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過去帳の書き方

過去帳の書き方
  • 2022年04月04日

葬儀・告別式等も終わり、ご家庭で故人を偲ぶ仏具として故人の月命日になると飾られるものに「過去帳」があります。
過去帳は、仏教の儀式で使用されますが、いったいどんな役割を持つ道具なのでしょうか?今回は、この過去帳について取り上げます。過去帳を作成する意味、その保管場所、書き方や選び方、価格等について説明します。

▼詳しい内容と手配方法▼

記事の監修

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過去帳とは?

過去帳とは、故人の情報を書き記す系譜帳のことです。過去帳には先祖の情報も記載されており、ご自分の一族が続いてきた証が書き足されていくことになります。

過去帳の作成は、そもそも江戸時代に檀家制度ができ、民衆が寺院の檀家となることを義務付けられた頃から大きく広まります。

過去帳は各家族が、それぞれ寺院の檀家となっていることの証明のために、戸籍のような役割を担う記録帳として、各家庭の他、寺院でも保管されるようになりました。現在の過去帳はその名残として現在でも残っている風習の一つです。

各家庭で普段ならば仏壇の引き出しに保管されていますが、故人の月命日になると見台に飾られるのが一般的です。

過去帳の現在の役割とは、ご自分の先祖そして故人を忘れずに供養するという意味で、欠かせないツールといえます。

過去帳と位牌の違い

位牌

過去帳には故人の戒名・俗名、死亡年月日、享年が記載されますが、同様の内容が記される仏具に本位牌があります。本位牌とは漆塗りの木札で仏壇に置くものですが、過去帳とどんな違いがあるのでしょうか?

本位牌は故人の魂が込められているものとして扱われ、過去帳は先祖から続く記録帳として、いわば“家系図”としての意味合いが強いものといえます。そのため、普段は仏壇に保管されていることが多いのです。ただし、仏教の宗派全てが過去帳と位牌の違いを一律に捉えているわけではありません。

浄土真宗では、位牌を祀る必要がないとされています。浄土真宗の教えでは、阿弥陀如来を信じれば誰でも仏となり、すぐに極楽浄土へ向かうと言われています。

故人の魂は浄土にあるので既に現世には無く、従って現世で位牌に入魂するという考え方もありません。そのため、浄土真宗では位牌を祀ることはなく、故人の記録を後世へ残すために過去帳を仏壇に供えることが一般的です。

一方、他宗派の場合でも、位牌を永久に保管するわけではありません。位牌が増えて仏壇へ置ききれなくなったり、位牌の老朽化により判読不能になったりした場合には、三十三回忌・五十回忌等の節目の法要の際、お寺に処分してもらいます。ただし、過去帳はその後も永続的に残され、各家庭の系譜として保管されることになります

過去帳の種類や値段

過去帳は大きく分けて和本折本があります。和本はページの紙を二つ折にして縦に綴じた本で、折本は1枚の紙を折って本にしたもので、在家用の過去帳のほとんどがこの形式です。

表紙の素材も多岐に分かれ、布地の金襴(きんらん)や緞子(どんす)等、唐木の黒檀(こくたん)や紫檀(したん)等、漆を使用した蒔絵(まきえ)のような豪華な装飾が施されたものもあります。

中紙の素材では、鳥の子紙という和紙の一種や、洋紙製に分けられます。
故人を記載する紙面には、日付ありタイプと無しのタイプの2種類があります。

過去帳のサイズは次の9種類があります。

●3.0寸→縦:約9.0cm・横:約4.5cm・厚み2.5cm
●3.5寸→縦:約10.5cm・横:約5.0cm・厚み2.5cm
●4.0寸→縦:約12.0cm・横:約5.0cm・厚み2.5cm
●4.5寸→縦:約13.5cm・横:約5.5cm・厚み2.5cm
●5.0寸→縦:約15.0cm・横:約6.0cm・厚み2.5cm
●5.5寸→縦:約16.5cm・横:約6.5cm・厚み2.5cm
●6.0寸→縦:約18.0cm・横:約7.0cm・厚み2.5cm
●7.0寸→縦:約21.0cm・横:約9.5cm・厚み2.5cm
●8.0寸→縦:約24.0cm・横:約12.0cm・厚み2.5cm

