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般若心経の内容全文と解説まとめ|知れば心が楽になる「空」の思想

般若心経の内容全文と解説まとめ|知れば心が楽になる「空」の思想
  • [投稿] 2018年09月14日
  • [更新] 2021年06月03日

仏教のお経の中でも、特に多くの方に親しまれているものに「般若心経(はんにゃしんぎょう)」があります。
日本の仏教でも複数の宗派で読まれていることから、どこかで耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
そんな般若心経では、大乗仏教で重要な「空」の思想が説かれています。これらの短い言葉に込められた意味を知ることで、不思議と心が楽になるともいわれているようです。
こちらでは、一度は読んでおきたい般若心経の全文と、その解説をご紹介します。

般若心経(般若波羅蜜多心経)とは

般若心経(般若波羅蜜多心経)とは、仏教における経典のひとつです。
300文字にも満たないわずかな文字数で、大乗仏教において重要な「空(くう)」の思想が説かれているのが特徴です。

般若心経は、真言宗・天台宗・禅宗を中心として、仏教の多くの宗派で読まれています。
基本的に般若心経を読まない宗派には、浄土宗や日蓮宗があります。

般若心経は、主に4つのパートから構成されています

1つ目のパート・・・観音菩薩がお釈迦様の弟子であるシャーリプトラに、その教えを説く場面から始まります。
2つ目のパート・・・観音菩薩がシャーリプトラへ呼びかけながら、「空」の思想について説いていきます。
3つ目のパート・・・「空」の思想についてさらに深めていきます。
4つ目のパート・・・「真言(マントラ)」という神秘的で特別な言葉そのものが唱えられます。

▼詳しい内容と手配方法▼

般若心経の由来と歴史

般若心経は、中国の僧侶である玄奘三蔵がインドから持ち帰り、翻訳したといわれている経典です。
正式には「般若波羅蜜多心経」と呼ばれ、サンスクリット語の「プラジュニャーパーラミター・フリダヤ・スートラ」が原題となっています。
般若心経がインドから中国に伝わったのは、630年頃といわれています。
玄奘三蔵という僧侶が、研究のためにインドへ向かい多くの経典や仏像を持ち帰り、これらを自ら翻訳しました。

現在、日本において広く読まれている般若心経は、この玄奘三蔵によって翻訳されたものだといわれています。

「空」の思想の真髄とは

私たちは日常生活の中で、さまざまな苦しみと向き合っています。しかし、これらの苦しみは自分の外側から押し寄せるものではなく、実は自分自身への執着から生まれると考えてみたら、見え方が変わってくるかもしれません。

般若心経の中心となっているのは、大乗仏教の「空(くう)」の思想です。
経典では、観音菩薩がさまざまな事象を例に挙げながら、すべてのものに実体がないこと(=空)を説いています。
これには、私たちの肉体や、感じること、思うこと、行うこと、認識することを含め、ありとあらゆるものごとが当てはまるといわれています。

しかし、般若心経で説かれているのは、それだけではありません。
「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」という一節では、色(=目に見える物体)には実体がないと伝えたうえで、さらにそれゆえ空とは色でもあるともいい、ただ単にまったくなにも存在しないという虚無主義の考え方すらも否定しているのです。

般若心経の全文と解説

「般若心経」の全文と、その解説をご紹介します。
仏教の数ある宗派で読まれているお経にふれて、心が楽になるのを感じてみてください。

般若心経の全文

仏説摩訶般若波羅蜜多心経
(ぶっせつまか はんにゃはらみた しんぎょう)

観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空
(かんじざいぼさつ ぎょうじんはんにゃはらみったじ しょうけんごうんかいくう)

度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空
(どいっさいくやく しゃりし しきふいくう くうふいしき しきそくぜくう)

空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相
(くうそくぜしき じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ しゃりし ぜしょほうくうそう)

不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中
(ふしょうふめつ ふくふじょう ふぞうふげん ぜこくうちゅう)

無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
(むしき むじゅそうぎょうしき むげんにびぜっしんい むしきしょうこうみそくほう)

無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽
(むげんかい ないしむいしきかい むむみょうやく むむみょうじん)

乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
(ないしむろうし やくむろうしじん むくしゅうめつどう むちやくむとく)

以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故
(いむしょとくこ ぼだいさつたえ はんにゃはらみったこ)

