突然の容態悪化により、お医者様に「もう助かりません」と告げられた翌日のお昼には、中野様のお母様は他界されてしまいました。そのときは「頭が真っ白になった」とのこと。それでも生前から「簡単にすませてほしい」と言っていたお母様のお言葉に従い、よりそうお葬式(旧シンプルなお葬式)の火葬式を選んだそうです。その際感じたことをうかがってまいりました。
3年前から認知症が始まっていたのですが、高血圧で入院したことがきっかけで一気に進行し、私のこともわからなくなってしまいました。夜の付き添いが必要な病院でしばらく泊り込んでいたのですが、割とすぐ完全介護のところへ転院できたのですね。そこからまた短い期間で近所の介護施設に入所できました。普通は何か月も空きを待たなければいけないと聞いていたので、とても幸運でした。母にそういう縁があるのだろうなと感じましたね。
いいえ、ずっと元気でご飯もちゃんと食べていました。ただ「今日は少し元気がないかな?」と感じた翌日、施設から「下血したので病院に行きます」と連絡があって、急いでかけつけると、お医者様から「もう助かりません」と告げられました。初めは頭が真っ白になりました。動脈硬化で大腸の一部がすでに壊死しかかっており、手術してももたないということで、見守ることしたんですね。結局翌日のお昼に息を引き取りました。
生前から母に「簡単にすませてほしい」と言われていたので、大きな式にするつもりはありませんでした。母の若い頃は戦時中で、芋のつるを食べたとか、僕が赤ん坊の頃のミルクもなかったとかとても苦労したらしく、だからそんな風に言っていたのだと思います。
はい。助からないと宣告された晩、インターネットで「直葬(火葬式)」と検索してヒットしたのがよりそうお葬式でした。一番見やすく、低料金の上わかりやすい説明だと感じて、とりあえず問い合わせしてみました。
その日は流れを伺い、「もし亡くなったらどうすればいいか」と尋ねると、「お電話していだだければいい」と言ってもらえたので、それ以上考えずに済みました。とにかくあまりに急なことで何も考えられなかったんですね。
僕はひとりっ子で、父も20年前に他界しており、親戚も母方の叔父だけで、その叔父も身体を患って入院しているので、全て一人で決めなくてはいけませんでした。亡くなった日も電話するのが精一杯だったのですが、担当の方が丁寧に手順を説明して下さったおかげで、動けたと思います。
正直心配だったのは、内容と場所のことです。イメージとしては、母の遺体が病院から葬儀社へ移動して安置され、そこから火葬場へと移されて荼毘にふされる、とまさにシンプルなものしか想像していませんでした。
元々料金設定が低いのでどれだけのことをしてくれるのだろう?とも思っていました。あとは安置される葬儀社の場所が遠くはないか、という不安もありました。
結論から言うと、最高に良いお葬式ができました。母には十分なことをして送ってあげられたと思います。
まずよりそうお葬式さんには、家から歩いて数分の葬儀社を手配してもらい、とても助かりました。これは母が亡くなった直後の自分にはできないことでしたね。母の巡りあわせの縁かな?とも思いました。
葬儀社の方には本当に細かい心遣いをたくさんしていただきました。
病院から葬儀社へ母を運ぶ際、けっこう泣いてしまったんですが、いろいろお話をして慰めて下さったんですよ。担当者のお人柄なのでしょうが、それまでの不安もすぐに消えました。
また「お母様にお手紙を書かれたらどうですか?」と思いがけない提案もされて…。でもおかげ様で、生まれて初めて母へ感謝の手紙を書きました。このことはとても心に残っていますね。手紙はお棺に一緒に入れたので、母にも読んでもらえたのではないでしょうか。
他にも納棺を手伝わせてもらえたり、お経の紙を下さって「お経をあげてはどうですか?」と言ってくださったり、何かしていただくたびに涙が止まりませんでした。出棺前のわずかな時間ですが、きれいな祭壇にお棺を置いていただき、心から感謝しています。母もいろいろ良くしてもらい、びっくりしていたと思いますよ。
親しい人を失くした直後、ショックを受けている遺族にとって、よりそうお葬式のシステムはとてもありがたいものだと思います。こういったシステムだからこそ、今回のようにすぐ近所の葬儀社にお願いできたのでしょうね。なによりとても親身になって下さる素晴らしい葬儀社を紹介してもらえたのは、よりそうお葬式のおかげだと思っています。
ただひとつできるなら一晩一緒にいてあげたかったですね。本当なら家から出してあげたかったのですが、お棺を置くスペースが取れず残念でした。
でも心からの親子のお別れができたと思います。実は後から知ったのですが、亡くなった日は両親の結婚記念日だったんです。父が記念日に迎えに来たのかなと…そんなことも含め、家族だけでじっくり送ってあげられたので、母も嬉しかったのではないでしょうか。
「値段ですべては決まらない」と思いますよ。
低価格でも親身にして下さる葬儀社を紹介してもらえます。私の父の葬式ではただ慌ただしいだけで、涙を流す暇もありませんでした。値段が高いから、必ずしもいいわけではないと思います。だから心配せず、まずは相談されたらいいのではないでしょうか。
中野様、長い時間お話を聞かせて下さり、ありがとうございました。