また、過去帳を乗せる「見台(けんだい)」という道具もあります。過去帳と見台はセットで販売されていることもあります。

過去帳の値段は1,000円程度の手ごろなものから2万円を超える豪華なものまであります。また、見台の値段は1,000円程度から10万円を超える物もあり、こちらも金額に大きな開きがあります。この見台も購入する際には、更に費用がかかることになります。

過去帳の選び方と注意点

過去帳については、各宗派とも厳密に和本か折本か、表紙の素材、サイズや見台について細かなきまりはありません。

各宗派の違いというよりは、使用する場合の耐久性や、ご自宅にある仏壇とのバランスを考えて購入する必要があります。

過去帳の表紙や中紙の選び方

表紙では、布地の場合、仏壇へ置くときに見栄えが良く、華やかな印象を与え比較的安価に購入できます。

ただし、布地の場合は糸がほつれてしまうことや、汚れやすいというデメリットもあるため、長期間の保管には不向きといえます。

一方、表紙が木材でウォールナット等の素材ならば、仏壇の色と揃えることもできますし、重厚感があり汚れにくいという特徴があります。

木材の場合は長期間保管しやすい反面、値段は高くなり、1万円以上になることも多いのが難点と言えます。

中紙を選ぶ際は、和紙を使ったものにするべきでしょう。なぜなら、洋紙よりも和紙の中紙の方が少し厚手の紙を用いている場合が多く、長期間保管することに向いています。

仏壇・見台とのバランスを考える

過去帳は耐久性の他に、仏壇や見台に見合った色やサイズであるかどうかも重要です。例えば、大きな仏壇の場合ならば8.0寸の過去帳と、それを乗せることが可能な大きな見台でもバランスに問題はありません。しかし、コンパクトな仏壇ならばそれなりに小さいサイズの過去帳・見台が必要となります。

仏壇の大きさに合った過去帳のサイズは概ね次の通りです。

●[仏壇(小)]上置仏壇16号(縦:約49.0cm・横:約32.0cm・奥行き26.0cm)~25号(縦:約78.0cm・横:約58.0cm・奥行き40.0cm)→過去帳:3.0寸~4.0号
●[仏壇(中)]上置仏壇28号(縦:約86.0cm・横:約72.0cm・奥行き50.0cm)、台付仏壇40尺(縦:約122.0cm・横:約62.0cm・奥行き52.0cm)~57尺(縦:約171.0cm・横:約83.0cm・奥行き67.0cm)→過去帳:4.5寸~6.0号
●[仏壇(大)]台付仏壇大型(縦:約175.0cm・横:約91.0cm・奥行き80.0cm)~→過去帳:7.0寸~8.0号

また、ご自宅にある仏壇の形・色を十分考慮して、それに合った過去帳を選びましょう。例えば、浄土真宗では金仏壇を奨励している場合が多いため、過去帳・見台も華やかな金色の装飾のものが金仏壇に合うことでしょう。その他の宗派の場合でも、仏壇の特徴や色に合わせて、過去帳・見台も統一した方が景観を損ないません。

なお、過去帳と見台を別々に購入してしまうと、サイズや色が合わないことも考えられます。そのため、新たに双方とも購入する場合には、過去帳と見台のセットになっているものを購入した方が無難です。

過去帳の書き方

過去帳に記載する一般的な内容は次の通りです。

●1行目:故人の没年月日の記載
●2行目:故人の戒名(法名)の記載
●3行目:故人の名前(俗名)や享年、続柄等の記載
●4行目:その他、故人の功績や特記すべき事項等

ただし、過去帳への記載のルールは、菩提寺やお住まいの地域、ご自分の一族ごとの慣習でも細かな違いがあります。

過去帳を新しく備えて故人の情報を記載する前に、菩提寺の住職や仏教の儀式を良く知る親戚等に相談してみることをお勧めします。

過去帳を書く人

過去帳は菩提寺の住職に記載してもらうことが最良とされていますが、各家庭で故人と最も縁のある方(例えば、配偶者が亡くなった場合なら夫または妻)が記載しても構いません。