心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想
(しんむけいげ むけいげこ むうくふ おんりいっさいてんどうむそう)

究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故
(くうぎょうねはん さんぜしょぶつ えはんにゃはらみったこ)

得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
(とくあのくたらさんみゃくさんぼだい こちはんにゃはらみった)

是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
(ぜだいじんしゅ ぜだいみょうしゅ ぜむじょうしゅ ぜむとうどうしゅ)

能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪
(のうじょいっさいく しんじつふこ こせつはんにゃはらみったしゅ)

即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
(そくせつしゅわっ ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい)

菩提薩婆訶 般若心経
(ぼじそわか はんにゃしんぎょう)

仏説摩訶般若波羅蜜多心経
(ぶっせつまか はんにゃはらみた しんぎょう)

観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空
(かんじざいぼさつ ぎょうじんはんにゃはらみったじ しょうけんごうんかいくう)

度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空
(どいっさいくやく しゃりし しきふいくう くうふいしき しきそくぜくう)

空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相
(くうそくぜしき じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ しゃりし ぜしょほうくうそう)

不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中
(ふしょうふめつ ふくふじょう ふぞうふげん ぜこくうちゅう)

無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
(むしき むじゅそうぎょうしき むげんにびぜっしんい むしきしょうこうみそくほう)

無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽
(むげんかい ないしむいしきかい むむみょうやく むむみょうじん)

乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
(ないしむろうし やくむろうしじん むくしゅうめつどう むちやくむとく)

以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故
(いむしょとくこ ぼだいさつたえ はんにゃはらみったこ)

心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想
(しんむけいげ むけいげこ むうくふ おんりいっさいてんどうむそう)

究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故
(くうぎょうねはん さんぜしょぶつ えはんにゃはらみったこ)

得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
(とくあのくたらさんみゃくさんぼだい こちはんにゃはらみった)

是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
(ぜだいじんしゅ ぜだいみょうしゅ ぜむじょうしゅ ぜむとうどうしゅ)

能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪
(のうじょいっさいく しんじつふこ こせつはんにゃはらみったしゅ)

即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
(そくせつしゅわっ ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい)

菩提薩婆訶 般若心経
(ぼじそわか はんにゃしんぎょう)

解説

般若心経は、お釈迦様の弟子であるシャーリプトラという人物と、観音菩薩との対話という形式になっています。
「舎利子(しゃりし)」とはシャーリプトラのことで、「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)」は観音菩薩のことです。
お経全体を通して、仏教の基本である空の思想について解説がなされています。

まず、観音菩薩は「五蘊(ごうん)」には実体がないと説いています
五蘊には色・受・想・行・識という5つの要素があり、これらは人間の意識のもとになるといわれています。
つまり、人間の肉体や、感じること、思うこと、行うこと、認識することには、すべて実体がないというのです。

そして、観音菩薩はさらにシャーリプトラに語りかけます。
「形あるすべてのものに実体がないのであれば、その反対に、すべてのものはあらゆる形をとることができる」と。
そしてそれは、人間についても同じことが言える、といいます。
実体がなければ、生まれることも、滅びることもありません。汚れることも、清らかであることもなく、増えることも、減ることもないのです。

真実の世界においては、形あるすべてのものや人間のあらゆる感覚もなければ、悩みや苦しみという概念もありません
このような「空」の思想を知る仏は、真理に目覚めて心安らかな存在でありつづけます。
観音菩薩は、ひととおり悟りの境地について説いたあと、最後に真言を伝えます。

般若心経の終盤に唱える「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」は、悟りに至る真言(マントラ)です。
したがって、この部分は解釈することができません。
ただし、中村元・紀野一義による訳注『般若心経・金剛般若経』では、“往ける者よ、往ける者よ、彼岸に往ける者よ、彼岸に全く往ける者よ、さとりよ、幸あれ”という形で翻訳されています。

▼詳しい内容と手配方法▼

まとめ

写経

今回は般若心経の概要や歴史について紹介しながら、その全文を通して大乗仏教において大切な「空」の思想をご紹介しました。
般若心経は、仏教の複数の宗派で唱えられているだけでなく、写経などに用いられることもあります。
非常に短いお経ではありますが、そこに込められている意味は非常に奥深いものであり、多数の解説本も出版されているほどです。
心を静かに落ち着けたいときや、気分の疲れを癒やしたいときは、般若心経を唱えてみてはいかがでしょうか。

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