お墓参りでの線香のマナー

お墓参りでの線香のマナー
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お墓参りの必需品である「線香」ですが、仏壇で使うときと違い、お墓が外にあることや大勢の人が訪れるため、知っておいた方が良いマナーがあります。 また、単純に線香に火をつけてお供えするだけでは寂しいものがあります。実は、線香をお供えするのには、きちんと意味があります。

当たり前のようの火を灯しているお線香ですが、作法を意識した時に、意外に知らないことが多かったりします。 こちらでは、お墓参りの時の線香の意味をはじめ、マナーや線香のあげ方について説明していきます。

この記事の監修者

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

お線香

お墓参りの必需品である「線香」ですが、仏壇で使うときと違い、お墓が外にあることや大勢の人が訪れるため、知っておいた方が良いマナーがあります。
また、単純に線香に火をつけてお供えするだけでは寂しいものがあります。実は、線香をお供えするのには、きちんと意味があります。

当たり前のようの火を灯しているお線香ですが、作法を意識した時に、意外に知らないことが多かったりします。
こちらでは、お墓参りの時の線香の意味をはじめ、マナーや線香のあげ方について説明していきます。

お墓参りで線香をあげる意味

実は、お墓参りでお線香をあげることは、仏教的な意味合いだけではありません。
昔の人たちの知恵も含まれており、とても意味があることです。
では、どのような意味が込められているのか、説明していきましょう。

まず一つ目として、私たちが来たということをご先祖さまや故人にお知らせするために、お線香を手向けます。
人のお宅を訪問する時、まず、玄関のチャイムを鳴らしますよね?
このチャイムを鳴らすという行為が、お墓の場合は、お線香を手向けることになります。

二つ目としては、お線香の香りがご先祖様や仏様に食事を捧げるという意味を持っていることです。
言い換えると、良い香りを食べて頂き、ご先祖様や仏様に喜んで頂くことになります。

そして三つ目として、お線香の香りは、場所や人を清めて、浄化してくれるものとされています。
お墓参りでお線香を手向けるということは、お墓だけではなく、お墓参りをする人も浄化してくれるのです。
そのため、清められた状態でお参りをすることができます。

更に、埋葬のスタイルが土葬だった頃には、お墓でお線香を焚くことで、お線香の香りが死臭を消してくれる効果もあったそうです。これは、昔の人の知恵ですね。

お線香がまだ無かった時代には、お香や香木をお墓に手向けていました。このことからも、「香り」がお墓参りでは、とても重要な意味を持っていることがわかります。
ちなみに、お香や香木からお線香に変わっていったのは、簡単に使える細い棒状であるお線香が開発され、普及したことによります。

ここがポイント

説明

【お線香を供える意味】

自分たちがきたことを知らせる

お線香の香りは仏様のお食事 お線香の香りで場所・自分を浄化

お墓参りでの線香のマナー

一般的に、お墓参りでは一束単位で持っていきます。
これは、そのまま束の状態で墓前にお供えする場合もありますが、一緒にお墓参りに行った方々に分けるためでもあります。

お墓参りでのお線香の供え方は、宗派や地域によって様々です。
束をそのまま横にして備える場合もありますし、束をばらして、決められた本数のみをお供えする場合もあります。
また、お線香を置く香炉の広さによっては、一束ではなく、半束をお供えする場合もあります。

初めてお墓参りに行く場合は、家族や周囲の方に、その宗派や地域の作法を聞いておくと良いでしょう。

線香をあげる本数

こちらでは、一人ずつ、必要な本数をお供えする場合の宗派毎の本数と作法についてご紹介します。お供えする時には、本数だけでなく、置き方にも作法がありますので、注意が必要です。

  • 臨済宗:1本を香炉の真ん中に立てます
  • 日蓮宗:1本を香炉の真ん中に立てます
  • 曹洞宗:1〜3本を香炉の真ん中に立てます
  • 浄土宗:1〜3本を香炉の真ん中に立てます
  • 日蓮正宗:1〜3本を横に寝かせます
  • 浄土真宗:1本を2〜3本に折り、横に寝かせます。お線香をおるのは、香炉のサイズに合わせるためとなりますので2もしくは3本どちらでも大丈夫です。しかし、4本以上に折ることはありませんので、注意が必要です。
  • 天台宗:3本を香炉の中で、香炉の手前に1本、奥に2本、自分から見て逆三角形になるように立てます
  • 真言宗:3本を香炉の中で、香炉の手前に1本、奥に2本、自分から見て逆三角形になるように立てます
ここがポイント

