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身寄りがない人が死亡した時の葬儀について

身寄りがない人が死亡した時の葬儀について
  • 2023年01月13日
家族が余命宣告されたら。やるべき準備と心構え
家族が余命宣告されたら。やるべき準備と心構え
「余命宣告」の正しい意味や、家族が余命宣告されたときの心構え、するべき準備のことについてわかりやすくご紹介します。
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家族の誰かが亡くなると、その遺族によって葬儀・告別式が行われ供養されることになりますが、身寄りのない方の葬儀も多くなっています。
現在では身寄りがない方や、何らかの理由で独身のまま年齢を重ねた高齢者が増加しつつあります。そのため、身寄りのない方々を対象にした福祉や葬儀関係のサービス、悩み事等の相談を受け付けるサービスも登場しています。
しかし、その一方で当該高齢者は、地域社会との接点を持たない、何らかのコミュニティに属していない場合が多く、一般的に「独居老人」と呼ばれています。
独居老人は、社会との接点に乏しいため、周囲にその存在を知られないまま餓死・病死してしまう、いわゆる「孤独死」が社会問題として注目されています。
今回は、このような事態にならないために、身寄りがない方があらかじめ行っておくべき、いろいろな備えについて説明します。

記事の監修

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

身寄りがない人の老後の現状

当然のことながら身寄りがない人は生まれた時から独りというわけではなく、父母・祖父母・兄弟姉妹、そして配偶者(夫または妻)や子供等、親族いずれかがいたはずです。

その後、家族の死別・離別を経て身寄りがなくなった人、または、生涯独身で所帯を持たなかった人を含めた高齢者は、年々増加しています。

65歳以上の方の単身世帯の割合は増加傾向

内閣府によって65歳以上の単身世帯が増加傾向にあることが報告されており、平成25年(2013年)には、全世帯50,431千世帯のうち5,730千世帯が65歳以上高齢者の単独世帯であることが示されています(内閣府「1高齢者の家族と世帯」参照)。

昭和55年(1980年)に910世帯だった高齢者の単独世帯は、33年後に6倍以上に増加したことになります。

単身世帯の高齢者は、一概に身寄りのない人ばかりとは言えません。たまたま、家族と離れて暮らしているかもしれないし、地域社会と交流して孤独とはいえない環境にある人もいるでしょう。

しかし、最近の孤独死の増加は、単身世帯の増加によって引き起こされていることが、内閣府の世帯の現状を伝える報告からも察することができます。

単身世帯の高齢者の窮乏が著しい

高齢の単身世帯にとって心配なデータが総務省統計局より平成29年2月17日に発表されています。総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)」によれば、次の状況が報告されています。

平成28年の調査によると、60歳以上の単身無職世帯の年金保険・生活保護等の社会保障給付(実収入)は毎月120,093円です。
しかし、平均家計消費は、食料や保険医療費等をはじめとした消費支出額は毎月143,959円となり、それに加え税金等の非消費支出額は毎月12,445円となっています。

Ⅰ:実収入と、Ⅱ:消費支出額Ⅲ:非消費支出額を計算すれば、

120,093円[Ⅰ]-(143,959円[Ⅱ]+12,445円[Ⅲ])-36,311円

となり、平均して毎月36,311円分が赤字となっている状況が報告されています。

公的年金(国民年金または厚生年金)をしっかり納付していても、これだけの赤字額となってしまいます。公的年金に未納分があるとすれば、更に社会保障給付は減ることになります。

高齢者の単身世帯では、公的年金を完納していたとしても、受け取る年金だけで生活していくのは難しいことがわかります。もちろん、貯金が潤沢にあるのならお金の心配はあまりないといえます。

不足分はバイトをしながら補填するのも一案ですが、高齢の単身世帯の全員が健康であるわけではなく、出費を抑えお金の管理をいっそう厳しく行う必要があります。

特殊詐欺に遭うことも

高齢者を狙った犯罪として増加傾向にあるのは、一般的に「特殊詐欺」と呼ばれる詐欺です。こちらは劇場型勧誘詐欺ワンクリック詐欺等があり問題となっています。

■劇場型勧誘詐欺
劇場型勧誘詐欺とは、複数の悪徳事業者が役回りを分担し、高齢者に架空の投資話や物品の法外な購入話をもちかける手法の詐欺です。

■ワンクリック詐欺
ワンクリック詐欺とは、月額数十万円もする有料会員に登録したかのようなメッセージが出て、お金を指定の銀行口座へ振り込むように誘導する詐欺や、個人情報漏えいが発覚したのでその情報を有料で削除すると偽る詐欺があります。
いずれもパソコン・スマートフォンの使い方やインターネットの知識に乏しい高齢者が狙われています。

