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相続・遺品整理
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形見の品物とは?故人さまの形見を家族で分ける方法や注意点を解説
長い人生において、最愛なる方との別れは避けられないものです。
ご逝去後、遺品整理を行う場合には故人さまの思いが詰まっている品物を、ご家族や親しい友人に贈る形見分けを行う場合があります。
しかし、形見分けの基準や考え方には明確な決まりがありません。間違った方法で行うとご遺族同士でトラブルに発展してしまう可能性があり、注意が必要です。
この記事では、形見の基準や家族で分ける方法、注意点などについて詳しく紹介します。
形見の品物とは、故人さまが生前愛用していたものや思い入れの深い品物です。
例えば、故人さまが愛用していた万年筆や毎日身につけていたネックレス、愛着のある指輪などが形見にあたります。
ご逝去後、形見を見るだけで故人さまを思い出せるような品物が形見といえるでしょう。形見の品物をご家族やご親族、親しい友人同士で分けることを形見分けといいます。
形見と判断する基準は、故人さまの思い入れがある品物に該当しているかどうかです。
形見を見たときに、故人さまを思い出す品物、大切にしていた光景が浮かぶものは形見として判断できます。
ここでは、形見と遺品の違いや判断基準について解説します。
形見は故人さまの思いが詰まった品物で、遺品は所有していたものを意味します。形見と遺品の参考例は以下の通りです。
形見 | 遺品 |
---|---|
愛用していた万年筆 普段から身につけていたアクセサリー |
テレビや冷蔵庫などの家電 部屋にあった家具 衣類や靴、鞄 写真や手紙 |
故人さまが所有していたものはすべて遺品として該当され、そのなかでも思い出の詰まった品物が形見となります。
ただし、金銭的に価値の高いものは遺品ではなく遺産に該当します。例えば、宝石や不動産、車や絵画などが挙げられます。
遺品整理の際は、形見と遺品の違いを理解したうえで分別することが重要です。
形見として判断する基準は、品物を通じて故人さまとの思い出や姿を感じられるかどうかです。故人さまを思い出せる物であれば、形見として判断してよいでしょう。
ただし、形見と判断する基準はご家族やご親族の価値観でも変化します。例えば、故人さまの思い入れがある品物でも、壊れていたり、好みではない品物は形見にはなりません。
形見分けを行う際に大切なのは、故人さまの存在をいつまでも忘れない気持ちです。ご家族で話し合い、故人さまとの思い出がある品物であれば、形見と判断してよいでしょう。
一般的に形見分けは、遺品整理の後に行います。ここで重要になるのが、形見分けと遺品整理は別物だということです。
遺品整理は故人さまの所有しているものを片付ける意味で、形見分けはご家族や親しい友人に故人さまとの思い出が詰まった品物を分け与える行為です。
ここでは、形見分けの方法やタイミングについて詳しく解説します。
形見分けでは、まず遺品整理をして形見になるものと処分するものを分けます。
遺品整理は故人さまの所有物から不要物を処分したり、生活場所の整理が目的です。一方、形見分けは故人さまとの思い出が詰まった品物を、ご家族やご親族、友人と分ける行為です。
そのため、遺品と形見の分別や贈る相手をしっかりと決める必要があります。
ご家族で話し合いながら、遺品整理で形見となる品物と不要な所有物を分け、贈る相手を考えましょう。
形見分けの適切なタイミングは、宗教によって異なります。宗教ごとの適切なタイミングは以下の通りです。
仏教 | 四十九日後の忌明け |
---|---|
神道 | 50日経過後の忌明け |
キリスト教 | 30日目のミサや召天記念日のあと |
仏教では、四十九日の後に行うのが一般的です。
四十九日は、この日を以て故人さまが仏様のもとへ向かわれる法要となり、忌明けとも呼ばれています。
お見送りすると同時に、故人さまをいつでも思い出せるように形見分けをいただくのが一般的です。一方、神道ではお亡くなりになられてから50日経過後の忌明けに形見分けを行います。
また、キリスト教には形見分けの文化はありませんが、日本ではお亡くなりになった30日目のミサや召天記念日の後に行うのが一般的です。
故人さまの思い出が詰まっている品物が形見分けとして適切です。品物を見たときに故人さまとの思い出を感じられるものを、形見として分けるのがよいでしょう。
代表的な形見分けとなる品物は以下の通りです。
例えば、故人さまが普段身につけていた時計やネックレスは、思い入れの強い形見となるでしょう。他にも故人さまが日常的に使用していたアクセサリーや文房具も形見分けの品物として適しています。
車やバイク、貴金属は資産価値の関係で遺産として扱われるケースがあるため注意が必要です。
しかし、故人さまとの思い入れが強い品物であれば、ご家族やご親族と話し合い、形見の品物としていただくのも供養となります。
具体的な形見分けの進め方やマナーについては、下記記事をご覧ください。
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ここでは、形見として適していないものを紹介します。後のトラブルを回避するためにも、贈る形見の品物には注意してください。
故人さまの愛犬や愛猫などのペットは、形見として適していません。
受け取った場合は飼育の責任が発生するため、事前に形見分けを約束している場合以外は避けておきましょう。
しかし、ペットには命があります。大切な命を形見として扱わず、ご遺族で話し合って引き取り先を決めてください。
飼育環境を整えられる場合は、ペットとの関係性があったご遺族が引き取り、共に暮らす形がペットにとっても最大の幸せです。
