【宗派別早見表】お葬式での数珠の持ち方・使い方・選び方を解説

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お葬式での数珠の持ち方は宗教や宗派によって変わるため、具体的にどのように持てば良いのかわからない人もいるのではないでしょうか。

この記事では、そもそも数珠とは、お葬式での数珠の持ち方、宗教・宗派別の持ち方、男性・女性別の持ち方、使い方、選び方、よくある質問について詳しく解説します。

数珠の持ち方について知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

そもそも数珠とは?

そもそも数珠とは?

数珠とは、お葬式など仏教の儀式で使用される仏具のことです。ここでは、数珠について詳しく解説します。

お葬式の数珠の意味

お葬式の数珠の意味としては、主に以下のようなものがあります。

  • 故人さまへ供養や敬意を示すため
  • 故人さまの成仏や冥福を祈るため

数珠には故人さまへの供養や敬意を示す意味の他、成仏や冥福を祈る意味があり、お葬式では欠かせないものの一つです。

数珠には魔除けや厄除け、煩悩を払うなどの意味が含まれており、参列者の心の平穏を保つ役割もあるとされています。

お葬式の数珠の種類

お葬式の数珠の種類は、主に本式数珠(二重)と略式数珠(一重)があります。それぞれの違いや特徴は以下の通りです。

本式数珠(二重)

本式数珠(二重)は、宗教や宗派ごとに決められた形状と素材で作られた正式な数珠です。

108個の珠が連なっており、宗教や宗派によって形状や素材が異なり、浄土宗や真言宗、曹洞宗など、それぞれで異なる特色が反映されています。

故人さまの宗教や宗派を重んじる人は、本式数珠(二重)をご使用ください。

略式数珠(一重)

略式数珠(一重)は、本式数珠を簡略化したもので宗教や宗派を問わず使用できる数珠です。

別名で「片手数珠」とも呼ばれており、自身の好みに合わせて選べる他、コンパクトなサイズで持ち運びしやすいのが特徴となっています。

故人さまの宗教や宗派を気にしない人は、略式数珠(一重)を使用しましょう。

男性用と女性用の違い

お葬式で使用する数珠は、男性用と女性用のもので違います。具体的な違いは以下の通りです。

  • 珠の色
  • 珠のサイズ
  • 房の色

男性用の数珠は珠の色が暗めでシックな色合いなのに対して、女性用の数珠は明るく華やかな色合いのものが主流となります。

また、男性用の数珠は珠のサイズが10〜12mm前後なのに対して、女性用の数珠は6〜8mm前後のものが主流です。

その他、房の色も男性用のものは寒色系なのに対して、女性用のものは暖色系となるなど、男性と女性で使用する数珠が異なります

例外として、子ども用のものもあるため、ご家族やご親族と参列する場合は性別だけでなく年齢などでも使い分けるようにすると良いでしょう。

お葬式での数珠の持ち方

お葬式での数珠の持ち方

数珠は、お通夜・葬儀・告別式・ご火葬すべてに持参すべきです。ここでは、お葬式での数珠の持ち方について詳しく解説します。

お通夜

お通夜では、本式数珠(二重)もしくは略式数珠(一重)を持参します。座っている間は数珠を左手に持ち、房が下に来るように輪を持つのがマナーです。

焼香の際に左手に数珠をかけて右手で焼香して合掌しなくてはいけないため、一連の動作については予行演習しておくと良いでしょう。

葬儀・告別式

葬儀・告別式にも、本式数珠(二重)もしくは略式数珠(一重)を持参します。お通夜と同じように、数珠は左手で持ち、房が下に来るように輪を持ちます。

お坊さんの読経が行われるまでに取り出しておき、焼香が必要となったらお通夜と同様に左手に数珠をかけて右手で焼香して合掌するのがマナーです。

移動する際も常に数珠を左手で持ち、房が下に来るようにしてください。

ご火葬

ご火葬にも、本式数珠(二重)もしくは略式数珠(一重)を持参します。葬儀・告別式と同じように、数珠は左手で持ち、房が下に来るように輪を持ちます。

喪主やご遺族など、ご収骨を行う人は数珠をカバンやポケットに入れます。2人1組になり、素材の異なる箸を使用して骨を拾うのがマナーです。

ご遺骨を落としてしまった場合は、火葬場の指示に従ってやり直しましょう。

以下の記事ではお通夜・葬儀・告別式・ご火葬での持ち物について詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。