劇場型勧誘詐欺にでもワンクリック詐欺でも、身近に家族や相談できる友人・知人がいれば詐欺に気付くことは可能です。しかし、この詐欺の標的になるのは、主に家族と離れて暮らしたり、家族を既に亡くしたりした独居老人です。一人暮らしで相談できる相手が少ない方ほど狙われやすいと言えます。

孤独死を迎えた時の葬儀は?納骨は?

身寄りのない高齢者の単身世帯は、経済的窮乏や特殊詐欺のリスクの他、生命・身体にかかわる重大なリスクもあります。それが、周囲にその存在を知られないまま餓死・病死してしまう孤独死です。

地域との交流があれば近隣の方が葬儀を行ってくれることも

身寄りのない高齢者でも、近隣住民の方々と交流があれば、万が一、孤独死してしまっても発見が早く、近隣者等が喪主として葬儀を行ってくれることもあります。

いわば遺族ではない他人が葬儀費用等を出した場合には、故人の相続財産管理人が管理している相続財産から、かかった費用を返してもらえます。

相続財産管理人とは、故人に相続人がいない場合に、検察官や利害関係人(例えば故人が賃借していたアパートの賃料を回収したいオーナー等)の請求によって、家庭裁判所から選任された故人の相続を管理する人物のことです。相続財産管理人として主に弁護士を就任するケースが多いです。

身寄りがなく、近隣との交流もない高齢者が亡くなった場合

地域社会との接点を持たない、何らかのコミュニティに属していない単身世帯の場合、厳しい事態が身寄りのない高齢者に待ち受けています。他との交流がないため、孤独死すると発見が非常に遅くなる傾向があります。

夏場など気温が高くなる時期に亡くなった場合、腐敗臭や害虫の大量発生から孤独死したことがわかることもあります。

しかし、周囲に気付かれないまま何年も経ってから、白骨遺体になって発見されるケースがあります。

遺族がいない場合には、法律に基づき死亡地の市町村長が埋葬または火葬を行うことになります(墓地・埋葬等に関する法律第9条)。

この様な場合、死亡地の市町村が故人の葬儀を行うわけではなく、すぐに火葬することになります。理由としては前述したように遺体の状態等を考慮し、衛生上の観点から速やかに火葬する必要性があるからです。

身寄りのない故人は遺骨・遺品の引き取り手がいない場合がほとんどのため、それらは市町村が管理することになります。一定期間(およそ5年)保管された後、遺骨は縁者のいない方々が葬られるお墓(無縁塚)に埋葬されます。

個別のお墓は建ててもらえませんが、遺骨の埋葬自体はしっかりと行われます。

【合わせて読みたい】
孤独死の対策など詳しい説明はこちらもご参照ください

身寄りがない人が生前(元気なうち)にやっておくべき準備

手と手

身寄りがない人は、経済的に窮乏するリスク、詐欺に遭うリスク、そして孤独死してしまうリスクが深刻といえます。そのため、判断能力がしっかりしている元気な時に、万が一の事態を想定した備えを行っておきましょう。

こちらではご自分の葬儀、埋葬方法の相談から希望を伝えておく相手方と、判断能力や身体の衰えた時に財産を管理する方法を取り上げます。

葬儀社やお寺と生前に話しておく

身寄りのない人が亡くなった後の葬儀について、葬儀社と生前契約ができる場合があります。つまり、生前にあらかじめ葬儀プランを決定し、その死後、契約したプランに従った葬儀や埋葬を行ってもらうのです。

ご自分の死後、どんな葬儀をしたいか、誰を葬儀に呼んでもらいたいか等を決め、ご自分が希望するプランを事前に契約し、その料金は信託会社または弁護士が管理するという方法をとります。

また、自分の菩提寺がある場合にはそちらに納骨することを指定し、お寺の住職にもこの様な契約をした旨を伝え、スムーズな供養ができるように準備をしておくことも良い方法です。