貴金属や株券などの金銭的価値が高いものは、遺産に分類されます。形見分けではなく遺産分割と判断された場合、相続税や贈与税が発生するため、形見分けの品物として適していません。
高価な品物は、受け取った方に相続税や贈与税が課せられてしまい、負担となる場合があるため注意が必要です。
また、金銭的価値の高い品物はご家族やご親族の間でトラブルの原因になる可能性があるため、現金に変えてから財産分与するのが一般的です。
価値が不明な品物であれば、事前に鑑定に出して価値を確認しておくとよいでしょう。
ただし、高価な品物でもご家族やご親族との話し合いで同意を得た場合は、形見分けの対象とするケースもあります。
食料品は形が残らず期限があるため、形見には適していません。
形見は、見るたびに故人さまを思い出せる品物になるため、将来的に形が残らない食料品は該当しないのが一般的です。
形見分けに適した人は、ご家族やご親族、故人さまと特に親しかった友人や知人です。
故人さまの遺言書やエンディングノートに贈る方が記載されていれば、内容を尊重して当人に相談してみましょう。
しかし、形見分けは本来、親から子、上司から部下へ贈るのがマナーです。
故人さまの意思があれば、「ご無礼とは存じますが、差し支えなければ」と一言添えておけば問題ないでしょう。
形見分けによるトラブルは、故人さまの供養にはなりません。不要なトラブルを避けるためにも、よくあるトラブルを把握しておきましょう。
ここでは、形見分けでよくあるトラブルについて解説します。
形見分けでトラブルに発展しやすいケースは、生前の故人さまとの口約束です。
遺言書に同様の内容が書かれていれば問題ありませんが、口約束はご家族やご親族の間でトラブルに発展するケースがあります。
原則、故人さまの所有物はすべてのご親族に相続権があるため、相続権のある方の同意を得ず勝手にご親族以外に渡してはいけません。
そのため、遺言書に同様の内容が書かれていなければ、ご家族やご親族同士でしっかり話し合うことが大切です。
形見分けがトラブルになる原因は、ご遺族同士の人間関係や距離感が関係します。
例えば、お亡くなりになられた直後に故人さまの兄弟が見つかったり、普段は関わりの少ないご親族がお葬式を取り仕切るような状況です。
トラブルを避けるためにも、生前に遺言書やエンデイングノートを作成してもらい、ご逝去されたあとにご遺族同士で揉めないようにする対策も大切です。
遺言書の有無や内容によっては、トラブルに発展する場合があります。
遺言書があれば、内容に従って故人さまの意思を尊重した形見分けが一般的です。形見分けをいただく方の年齢が幼い場合は、親が代理で受け取ります。
一方で遺言書がなければ、故人さまのご家族の判断が優先されます。金銭的価値が高い品物はトラブルの原因になるため、遺産として財産分与の対象にするとよいでしょう。
形見分けの目的は、故人さまの存在を忘れないためです。故人さまと過ごした思い出や感謝の気持ちを心にしまい、形見を見て故人さまを思い出すことが供養となります。
ここでは、形見分けの注意点と解決方法について解説します。
遺言書やエンディングノートが用意されている場合は、故人さまの気持ちを尊重してください。
しかし、遺言書は記載された内容どおりに形見分けをしなければいけませんが、エンディングノートには法的な縛りはありません。
それでも、生前に形見分けについてエンディングノートに記載があれば、形見として残してほしい品物、贈りたい相手がいると判断できます。
ご遺族同士のトラブルを避けるためにも、故人さまの意思を尊重しながら形見分けを行いましょう。
故人さまの所有物を分ける際は、相続税や贈与税を考慮する必要があります。
例え故人さまの思い入れのある品物でも、市場価値があると判断されると受け取った方に贈与税が課税されます。
高価なものは形見分けをせず、遺産分割(遺産分け)の対象とするのが一般的です。
しかし、ご親族同士のトラブルに発展するケースもあるため、遺産相続に関する配分は慎重に行わなければいけません。
相続税や贈与税、遺産分割(遺産分け)については、下記記事をご覧ください。
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形見分けの品物は、贈る前にキレイにしておくのがマナーです。故人さまの友人や知人に贈る場合は、事前に手入れをしておきましょう。
例えば、時計であれば故障していないか、万年筆であればインクが切れていないか、衣服であればあらかじめクリーニングに出すなどの配慮が必要です。
また、形見分けの品物を贈る際は、そのまま渡さずに白い半紙に包んで渡すのが一般的です。
形見分けの際は贈る順番に注意してください。
形見分けは、目上の人から贈るのがマナーです。ご家族やご親族同士の同意を得ずに若い人から形見分けをしてしまうと、マナー違反となります。
遺言書やエンディングノートで贈る相手の指定がなければ、目上の人から形見分けを贈りましょう。
故人さまの所有物で不要なものは、買取業者を利用して処分するのが一般的です。
ご家族やご親族が引き取れない品物に関しては、買取業者を利用して売却するか、有償で処分を依頼しましょう。
しかし、もしも欲しい方がいれば事前に相談して譲渡する方法もあります。
形見とは、故人さまが生前に愛用していた思い出が詰まった品物です。
普段から身につけていた時計やアクセサリー、日常的に使用していた万年筆、趣味で集めていた品物などが該当します。
形見分けではご家族やご親族、故人さまと親交のあった友人や知人が形見を受け取ります。故人さまの愛用していた品物を見て、生前の姿を思い出すことが供養にもつながるでしょう。
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