宗教・宗派別の数珠の持ち方

宗教・宗派別の数珠の持ち方

数珠は宗教・宗派によって持ち方が変わるため、それぞれの違いを知っておくと安心です。ここでは、宗教・宗派別の数珠の持ち方について詳しく解説します。

浄土宗

浄土宗では、副玉が入っていない方の輪を左手の親指と人差し指の間にかけ、副玉が入っている方の輪を左手の人差し指と中指に挟み、そのまま握って念仏を唱えます。

副玉の入っていない方の玉を、念仏の度に親指で手前に手繰るのが特徴です。

数珠の持ち方としては両手の親指に2つの輪を揃えてかけ、房を手前(自分の体側)に垂らし、親指を揃えた数珠を押さえるようにすると良いでしょう。

浄土真宗

浄土真宗では、本願寺派(西本願寺)と真宗大谷派(東本願寺)で持ち方が変わるため、注意が必要です。

▼本願寺派(西本願寺)の場合

  • 房を下に垂らすように2連に巻いてそのまま両手を合わせる
  • 数珠を持つ際は房を下に垂らし、左手で持つ

▼真宗大谷派(東本願寺)の場合

  • 両方の親玉が上に来るように2重に巻いて両手にかけ、左手の側に房を垂らす

どちらも合掌の際は数珠を両手にかけ、親指で軽く上から押さえ、指の間を閉じます。合掌した手は胸の前、指は斜め45度上に来るように構えます。

真言宗

真言宗では、着席時もしくは持ち歩く際は左手で親玉を上にし、二重にしてかけ、房を握るようにして持つのがマナーです。

合掌の際は両方の中指に数珠をかけ、そのまま手を合わせて合掌します。その際、房を手のひらの内側に入れ、房を包むようにしてください。

そして、合掌した手を擦り合わせ、音を立てるのがマナーです。

これには「108」の煩悩を擦り砕くという意味があり、仏教の重職を務めた高僧、鳥羽僧正(覚猷)が修法の終わりを知らせるために行ったとされています。

創価学会

創価学会では、数珠が長いものは半分に折り、三つ房が右側、二つ房が左側に来るように手にかけて合掌します。数珠が短いものは、そのまま手にかけて合掌するのがマナーです。