【合わせて読みたい】
葬儀前に決めるこ\と、準備すること | 一般的な葬儀の場合

遺言書やエンディングノートを作っておく

身寄りのない人が亡くなった場合には、相続人もおらず遺言書やエンディングノートは不必要にも思われます。しかし、ご自分がどのような葬儀・埋葬方法を行ってもらいたいか、財産をどのように処分してもらいたいか、希望を文書にしておくことは大切なことです。

もしも、身寄りがない方に財産があった場合、相続人が誰もおらず、遺言書やエンディングノートに記載した希望を実現してくれる方もいなければ、最終的に国庫へ帰属する(要するに国の物になってしまう)ことになります。

遺言書とは、財産の分与等に関する遺言者の希望が、法律手続きに則って作成された書類で、自筆証書遺言・秘密証書遺言・公正証書遺言の3種類があります。

エンディングノートとは、人生の終末期で迎える死に備えて、ご自分の希望を書き留めておくノートのことです。

故人の希望が記されている遺言書やエンディングノートの内容を、誰が実行するのかについては、遺言書で遺言執行者を指定することが可能です。

この遺言執行者とは、遺言者が死亡して相続が開始された場合に、遺言の内容を実行する人物です。

遺言執行者は、未成年者及び破産者を除いて誰を選んでもよく、身寄りのない人の場合は、その友人・知人等を選んでも構いません。

【合わせて読みたい】
エンディングノートの書き方や詳しい説明はこちらをご参照ください

遺品整理業者と話しておく

遺品整理とは、身寄りのない人が亡くなった場合、その所有物だった家財道具を処分(廃棄)することです。

遺品整理専門の業者があり、こちらの業者でも生前契約ができるサービスがあります。その方法は、身寄りにない人の自宅を、業者のスタッフが訪問し、家の間取り、家財道具の状況をみて見積りを行います。

見積りの方法は引っ越しの前に、引っ越し業者から荷物の状況を見てもらうのと同じです。料金は家財道具の量や、作業にかかる人員によって異なります。

遺品整理の生前契約をしておけば、特に身寄りのない人がアパート暮らし等、住居を借りて生活していた場合には、万が一の事態のおきたときアパート等のオーナーへ迷惑をかけずに済みます。

成年後見制度を利用する

身寄りのない高齢者が現在は元気でも、判断能力が減退したときは、不動産や預貯金などの財産の管理が難しくなること、また、足腰が弱って身の回りの世話をするためにホームヘルパーと契約の締結を行うこと、相談相手がいないことに付け込まれ、前述した特殊詐欺の被害に遭うリスクが想定されます。

その時に活用する制度が、成年後見制度です。成年後見制度は、高齢者本人の財産を適正に管理する「財産管理」と、高齢者本人の生活、治療、療養、介護等の法律行為を代理する「身上監護」を行うことを目的に、法律で定められました。

任意後見制度の活用

身寄りのない高齢者の方で、ご自分の判断能力が衰えないうちに、将来の財産管理や身上監護を任せたい場合に利用できる制度が、任意後見制度です。

この任意後見制度は、将来に被後見人となる高齢者自身と、将来に任意後見人に就任する方(任意後見受任者)との契約で成立します。この契約を「任意後見契約」と呼びます。

任意後見契約の内容は、契約当事者が自由に決定することができます。
例えば老人ホーム入所の際に、財産管理と利用料支払いや連絡窓口を担う身元保証人的な役割を行う等、高齢者本人のサポートをどのようにするかの具体的な指示を定めることが可能です。

高齢者本人に身寄りがなく、保証人になってくれる親族がいない場合、介護付老人ホーム等の利用には成年後見人をつけることが条件という施設もあります。

契約は、公証役場で行われ公正証書として契約内容が定められます。なお、任意後見受任者は、契約をすればいきなり任意後見人として就任するわけではなく、高齢者本人の判断能力が低下した場合に、任意後見受任者等が家庭裁判所に後見開始の申し立てをしてから、任意後見人に就任します。

