利用する場合に必要となる会場使用料が不要になります。

また、会場の設営や撤去にかかる追加費用も発生しません。自宅でのお葬式は、ご家族が主体となって準備や片付けを行うため、人件費やサービス料も最小限に抑えられることが多いです。

さらに、参列者を限定することで、返礼品や飲食の用意も必要最小限で済みます。規模が小さい分、全体的な出費が抑えられるのは大きな魅力です。

ただし、必要な備品や祭壇のレンタル費用、火葬場までの移動費などは発生するため、事前に見積もりを取っておくと安心です。無駄な出費を避け、必要な部分にだけ費用をかけられるのが自宅葬の特徴です。

時間や空間の自由度

自宅で家族葬を行う場合、時間や空間の使い方に大きな自由度が生まれます。

斎場や会館では利用時間が決められていることが多く、慌ただしく式を進めなければならない場合もありますが、自宅ならご家族のペースでゆっくりと故人と向き合うことができます。

また、空間の使い方も自由で、思い出の品を飾ったり、好きな音楽を流したりと、故人らしい雰囲気を演出しやすいのも特徴です。

参列者の人数や式の進行も柔軟に調整できるため、家族の希望や事情に合わせたオーダーメイドのお葬式が実現します。こうした自由度の高さが、自宅葬ならではの大きなメリットと言えるでしょう。

故人や家族の心の安らぎ

自宅で家族葬を行うことで、故人や家族が心から安らげる空間を作ることができます。住み慣れた自宅は、故人にとっても家族にとっても思い出が詰まった特別な場所です。

そのため、最後の時間をリラックスした雰囲気で過ごせることが多く、形式にとらわれず自然体でお別れができます

また、親しい家族だけで静かに故人を見送ることで、気兼ねなく感情を表現できるのも自宅葬の魅力です。

無理に気を張ることなく、思い出話をしたり、写真や映像を見返したりと、心の整理をしながら大切な時間を共有できます。こうした心の安らぎは、家族葬を自宅で行う大きな理由のひとつです。

自宅で家族葬を行うデメリット・注意点

自宅で家族葬を行うデメリット・注意点

自宅で家族葬を行うことには多くのメリットがある一方で、事前に知っておきたいデメリットや注意点も存在します。準備や近隣への配慮、プライバシーの問題など、家庭ごとに異なる課題が発生することも少なくありません。

ここでは、自宅で家族葬を行うデメリット・注意点について詳しく解説します。

準備や片付けの負担

自宅で家族葬を行う場合、会場設営や祭壇の準備、必要な備品の手配、部屋の掃除や家具の移動など、事前にやるべきことが多岐にわたります。

葬儀社がサポートしてくれる部分もありますが、斎場葬に比べると家族の負担は大きくなりがちです。

また、お葬式後の片付けや原状回復も自分たちで行う必要があります。普段使っている部屋を使用するため、生活スペースを一時的に大きく変更しなければならないこともあるでしょう。

精神的な負担に加え、体力的な負担も感じやすい点は、自宅葬のデメリットのひとつです。事前に家族で役割分担を決めておくと、作業がスムーズになります。

近隣住民への配慮と挨拶

自宅で家族葬を行う際は、近隣住民への配慮がとても重要です。参列者の出入りや車の駐車、お葬式中の音や人の動きなど、普段とは異なる状況になるため、近所に迷惑をかけてしまう可能性があります

特にマンションや集合住宅の場合は、共用部分の利用やエレベーターの混雑など、トラブルが起きやすい環境です。

トラブルを防ぐためにも、事前に近隣住民や自治会に挨拶をしておくことが大切です。お葬式の日程や時間、参列者の人数などを簡単に伝えておくだけでも、理解を得やすくなります。

小さな配慮が、円滑なお葬式運営とその後のご近所付き合いに大きく影響するため、忘れずに対応しましょう。

プライバシーや家の事情

自宅で家族葬を行う場合、どうしてもプライバシーの確保が難しくなることがあります。参列者が自宅に出入りすることで、普段の生活空間が他人の目に触れる機会が増えます

また、家の間取りや設備によっては、十分なスペースや控室が確保できない場合もあります。

さらに、家族の事情や生活リズムによっては、お葬式の進行や準備に支障が出ることも考えられます。小さなお子さんや高齢者が同居している場合は、配慮が必要になる場面も多いでしょう。

こうした点を踏まえ、自宅での家族葬が本当に適しているかどうか、家族全員でよく話し合って決めることが大切です。

まとめ

自宅で家族葬を行うことは、費用を抑えられる、時間や空間の自由度が高い、心から落ち着いて故人を見送れるといった多くのメリットがあります。

一方で、準備や片付けの負担、近隣住民への配慮、プライバシーの確保など、事前に検討すべき注意点も存在します。

自宅葬を成功させるためには、家族の希望や住環境、必要な設備や手順をしっかり確認し、信頼できる葬儀社と相談しながら準備を進めることが大切です。

家族にとって最適な形で、大切な人との最後の時間を穏やかに過ごしましょう。

家族葬でお悩みの方は、『よりそうお葬式』にお任せください。

一日プラン』、『二日プラン』、『華やか二日プラン』などのお葬式プランを複数ご用意しています。また、『シンプルプラン』、『面会プラン』、『自宅安置プラン』などのご火葬のみのプランもあります。

全国の葬儀場からご希望に合った場所をご案内できるので、家族葬を検討している方はぜひこの機会にご相談下さい。

もしもの時の備えになる「お葬式読本」無料贈呈中

「よりそうお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「お葬式読本」を無料で贈呈しています。はじめての喪主でも安心の役立つ情報がそろっています。もしも時のための事前準備に活用できます。

記事の制作・編集

よりそうお葬式 コラム編集部

よりそうは、お葬式やお坊さんのお手配、仏壇・仏具の販売など、お客さまの理想の旅立ちをサポートする会社です。

運営会社についてはこちら

※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。

  • エックスアイコン
  • フェイスブック
  • ライン
  • リンクをコピー

よく読まれている記事

横にスクロールできます

新着記事

横にスクロールできます