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家族葬でも献杯の挨拶は必要?流れ・タイミング・例文・注意点を解説

家族葬でも献杯の挨拶は必要?流れ・タイミング・例文・注意点を解説
  • 2024年08月09日

献杯の挨拶は任意であるため、家族葬で必ずやらなければならないわけではありません。しかし、通夜振る舞いや精進落としの際は、献杯の挨拶を行うのが一般的です。

この記事では、家族葬でも献杯の挨拶は必要か、献杯の挨拶を行う人、流れ、タイミング、例文、注意点について詳しく解説します。

献杯の挨拶について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

家族葬でも献杯の挨拶は必要?

家族葬でも献杯の挨拶は必要?

家族葬で献杯の挨拶が必要かどうかは、厳密に定義されているわけではありません。マナーという観点で見ると行うべきで、原則必要とは考えましょう。

ここでは、家族葬における献杯の挨拶について詳しく解説します。

そもそも献杯とは

献杯とは、お葬式で故人さまに対して敬意を表し杯を捧げることを意味します。

お葬式全体の挨拶は喪主が行いますが、献杯の挨拶は喪主以外のご親族もしくは参列者が行うのが一般的です。

特に献杯は通夜振る舞いや精進落としなど、会食の際に行われるのが一般的で、挨拶をしてから食事をします。

ご家族一同が集まる改まった席はもちろん、故人さまを偲んで友人同士で集まる席でも、献杯の挨拶を行ってから食事を始めるのがマナーです。

ただし、献杯と乾杯は別物となるため、注意が必要となります。

乾杯との違い

献杯はお悔やみ事、乾杯はお祝い事で行うのが通例です。

基本的に献杯は「相手に杯を差す」を意味し、お酒を注いで勧めることを指しますが、乾杯は「相手と杯を空にする」との意味があり、お酒を飲み干すことを指します。

献杯はお葬式で故人さまに向けて敬意を表する意味合いが強く、乾杯はパーティーなどで気分を盛り上げる意味合いが強いです。

どちらもお酒を酌み交わすことを指しますが、使用する場面が違います。お葬式では乾杯とはいわず献杯というため、間違わないよう注意しましょう。

原則は挨拶が必要

献杯の挨拶は具体的に定義されているわけではありませんが、原則は必要です。

お葬式で通夜振る舞いや精進落としが行われる際は、喪主の挨拶に続いて他のご親族や参列者が挨拶を行います。

喪主・ご親族・参列者含め挨拶を待たずに飲み食いするのはマナー違反となるため、必ず挨拶を済ませてから会食するようにしてください。

献杯の挨拶を行う人

献杯の挨拶を行う人

献杯の挨拶を行う人は、具体的に明確な基準で決められているわけではありません。ただし、お葬式全体の挨拶は喪主が行い、献杯の挨拶は喪主以外が行うのが通例です。

ここでは、献杯の挨拶を行う人について詳しく解説します。

誰が行うかの明確な基準はない

献杯の挨拶は、誰が行うかの明確な基準はありません。お住まいの地域のしきたりや古くからのならわし、家庭環境や各自の都合によっても違います。

家族葬の場合、参列者の規模によっては献杯の挨拶を省略する家庭もあれば、一般葬と同じく献杯の挨拶をする家庭もあるなど、厳密な決まりはありません。

しかし、通常は喪主から依頼された人が献杯の挨拶を担当するのが一般的です。

葬儀全体の挨拶は喪主が行う

お葬式全体の挨拶は、基本的に喪主が行います。

しかし、喪主が献杯の挨拶をすることはあまりありません。通常は、ご親族や参列者のなかから適任者を選び、献杯の挨拶をしてもらうのが一般的です

献杯の挨拶は喪主以外が行う

献杯の挨拶は、原則喪主以外の人が行います。

喪主に任命された人が献杯の挨拶を行い、ちょっとした思い出話などを行ってから会食に入るのがマナーです。ただし、会話は食事をしながら行うため、長話は避けなければなりません。

頼める人がいない場合

家族葬のように参列者が限られる場合、献杯の挨拶を頼める人がいない場合もあるかもしれません。頼めそうな人がいない場合は、喪主が会食の挨拶から献杯まで行います。

お葬式全体の挨拶を済ませたまま、献杯の挨拶を行えばスムーズです。具体的には、以下のように挨拶すれば問題ありません。

本日はお忙しいところ、葬儀にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

亡き父(母)もきっと喜んでくれていることでしょう。みなさまのお気遣いにも感謝申し上げます。

ささやかではございますが、父(母)が生前愛飲していたお酒をご用意させていただきましたので、お食事とともに堪能していただきながら追悼したく存じます。

それでは、献杯いたしますので、みなさま手元のグラスをお持ちください。献杯。

以上の挨拶はあくまで一例であるため、文面は自由に変えて問題ありません。頼める人がいない場合は、あらかじめお葬式の挨拶と一緒に考えておくと良いでしょう。

献杯の挨拶の流れ

献杯の挨拶の流れ

献杯の挨拶の流れは、以下の通りです。

  1. 葬儀社のスタッフの案内に従って会食の席へ移動する
  2. 参列者全員が席に着席する
  3. 参列者全員に杯が渡される
  4. 喪主が葬儀全体に関して挨拶を行う
  5. 喪主から指名された人が献杯の挨拶を行う
  6. 献杯の声に合わせて各自が杯を持ち上げる
  7. 献杯の唱和を行って口をつける
  8. 献杯が終わったら食事を始める