任意後見人による適切な財産の管理で、前述した高齢の単身世帯の窮乏を防げるとともに、悪徳商法や特殊詐欺の被害を未然に防ぐことが期待できます。

そのため、任意後見人は原則として誰でも就任できるものの、法律手続きや法律トラブルに詳しい弁護士・司法書士・行政書士等の専門家と契約することをおすすめします。

任意後見契約だけでは不十分な場合も

身寄りのない人からすれば、既に自分の財産の管理を行ってもらいたい場合や、孤独死のリスクや認知症のリスクを想定し、定期に任意後見受任者に見守ってもらうことを希望する場合は、任意後見契約の他、「財産管理委任契約」「見守り契約」を締結する必要があります。

なお、これらの契約は任意後見契約の前後を問わず締結できます。また、任意後見受任者や他の法律専門家等と契約しても構いません。

身寄りのない人が、ご自分の死後もその葬儀・埋葬の手続きを進めてもらいたいならば、任意後見受任者と「死後事務委任契約」を締結することもできます。

死後事務委任契約の内容としては次のような事柄を定めておきましょう。

●(親族・友人・知人がいる場合)死亡の連絡
●死亡届等の行政への手続き、届出
●葬儀・納骨の準備・手続き
●医療機関への未払い金の精算
●遺品の処分
●電話、インターネット等の解約 等

成年後見制度についてもっと詳しく知りたい場合

成年後見制度については、法務省民事局がわかりやすく制度内容・事例・申立方法を説明しています(法務省民事局「成年後見制度~成年後見登記制度~」参照)。

成年後見制度に質問があればこちらの行政機関等にお問い合わせください。

○成年後見制度について

・法務省民事局参事官室:TEL:03-3580-4111
・法テラス(日本司法支援センター):TEL:0570-078374

○任意後見契約について

・日本公証人連合会:TEL:03-3502-8050

その他、各都道府県に公証役場があります。

○登記事項証明書

後見人が被後見人の法律行為等をする場合、「登記されていないことの証明書」が必要です。

・東京法務局:TEL:03-5213-1360
・大阪法務局:TEL:06-6942-9459
・名古屋法務局:TEL:052-952-8111
・広島法務局:TEL:082-228-5765
・福岡法務局:TEL:092-721-9334
・仙台法務局:TEL:022-225-5734
・札幌法務局:TEL:011-709-2311
・高松法務局:TEL:087-821-6191

その他、各都道府県に地方法務局があります。

福祉事務所等を利用する

身寄りのない人に生活上の不安や困りごとがあれば、身近な行政機関である市区町村役場の高齢福祉課や、地域包括支援センター、福祉相談センター(福祉事務所)へ気軽に相談できます。

地域包括支援センターとは、地域の医療・介護・福祉に関する情報が集約されている場所であり、保健師・社会福祉士・主任ケアマネージャー等の専門職がいるので、医療や介護について適切なアドバイスが期待できます。

福祉相談センター(福祉事務所)とは、身寄りのない高齢者に対して、職員が家庭訪問や面接により資産、環境等を調べ、生活指導を行う業務を行っています。また、生活保護や老人福祉施設などへの入所に関する事務等も行っています。

身寄りのない人は、これらの施設で質問や相談を行い、できるだけ自分の存在を知ってもらうことで、将来にわたる様々なリスクの軽減や支援についてアドバイスを受けることが期待できます。

域包括支援センターや福祉相談センターの設置場所がわからない時は、まず各市区町村役場の窓口でご相談ください。施設の情報をいろいろと教えてくれます。

監修者のコメント

後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。法廷後見は裁判所の審判によって後見人が選任される制度のことで、本人の判断能力によって後見、補佐、補助の3類型があります。任意後見は元気なうちに自分の判断能力が不十分になった時にそなえて、後見人と後見事務の内容を決めておくことができる制度です。

まとめ

身寄りのない高齢者は、特に地域からの孤立は可能な限り避けましょう。男性や女性を問わず、蓄財の有無にかかわらず、年齢を重ねて行く過程で、どなたでも身体の衰えや思考能力は減退していきます。その衰えから様々なリスクが発生します。

このようなことをサポートするために、家族の存在が重要になります。しかし、そのサポートが受けられない場合は、公的な機関に相談する、民間業者・NPO法人等の高齢者向けのサービスを利用する、近隣住民との交流を大切にすることが、孤独死をはじめとした様々なリスクを軽減する手段と言えます。

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