氏神様とは?どんな時にお参りやお祓いが必要?
- 2023年02月06日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
神棚に祀るお神札は3枚ありますが、第一となるのが伊勢の神宮のお神札である「神宮大麻」です。その次に氏神様(うじがみさま)のお札、そして自分が崇敬する崇敬神社のお神札が続きます。
神様の中で別格となるのが天照大御神ですが、次にお祀りする氏神様とはいったいどんな存在なのでしょうか。そして自分たちの氏神様を知る方法などをこれから解説していきます。
氏神様とは?
「氏神様」とは、自分が住む土地を守る神様のことです。
もともとはその文字通りに氏姓を同じくする氏族の間で祀った神で、一族の守護神であり、祖先神でもありました。古代では同じ地域や集落に住む、氏族の間で人々が共同で祀った神だったのです。
中世以降になると、次第に血縁よりも地縁的な関係が主になり、氏神の周辺に住む人々を「氏子」と呼び、もともとは別な存在であった土地を守る「鎮守(ちんじゅ)」や「産土神(うぶすながみ)」との区別が薄れていき、やがて混同して用いられるようになっていきます。
現在では氏神様は、自身が居住している地域の神であり、氏神神社とはその氏神様をお祀りする神社となっています。その土地に住んでいれば、その氏族でなくても氏神神社の氏子となるのです。また、神道の氏神様は、西洋の一神教のような個人(信者)との一対一の契約的な信仰ではないので、自分が意識するしないに関わらず、地域の神として存在するのです。
氏神と産土神の違い
平安時代になると氏族の神である氏神より、その土地を鎮護する守護神を祀るようになります。これが「鎮守(ちんじゅ)」です。さらに時代が下ると、鎮守と氏神が合わさり、現在に至るようになります。
「産土神(うぶすながみ)」はその者が生まれた土地の神で、そのものを一生守護する神です。近代以前の日本では人の移動が少なかったので、産土神は鎮守であり、また氏神でもありました。そのため、この3つは、現在ではほぼ同じような意味合いで使われています。
氏神神社と崇敬神社の違い
地縁や血縁的な関係以外の、個人の信仰により崇敬される神社が崇敬神社です。この神社を信仰する者を崇敬者と呼びます。神社によっては氏子を持たない神社もあります。そこで崇敬会などの組織が作られて神社を支えることもあります。
氏神神社は、自分の住んでいる地域により自動的に決まりますが、崇敬神社は自分の好きな神社、たとえば明治神宮や靖国神社のような有名な神社だけでなく、自分が気に入れば小さな神社でもかまわないのです。また、ひとつでなく、複数あってもかまいません。
氏神様の調べ方
それでは自分の氏神神社を調べてみましょう。近くの神社に直接行って聞いてみても良いですが、それ以外にも調べるいくつかの方法があります。
インターネットで調べる
各都道府県には、それぞれ神社に関わる業務を行う神社庁があり、氏神神社を検索できるホームページを開設しているところもあります。
Googleマップなどの地図で探す
インターネットや地図アプリで、自宅周辺の神社を検索してみましょう。ただし、必ずしも家から一番近い神社が氏神神社というわけではありません。近くでも氏子を持たない神社もあり、場合によってはかなり離れた場所が氏神神社ということもあります。候補を見つけたら、電話で確認するのが確実です。
神社庁に問い合わせる
近くの神社に足を運んでも、無人のことがあります。というのも、神社の管理は近辺の神社とかけ持ちで行われていることも多いのです。そんな時は、各地域の神社庁へ電話して聞いてみてはいかがでしょうか。
町内会の人に聞く
神社が行う例大祭などの行事など、町内会は氏神様と関わりがあります。引っ越した後に町内会のお誘いが来た場合に聞いてみるといいでしょう。町内に複数の神社がある場合もあり、よく知っている人に聞くのが無難です。
近隣の個人商店に聞く
町内会の人と話す機会がなければ、自宅から近い酒店や青果店に聞いてみるのも一つの方法です。というのも、それらの店はお供物でお酒や青果を配達する機会があるからです。
氏神様へのお参りとお払い
氏神神社は基本的には自宅の近くにあり、最もお参りしやすい神社だとも言えます。日々、地域に住む人々を守護している神社なので、ぜひお参りしてみましょう。参拝方法は、氏神神社だからといって特別なルールはなく、他の神社に参拝する時と同じです。
厄払いなどのお払いも有名神社や崇敬神社で行ってもいいのですが、わざわざ遠くへ行かなくても初詣やお宮参り、七五三など、人生の節目節目でお世話になってきた氏神神社があるはずです。地域をお守りしている、身近な存在である氏神様にお願いするのもいいでしょう。
氏神様のまとめ
私たちの住んでいる地域をお守りしている氏神様。神棚にお神札を飾る段になってその存在に気づかれた方もいらっしゃるでしょうが、古来より日本人は遠くの神社よりも氏神様がいらっしゃる氏神神社が身近な存在でした。せっかくお近くにあるのでしたら、そのご縁を大切にしてみてはいかがでしょうか。
お葬式手配の「よりそうお葬式」
監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
氏神様は同じ氏族が共同でお祀りした守護神(先祖神)、産土神様は生まれ育った土地の守護神、鎮守神様は国や地域、寺院、城など一定の区域や場所の守護神をあわしますが、現在ではあまり区別されることはなく、今では同じ意味で使われています。