まずは葬儀社のスタッフの案内に従い会食の席へ移動し、参列者全員が席に着席次第、杯が渡されます。喪主がお葬式全体の挨拶を行い、喪主から指名された人が献杯の挨拶を行います。

献杯の声に合わせて各自が杯を持ち上げ、唱和とともに口をつけ、終わり次第食事を行いましょう。

献杯の挨拶の流れは地域によって異なりますが、おおよその流れは大体同じです。

献杯の挨拶のタイミング

献杯の挨拶のタイミング

献杯の挨拶は、通夜振る舞いのときと精進落としのときに行うのが通例です。ここでは、献杯の挨拶のタイミングについて詳しく解説します。

通夜振る舞いのとき

献杯の挨拶は、通夜振る舞いのときに行います。通夜振る舞いとは、お通夜の後に設けられる食事会のことです。

通夜振る舞いは単なる食事会というより、故人さまを偲ぶ会となるため、故人さまの思い出話をしながら語り合う場です。

喪主やご親族は、参列者に感謝の気持ちを表すためにお酒や食事を振る舞います。

精進落としのとき

献杯の挨拶は、精進落としのときにも行います。精進落としとは、ご火葬(初七日法要の後)に設けられる食事会のことです。

もともとは四十九日の忌明けに食べる料理でしたが、ご家族やご親戚が遠方から集まる負担を軽減するため、最近ではご火葬(初七日法要)の後に行うケースが一般的です。

生活スタイルの変化により、お葬式の7日後に集まることはなかなかできないため、精進落としはお葬式のすぐ後に行うのが基本となっています。

献杯の挨拶の例文

献杯の挨拶の例文

献杯の挨拶では、「何を言えばいいのか」と困惑することもあるでしょう。その際は、あらかじめ例文を知っておくと安心です。

ここでは、献杯の挨拶の例文について詳しく解説します。

故人さまのご家族が挨拶する場合

故人さまのご家族が挨拶する場合の例文は以下の通りです。

先ほどご紹介いただきました、故人〇〇の弟(妹)、△△でございます。

この度は兄(姉)の葬儀にご参列いただき誠にありがとうございました。みなさまのおかげで、葬儀を滞りなく無事に終えられました。

本日は兄(姉)の思い出話を語り合いながら、会食の席を過ごせたらと存じます。それでは献杯させていただきます。

献杯。

ご家族の挨拶は、故人さまとの関係性に触れつつ挨拶するのがマナーとなります。

故人さまのご子孫が挨拶する場合

故人さまのご子孫が挨拶する場合の例文は以下の通りです。

先ほどご紹介に預かりました、故人の長男(長女)、△△でございます。

この度は父(母)の葬儀にお集まりいただき誠にありがとうございました。葬儀も滞りなく執り行うことができ、父(母)もきっと喜んでいることでしょう。

本日は父(母)が生前好きだったお酒をご用意しましたので、思い出を語り合いながら偲べればと存じます。それでは献杯させていただきます。

献杯。

ご子孫の挨拶も、故人さまとの関係性に触れつつ挨拶するのがマナーとなります。

ご遺族の代表が挨拶する場合

ご遺族の代表が挨拶する場合の例文は以下の通りです。

喪主よりご紹介に預かりました、故人〇〇の遺族代表、△△と申します。

故人〇〇は、私の叔父(叔母)に当たります。生前はよく遊びに行く度に、優しくしていただきました。

本日は故人〇〇の葬儀に際し、みなさまからのご協力をいただき誠にありがとうございました。故人もきっと安心していることでしょう。

ささやかではございますが、お酒とお食事をご用意いたしましたので、故人との思い出話を伺えればと存じます。

献杯。

ご遺族の代表が挨拶する場合、参列者にわかりやすいよう「どのような関係なのか」を一言添えてから挨拶するのが望ましいです。

生前のご友人が挨拶する場合

生前のご友人が挨拶する場合の例文は以下の通りです。

喪主からご紹介いただきました、故人〇〇の十数年来の親友、△△と申します。

つい先月も会ったばかりの〇〇と、まさかこのような形でお別れすることになり、今でも心が詰まる思いです。

喪主であり奥さまの□□さんをはじめ、お子さまやお孫さま、ご遺族のみなさまの心中を思うと言葉になりません。

ご遺族に代わりまして故人〇〇を偲び、献杯とさせていただきます。

献杯。

生前仲の良かったご友人が挨拶する場合は、どれほどの交流があったのかを一言添えると故人さまとの関係がわかりやすいです。

なお、以下の記事でもお葬式の献杯スピーチの例文について解説しているため、より詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

