仏壇にお祀りする具足とは?基本となる三具足や五具足と配置について
- 2022年04月04日
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仏壇にはさまざまな仏具を配置したり、お供えをする必要があります。お葬式をはじめとした冠婚葬祭にはいろいろなマナーや決まりがありますが、習う機会が少ないこともあり、ちゃんと理解している人はあまり多くはないのではないでしょうか。
本記事では仏壇に備える仏具の1つである、具足について解説します。
仏壇にお祀りする具足とは?
日用品ではなくお葬式のときにのみ使用したり、お坊さんが使用する装飾品などを総称して仏具といい、具足とは仏具の中の1つです。具足は一般的に多くが「三具足」から始まり、仏具が増えていくことによって「四具足」「五具足」となっていきます。
具足には武具や甲冑の意味もありますが、本記事では仏壇にお祀りする具足について紹介します。
三具足
具足の中でも基本のセットとなるのが三具足です。お供え用の花を立てる「花瓶」、お香を立てるための「香炉」そしてろうそくを立てるための「蝋燭立」の3つが三具足を構成する仏具となっています。
具足を構成する仏具はほかにもありますが、花瓶、香炉、蝋燭立の3つはどれだけ具足の数が増えてもかならず含まれているため、仏壇に備える仏具の中でも必要不可欠とされているものと考えてよいでしょう。
四具足
具足の数が4つになると「四具足」といいます。花瓶、香炉、蝋燭立に加えて、花瓶がもう1つ追加されます。四具足は、主に浄土真宗で用いられる具足の飾り方となっていて、ほかの宗派ではあまり用いられません。さらに同じ浄土真宗でも宗派によって用いる仏具が異なります。 例えば、本願寺派では花瓶1セットと香炉と蝋燭立が1つずつになっていますが、大谷派の場合は仏飯器が1セットと香炉と蝋燭立が1つずつとなっています。自分の家の宗派で用いる仏具は何か事前に調べておくようにしましょう。
五具足
五具足は簡単に言えば三具足を拡張させたものとなります。五具足で用いるのは花瓶と蝋燭立が1セットずつと、香炉が1つになります。もともと蝋燭立と花瓶は1セットで販売されていることが多いので、それらをすべてお供えした形が五具足であると考えればよいでしょう。見た目にも丁寧になっている印象を与えますが、具足を5つも置くと幅を取るので、小型のお仏壇の場合は五具足を備えることが難しくなります。
六具足や十一具足も販売されている
具足は三具足、四具足、五具足だけではありません。仏具にはたくさんの種類があるため、仏壇や仏具を販売しているお店では、六具足や十一具足といったものも販売されています。ちなみに六具足は三具足に加えて仏飯器とお水を入れる湯飲み、そしてお線香差の6つがセットの一例ですが、セット内容はお店によっても宗派によっても異なります。
具足の配置
具足をそろえても、決まり通りの配置がなされていなければ仏壇の見た目が違和感を感じるものとなります。具足の配置の仕方を学んでおきましょう。
まず基本の三具足ですが、配置する順番が決まっていて仏壇に向かって左側から花瓶、香炉、蝋燭立となります。よく花瓶と蝋燭立の置き場所が逆になっていることがありますが、一番左に花瓶を配置することなっていますので、間違えないように注意しましょう。蝋燭立と花瓶は2つで1セットの場合がほとんどですが、飾るほどのスペースがない場合は残った花瓶と蝋燭立はしまっておいてもかまいません。
花瓶と蝋燭立を2本とも使う五具足の場合の配置ですが、仏壇に向かって中央に香炉を置き、その横に蝋燭立を左右1つずつ配置します。花瓶は2つとも蝋燭立のとなり、配置でいうと一番外側に置くことになります。
仏壇にもいろいろな大きさのものがあります。置けるように仏壇のサイズもさまざまです。具足は基本的には仏壇内の棚に飾ることとなっていますが、半間用の仏壇などの場合、三具足でも配置する広さが確保されていない場合があります。
そんな時は無理に仏壇の中に飾ろうとせず、仏壇の前に棚か机などを置いて、その上に具足など仏具を置いても構いません。しかし机や棚などを置く際には、できればその上に打敷と呼ばれる飾り用の布を敷くようにしてください。
具足を置くときには、もう1つ決まりがあります。具足のうち、香炉や蝋燭立は三本足になっている場合が多いのですが、三本足の仏具を飾る場合、一本足がお参りする人の正面に向くように配置する、と定められています。
また宗派によっては蝋燭立が鶴亀のデザインになっている場合があって、このときも向きが決まっています。鶴亀デザインの蝋燭立を用いる宗派の場合、蝋燭立は鶴のくちばしの開いた方を右側に、閉じた方は左側に置きましょう。
まとめ
具足とは仏具の1種で仏壇にお供えする仏具を指します。基本が三具足となっていて、三具足の内訳は花瓶と香炉、そして蝋燭立です。具足は数が増えていくことに名称が四具足や五具足になり、家によっては六具足や十一具足などを飾るところもあります。具足の配置には決まりがあり、三本足の香炉や蝋燭立は一本足が正面に向くように配置しましょう。
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監修者のコメント
竹内 義彦一般社団法人 終活協議会
葬儀や法事、法要などで具足を使用することがありますが、親の世代からの伝承が絶えているせいもあり、その意味や配置についての理解がされていないことも少なからずあるようです。三具足が基本になりますので「花瓶」と「香炉」、「蝋燭立」の配置は覚えておくといいと思います。