実施背景
高齢多死社会が進む日本では年間死亡者数が増加傾向であり、2040年頃には170万人に達するとされています。
死亡者数と比例して葬儀件数も増加する一方、2018年度に国民生活センターに寄せられた葬儀に関する相談件数は622件にのぼり、2019年度も年間600件ペースで推移(※1)しています。
背景には、大切な方が逝去してから数時間以内に葬儀社を決定する必要があるうえ、短期間に多くの決断を迫られるため、適切な判断が難しくなる葬儀特有の事情があげられます。
国民生活センターでは、トラブル回避のために事前の情報収集や葬儀社の事前相談を推奨しています(※2)。一方で葬儀社に事前相談する割合は約18%に留まっており(※3)、事前に葬儀を検討するメリットが世間に広く認知されているとはいいがたい状況です。故人とのお別れというやり直しのきかない機会を、知識や準備が不足した状況で判断せざるを得ない方が多数を占めており、一人でも多くの方がトラブルを回避できる環境作りは急務と言えます。
そこで今回、検討開始のタイミングによってその後の葬儀にどのような違いが発生するか考察するため、2年以内に葬儀に関する意思決定をした方を対象に調査を実施し、葬儀対象者の逝去を起点に「事前検討層」「事後検討層」に分類して結果を分析しました。
※1 消費生活相談データベース(PIO-NETより)
※2 国民生活センター「大切な葬儀で料金トラブル発生!-後悔しない葬儀にするために知っておきたいこと-」(2015年)
※3 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査 報告書」(2017年)より、「葬儀社に事前相談」と「ネット仲介に事前相談」の合計
調査結果サマリー
①事前検討層は事後検討層に比べ葬儀費用が約12万円安く、葬儀社への総合満足度が高い
②事前検討層の「葬儀の重視要素トップ5」、顔ぶれはほぼ共通
③事前検討層が行っていた準備、トップは「葬儀社の決定」
調査結果詳細
①事前検討層は事後検討層に比べ葬儀費用が約12万円安く、葬儀社への総合満足度が高い
最終的に依頼した葬儀社への総合満足度を「1=不満」から「5=満足」の5段階で評価してもらったところ、事前検討層は事後検討層に比べ0.5ポイント高い3.1ポイントとなりました。
また、葬儀社の他者への推奨度を「1=推奨しない」から「10=推奨したい」の10段階で評価してもらったところ、事前検討層は事後検討層に比べ0.4ポイント高い6.9ポイントでした。他者への推奨度は葬儀社への信頼度と相関があることから、事前検討層は事後検討層に比べ葬儀社に信頼感を強く持っていることが分かりました。
さらに、葬儀にかかった平均費用は、事前検討層の約159.7万円に対し事後検討層は約171.4万円であり、事前検討層は事後検討層に比べ費用を約12万円抑えていることが分かりました。
②事前検討層の「葬儀の重視要素トップ5」、顔ぶれはほぼ共通
葬儀をあげる際に重視する項目について複数選択で質問したところ、事前検討層・事後検討層ともに1位は「納得のいく価格である」(事前:76.2%、事後:66.1%)でした。事前・事後に関係なく、価格と葬儀内容のバランスを重要視していることが分かりました。
以下、4位に差異が見られるものの、5項目中4項目が同じであることから、葬儀の重視項目は事前検討層・事後検討層に関わらず共通と言えます。一方で事前検討層は事後検討層と比べ満足度が高いことを踏まえると、事前検討層は時間的余裕があるなかで重視要素を比較検討し、納得して決断している様子がうかがえます。「余裕を持った比較検討」は事前検討層の満足度をより押し上げる要因の一つと言えます。
③事前検討層が行っていた準備、トップは「葬儀社の決定」
「亡くなる前に葬儀に関して準備したり決めていたこと」を複数選択で質問したところ、事前準備層は「葬儀社の決定」「葬儀の種類の決定(一般葬や家族葬などの種類、宗教方式)」「斎場の決定」が上位を占めました。特に1位の「葬儀社の決定」は事前検討層の半数以上が、2位の「葬儀の種類」は3人に1人が準備していました。事前準備層は、大切な方の逝去を迎える前に重視項目に関する懸念を解消していることが分かりました。