曹洞宗

曹洞宗は、右手を添えて房を下に垂らすようにして、輪を二重にして親玉が左手の人差し指の上になるようにかけ、両手を合わせて合掌します。

座禅を重んじている曹洞宗では、上記以外に数珠に関しての規定や作法は存在しません。

天台宗

天台宗では、房を下に垂らして両手の人差し指と中指の間に数珠を掛けて手を合わせます。

移動する際や離席する際は、二重にして左手に持つのがマナーです。その際、房は小指側に寄せておくのがマナーとなります。

合掌の際は輪を張った状態で両手の人差し指と中指の間に数珠を挟み、そのまま手を合わせるのがマナーです。

日蓮宗

日蓮宗では、輪を8の字にねじり、2本の房が出ている方を右手の中指、3本の房が出ている方を左手の中指にかけ、房を手の甲側に垂らして手を合わせます。

合掌で念を込める際は両手に掛けることもあり、移動や離席など、手に持って動き回る際は二重にして左手に持つのがマナーです。

臨済宗

臨済宗では、輪を二重にして左手にかけ、右手を添えるように合わせて房を下に垂らし、両手を合わせて合掌します。

曹洞宗と同じく、座禅を重んじている禅宗のため、上記以外に数珠に関する規定や作法はありません。

男性・女性の数珠の持ち方

男性・女性の数珠の持ち方

お葬式で使用する数珠は、男性と女性で持ち方が変わることはほとんどありません。

使用する数珠に関しては男性用のものと女性用のもので変わることがありますが、持ち方に関してはどちらも房が下に来るように左手で持つのがマナーです。

使用しない間はカバンやポケットに入れ、合掌や焼香などで必要となった場合は左手の親指と人差し指の間にかけて、両手を合わせるようにして行います。

お葬式での数珠の使い方

お葬式での数珠の使い方

お葬式では、数珠の持ち方だけでなく使い方も知っておくと安心です。ここでは、お葬式での数珠の使い方について詳しく解説します。

焼香

焼香の際は、数珠を左手に持ち、焼香台に向かう際は房を下にしておきます。焼香台の前まで来たら喪主・ご遺族に一礼し、焼香台で遺影にも一礼をするのがマナーです。

焼香中は数珠を左手にかけておき、右手で抹香をつまみ香炉に納めます。焼香が終わったら数珠を両手にかけて合掌し、お坊さんや参列者に一礼して席に戻るのがマナーです。

読経

読経の最中は、左手に数珠の輪を通して親指で押さえて膝の上に置きます。

輪の中に左手の4本の指を通し、数珠を親指で押さえて持ち、合わせた手を膝の上に置くようにすると自然です。

合掌の際は、片手または両手の4本の指を通して、数珠を親指で押さえて持ち、房を下に垂らすようにして行うのが良いでしょう。

お葬式での数珠の選び方

お葬式での数珠の選び方

お葬式では、数珠の持ち方だけでなく選び方も知っておくと安心です。ここでは、お葬式での数珠の選び方について詳しく解説します。

男性の場合

男性が数珠を選ぶ際は、主玉のサイズが10〜12mmのものをお選びください。

珠の色は暗めでシックなものを選ぶと、一般的なお葬式に対応できます。なお、房の色は寒色系でまとめるのが望ましいです。

女性の場合

女性が数珠を選ぶ際は、主玉のサイズが6〜8mmのものを選びましょう。

珠の色は明るめで華やかなものを選ぶと、どのようなお葬式にも対応できます。なお、房の色は暖色系でまとめるのが望ましいです。

子どもの場合

子どもがお葬式に参列する場合は、子ども用の数珠であれば問題ありません。

具体的に何歳から持つべきという決まりはありませんが、目安として4〜5歳ほどになったら子ども用の数珠を一つ購入しておくと安心です。

最近では子どもの手にフィットするように作られている小さな珠の数珠があるため、大きさを見ながら判断しましょう。

数珠に関するよくある質問

数珠に関するよくある質問

ここでは、数珠に関するよくある質問について詳しく解説します。

  • 色・形状・素材に基準はある?
  • 数珠は、色・形状・素材について具体的な基準があるわけではありませんが、男性や女性などの性別をはじめ、宗教や宗派などに合わせて選ぶと良いです。

    例えば、色で見ると男性はオニキス・黒檀・虎目石、女性には紅水晶(ローズクォーツ)・紫水晶(アメジスト)・真珠などが良いとされています。

    形状は宗教や宗派によって変わり、素材も石製なのか木製なのかによって変わるため、お葬式に合わせていくつかの数珠を持っておくと安心です。

  • 片手で持つ?両手で持つ?
  • お葬式の数珠は、状況によって片手で持つ場合と両手で持つ場合があります。

    • 片手で持つ場合:左手の親指と人差し指の間に輪を通し、合掌の際に両手にかける
    • 両手で持つ場合:両手の親指と人差し指の間に輪を通し、合掌の際に両手にかける

    片手で持つ場合も両手で持つ場合も、基本的には同じです。

    しかし、宗教や宗派によって持ち方が変わることがあるため、参列するお葬式に合わせて調べておくか、葬儀社もしくは年長者に聞いておくと良いでしょう。

  • 何歳になったら持つべき?
  • 何歳になったら持つべきという決まりはありません。

    社会人になってから本人用のものを購入する人が多いですが、お葬式に参列することになって初めて購入する人も少なくありません。

    大人になると両親や祖父母、その他の人のお葬式に参列する機会が度々出てくるため、成人したら持つという考えでも良いでしょう。

  • 左手に持つ?右手に持つ?
  • お葬式の数珠は、左手で持つのが一般的です。

    仏教の世界では左手が仏さまの世界を表すとされており、両手で持つことによって仏さまが現世の不浄や煩悩を消し去ってくれると考えられています。

    そのため、仏式のお葬式に参列する場合は左手に持つと覚えておきましょう。

  • 別の宗教や宗派のものでもいい?
  • お葬式に参列する場合、別の宗教や宗派の数珠でも問題ありません

    その場合、本式数珠(二重)は各宗教や宗派の色が濃く出てしまうことがあるため、略式数珠(一重)で参列するのが良いでしょう。

    最近では、両親や祖父母など血縁関係にある人のお葬式に参列する場合は本式、職場など関係がやや薄い人のお葬式に参列する場合は略式と使い分ける人もいらっしゃいます。

  • 忘れたらどうする?
  • 数珠をお葬式に忘れてしまった場合は、数珠なしで参列しても問題ありません。

    数珠は他の人と貸し借りするのがタブーとされているため、他の人と貸し借りするよりは何も持たずに参列した方が良いです。

    最近では仏具店の他にコンビニやスーパー、100円均一ショップやホームセンターなどで販売されていることもあるため、葬儀場周辺の情報を確認しておきましょう。

まとめ

数珠の持ち方は宗教や宗派によって変わりますが、男女共に共通して左手に持ち、合掌の際に手を合わせて指を通すのがマナーです。

数珠に関してはお葬式でしか使用しないため、持ち方だけでなく使い方や選び方について知らない人もいるでしょう。

ただし、大人になると度々お葬式に参列する機会が出てくるため、数珠のマナーについては一通り知っておくと安心です。

よりそうお葬式では、一般葬の他、身内だけで執り行える家族葬やご火葬のみを行う火葬式(直葬)にも対応しています。

お葬式はアレンジ可能でご予算やご要望に合わせて対応できるため、気になる方はぜひよりそうお葬式にご用命いただけると幸いです。

当社で対応可能なお葬式の具体的なプランについては、公式ホームページをご覧ください。

監修者のコメント

数珠は葬儀や法要だけではなく、寺院でのお祝い行事や観光の際にも使用できます。略式の数珠をひとつ持っていると良いでしょう。
素材や色、房などお好みでかまいません。
数珠は法具であるため、赤いサンゴやメノウなど、色味があっても大丈夫です。

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記事の制作・編集

よりそうお葬式 コラム編集部

よりそうは、お葬式やお坊さんのお手配、仏壇・仏具の販売など、お客さまの理想の旅立ちをサポートする会社です。

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