【お線香の供え方】お線香の供え方と本数は、宗派によって違います。

線香の向き

お線香を横にするときは、自分から見て火が付いている方が左に来るようにしましょう。
お線香を横にすることを「寝線香」と言います。

もし、既に火が付いているお線香がお供えされている時の向きは、既にお供えされているお線香の向きに合わせてお供えするのがマナーとなりますので、臨機応変に対応されると良いでしょう。

ここがポイント

【お線香の向き】お線香は、自分から見て火がついている方が左にくるようにお供えしましょう。

線香の付け方

お線香の正式な付け方の流れは以下となります。

① ロウソクに火を灯します
② ロウソクからお線香に火を移します
    燭台が両脇にある場合は、必ず右側のロウソクから火を移します。
③ 火を移したお線香を、故人に近しい人から分けます

しかし、お墓は仏壇と違い屋外にあることが多いため、天候や風の状況によっては、ロウソクに火を灯すことが難しい場合があります。
その場合、お線香に火を灯さずお供えをしても良いとされていますが、お線香を焚く意味から、焚くことはとても大切なことになります。できる限り、火を灯すことをお勧めします。

では、ライターから直接火を灯しても良いのでしょうか。
正式にはライターから直接火を灯すことはタブーとされていますが、屋外の場合は、基本的に使用しても問題ありません。
しかし、一般的なライターではマナー違反が気になるという方もいらっしゃるかと思います。
その場合は、束になっているお線香に一気に火を灯すことができるようになっている、屋外専用のお線香用着火器を使用されることをお勧めします。

なお、風が強い日に、一般的なライターで束のお線香に火を灯すのは難しく、なかなか火が灯らないことがあります。
その場合は、束になっているお線香を扇子状に広げることで、火を灯しやすくなります。

ここがポイント

【お線香に火を灯すお勧めの順番】①ロウソクから火を移す
②専用の着火器で火を灯す
③ライターやマッチで火を灯す

線香の消し方

お線香は、仏様にお供えするものとなります。
そのお線香を、悪行を積み、汚れているとされている人間の口から吐いた息で吹き消すことは無作法となります。

正式な消し方は、お線香を上下に揺らして消すもしくは手の平で仰ぐ、専用の線香消しで消すのいずれかの方法となります。
専用の火消しは、仏具店やホームセンターで簡単に購入することができます。

ここがポイント

【火を消す時のタブー】口から吐いた息で消すことは無作法

束で置いても良いの?

宗派によって線香の本数が決まっている場合がありますが、無宗教の場合などは束で置いても問題ありません。
束で置く場合は、線香を束ねるために巻いてある紙は必ず取りましょう。
これは、お参りの後、火がついたままの線香を放置した場合、紙に火が移り、紙が燃えかすとなってお墓を汚してしまったり、周辺の燃えやすい葉っぱなどに火が移り、火事になったりしてしまうことがあるためです。

お墓参りでの線香での注意点

お墓

お線香は火を使っているため、火の取り扱いに関しては、十分に気をつける必要があります。

墓地や霊園によっては、墓石の汚れを防ぐ、火事の発生を防ぐなどの理由から、お墓参りをした後のお線香は持ち帰るもしくは処分するように決められているところがあります。
お線香を持ち帰る場合は、水を張ったバケツで火を完全に消してから持ち帰りましょう。見かけ上、消えているように見えても、完全に消えていないこともあります。

なお、お線香を持ち帰るように決められている墓地や霊園では、お花やお供え物も全て持ち帰るように決められている場合が多くあります。
これは、綺麗な状態のまま保つためとなります。
お供え物の取り扱いについては、事前に確認をしておくと良いでしょう。

まとめ

お墓参りでの線香のあげ方について説明してきましたが、いかがでしたか。
以前は、お墓参りも頻繁におこなわれており、祖父母や両親に連れられて行くことで、自然に覚えていたことになります。
しかし、昨今、お墓参りを日常的に行うことが少なくなってしまったため、覚える機会が少なくなってしまいました。

こちらでご紹介したお線香のマナーは一般的なものとなりますが、マナー違反は、自分が恥ずかしい思いをするだけでなく、周りの方を不愉快な気分にさせることもあります。
正しい方法でお供えすることは、気も引き締まります。ぜひ、マナーを守って、心を込めて、気持ちよくお参りをしましょう。

監修者のコメント

お墓にある香炉は仏壇と違って、安全性や合理性から横に寝かせるタイプが一般的です。石の上に直接置くように設計されているものもありますが、扱いやすさから「香皿」を置くケースが多くなっています。灰などを準備する必要がなく線香に火を焚いて香皿の上に置いてお参りします。

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記事の制作・編集

よりそうお葬式 コラム編集部

よりそうは、お葬式やお坊さんのお手配、仏壇・仏具の販売など、お客さまの理想の旅立ちをサポートする会社です。

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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。

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