また、健在時から葬儀後までの感情の移ろいを全員に質問したところ、健在時は「平穏」(18.2%)に過ごすものの、体調悪化時に「不安」(26.6%)「悲しい」(21.9%)と感情が不安定になっていくことが分かりました。なお葬儀最中は「悲しい」(27.2%)が最も多い回答となりました。
このことから、事前検討層は冷静なタイミングで情報を得ているのに対し、事後検討層は不安定な状況で葬儀を検討していることが分かりました。
葬儀前後の行動と感情の相関
事前検討層と事後検討層の行動と感情を時系列にまとめたところ、以下のような傾向がみられました。
事前検討層
時間にとらわれず冷静な状況で比較検討を行っているため、葬儀のタイミングでは葬儀社が決まっている場合が多い。検討段階で葬儀社と会話を交わすため信頼関係を築きやすく、お別れに集中できるので、結果的に満足度が高い。
事後検討層
大切な方の逝去後という心理的に不安定な状況で、葬儀社、葬儀内容、価格に至るまでの様々な事項を限られた時間の中で決定する必要がある。全ての事項を吟味したり、比較検討をできない状態で葬儀を迎えることとなるため満足度は上がりにくい。
調査結果をうけて
本調査では、事前に検討することで「満足度が高く価格を抑えた葬儀」を実現できることが分かりました。お別れによる時間の制約や、感情の変化による判断力への影響を受ける前に冷静な状況で情報収集を行い、葬儀における要望を実現できる葬儀社を探して比較検討することが、満足度が高くトラブルのない葬儀を実現するポイントと言えます。
今までは経験値や体験談として「葬儀を事前検討することは喪主の負担軽減につながる」と言われてきましたが、今回のアンケート結果により事前検討層の行動実態や負担軽減の要因が可視化されました。
「よりそうのお葬式」においても、事前検討段階で問い合わせたご利用者様の総合満足度および顧客推奨度は、事後検討のご利用者様に比べ有意に高い傾向にあります。サービスを通じて満足度の高い理想の旅立ちを一件でも多くサポートするため、事前割やお葬式予約の充実を計っています。
よりそうは、葬儀における事前検討の普及を通じ、お別れの場面において誰もが自分らしい選択ができる世界の創出を目指します。
<調査概要>
調査名:葬儀運営に関する実態調査
調査対象:過去2年以内に葬儀の運営に関わった全国50歳以上の男女
調査方法:インターネット調査
調査期間:2019年7月
調査主体:株式会社よりそう
調査協力:株式会社サーチライト
有効回答数:625件
よりそうのお葬式について
インターネットを経由して全国一律プランのお葬式を提供するサービスです。全国約900社の葬儀社と提携し、一日葬や家族葬といった新たな葬儀形式を、プラン内容が必要十分になるよう厳選したうえで明瞭な価格表示で提供しています。2019年の葬儀手配サービス調査では30項目で1位を獲得(※4)したほか、お客様満足度は97%を記録(※5)しています。
URL: https://www.yoriso.com/sogi/
※4:2019年5月実施「葬儀手配サービス調査」より
※5:自社アンケートより
株式会社よりそうについて
2009年3月に設立後、2013年に「よりそうお葬式(旧:シンプルなお葬式)」、「よりそうお坊さん便(旧:お坊さん便)」の提供を開始。高齢化や核家族化による葬儀・供養の価値観の変化等を取り入れたサービス内容が支持され、問い合わせ件数を伸長させています。2018年3月には葬儀・法要・供養等の「ライフエンディング」サービスをワンストップで提供するブランド「よりそう」を発表。事業成長を加速しています。
代表者 代表取締役 芦沢 雅治
設立 2009年3月
資本金 29億9,567万円(資本準備金含む)
社員数 約100名
所在地 東京都品川区西五反田2-11-17 HI五反田ビル4F
URL https://www.yoriso.com/corp/
事業内容 インターネットを介した葬儀・供養サービスの提供