献杯の挨拶の注意点

献杯の挨拶の注意点

献杯の挨拶では、忌み言葉・重ね言葉は使わないなど、基本的な注意点を守ることが重要です。ここでは、献杯の挨拶の注意点について詳しく解説します。

忌み言葉・重ね言葉は使わない

献杯の挨拶に限らず、お葬式では忌み言葉・重ね言葉は使わないのがマナーです。主な忌み言葉・重ね言葉は以下となります。

▼不幸を連想させる忌み言葉
相次ぎ、飽きる、浅い、焦る、褪せる、生きていた頃、忙しい、痛い、おしまい、落ちる、衰える、終わる、欠ける、悲しむ、枯れる、九(く)、崩れる、消す、壊す、最後、冷める、去る、四(し)、死ぬ、しめやかに、捨てる、葬式、絶える、散る、倒れる、弔う、とんでもない、流す、無くす、亡くなる、涙、冷える、病気、降る、仏、ほどける、滅びる、負ける、短い、病む、破る、敗れる、割る、悪い
▼決別を連想させる忌み言葉
飽きる、失う、薄い、疎んじる、終わる、返す、帰る、嫌う、切る、切れる、断る、裂ける、冷める、去る、捨てる、疎遠、耐える、出す、泣く、逃げる、放す、離れる、ほころびる、ほどける、戻る、揉める、離縁、離婚、別れる
▼繰り返しを連想させる重ね言葉
かえすがえす、重ね重ね、くれぐれも、しばしば、重々、たびたび、たまたま、次々、時々、どんどん、日々、ますます、またまた、みるみる、わざわざ

以上のように、献杯の挨拶では不幸や決別を連想させる忌み言葉や、繰り返しを連想させる重ね言葉を避けるのがマナーです

忌み言葉・重ね言葉は普段の会話でも出てしまう可能性があるため、会食の際には口を滑らせないようご注意ください。

挨拶や唱和で大声を出さない

献杯の挨拶や唱和では、大声を出さないようにしましょう。

乾杯と違って献杯は故人を偲ぶためのものであるため、大きな声を出すのはマナー違反となります。挨拶は小さな声、落ち着いたトーンで行うのが望ましいです。

ただし、地域によって挨拶の捉え方が違うため、お住まいの地域にあるしきたりやならわしに合わせて行うのが良いでしょう。

笑顔で挨拶や唱和をしない

献杯の際は、笑顔で挨拶や唱和をしないようにしましょう。

献杯は故人さまを偲ぶための挨拶であるため、笑いながら行うのは避けなければなりません。笑顔で送るという雰囲気のお葬式でも、献杯のときはかしこまった表情で行ってください。

グラスで音を鳴らさない

献杯の際は、グラスで音を鳴らさないようにしましょう。

通常の乾杯はグラスとグラスをぶつけて音を鳴らしますが、献杯はお悔やみ事であるため、グラス同士で音を鳴らすのはマナー違反です。音を鳴らすのは、お祝い事だけとなります。

グラスを高く掲げるのもマナー違反となるため、注意しましょう。

ただし、会食中は故人さまの思い出話で盛り上がっても構わないため、献杯が終わったらあまりかしこまらずに食事を楽しんでください。

一気飲みしない

献杯の際には、一気飲みしないようにしましょう。

一気飲みはお祝い事の場合は問題ないものの、お葬式のようなお悔やみ事では避けるべきです。献杯が行われたら一気に飲み干さず、一度テーブルに置くのがマナーとなります。

その後、参列者と思い出話に花を咲かせながら、ゆっくりと飲むのがマナーです。なお、お葬式ではお酒が振る舞われますが、泥酔するまで飲むのはマナー違反となります。

ほろ酔い程度に飲む分には問題ありませんが、他の参列者の迷惑になるくらい飲むのはマナー違反となります。

お酒の席はトラブルに発展することがあるため、礼節を持って飲むようにしてください。なお、献杯の作法については以下の記事でも解説しているため、あわせてご覧ください。

まとめ

献杯の挨拶は、家族葬でも原則必要です。厳密に「誰が行う」「何を話す」などは定義されていませんが、通夜振る舞いや精進落としの前に挨拶を行います。

お葬式全体の挨拶は基本的に喪主が行いますが、献杯の挨拶は喪主以外の人が行うのが一般的となります。ただし、頼める人がいない場合は喪主がすべて行っても問題ありません。

家族葬のように参列者が限られている場合は頼める人がいない場合があるため、あらかじめ頼めそうな人がいるかどうか考えておくと安心です。

挨拶の際は忌み言葉・重ね言葉を避け、マナーを守って行いましょう。

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