ただし、ご家庭の誰かが記載すると、鉛筆やボールペン、筆ペンで記載してしまう場合があるかもしれません。ご実家で先祖・祖父母・両親・ご自分の代、そして子孫へと大切に受け継いでいくことを考えるならば、硯で墨をすって記載することをお勧めします。

保管状態にもよりますが、数百年前に墨で書かれた文字を現在でも読むことができるケースもあるため、墨の字ならばより確実に子孫へと受け継がれていきます。

過去帳の書き方見本(記入例)

過去帳への戒名(法名)書き方は、宗派や地域、慣習によって記載の仕方がそれぞれ異なります。例えば、梵字や置き字を入れるかどうかも宗派・寺院ごとに違いがあります。

梵字とは戒名の上へ記載されるサンスクリット語のことです。一方、置き字とは戒名の下へ記載される「位」・「霊位」を指します。

ご自分の菩提寺等で事前に確認をとりルールに従って戒名等を記載していきましょう。こちらでは宗派ごとの過去帳の記載例を説明します。

真言宗、曹洞宗、天台宗、臨済宗の書き方

この4つの宗教に共通しているのが戒名の構成です。戒名を構成する要素としては次の4点があります。

●院号:過去帳には「〇〇院」と記載されます。
●道号:戒名の前に記載されます。
●故人の正式な戒名
●位号:正式な戒名の後に男性なら「信士(しんじ)」、女性なら「信女(しんにょ)」と記載されます。他に「居士(こじ)」、「大姉(だいし)」等があります。

これを踏まえて過去帳を書くと、次のような順に戒名が記載されることになります。

(例)

「院号(〇)+道号(▢)+戒名(△)+位号」

男性→〇〇院▢▢△△信士
女性→〇〇院▢▢△△信女

基本的に9文字程度が戒名を書く欄へ記載されます。

浄土真宗の書き方

浄土真宗の場合は、戒名ではなく法名を過去帳へ記載することになります。法名の前には「釋号(しゃくごう)」が記載されます。釋は釈の旧文字であり、双方とも釈迦を表します。この釋と法名には生前の名前から文字を取り「釋〇〇」と記載します。次のような記載例となります。

[一般的な法名]

男性→釋〇〇
女性→釋尼〇〇(ただし、性別に関係なく「釋〇〇」としても構いません。)

[浄土真宗の法名、院号がつく場合]

男性→〇〇院釋〇〇
女性→〇〇院釋尼〇〇

釋(しゃく)につての詳しい説明はこちら

浄土宗の書き方

浄土宗の場合は、戒名を構成する要素としては次の4点または5点があります。

●院号
●(五重相伝※を受けた場合)誉号
●道号
●故人の正式な戒名
●位号

これを踏まえて過去帳を書くと、次のような順に戒名が記載されることになります。

(例)

「院号+(誉号)+道号+戒名+位号」

※五重相伝(ごじゅうそうでん):浄土宗の念仏の教えについて、檀信徒へ五つの順序に従って伝える法会(仏法を説くための集まり)のことです。現在は五日間にわたって行われる場合が多いです。この五重相伝を受けた方に「誉号(よごう)」が授与されることになります。

日蓮宗の書き方

日蓮宗の場合は、過去帳の書き方を構成する要素としては次の4点があります。

●院号
●道号
●法号(ほうごう):正式な戒名に該当します。日蓮聖人にちなんだ日号や「法」・「妙」等の文字も良く使われます。
●位号

これを踏まえて過去帳を書くと、次のような順に戒名が記載されることになります。

(例)

「院号+道号+法号+位号」

戒名の付け方・構成の詳しい説明はこちら

過去帳の記入を依頼する時の料金相場

過去帳の文字入れを他にお願いしたい場合にはいろいろと方法がありますが、宗派の違いはもとより、菩提寺の住職等へお願いしたり、仏具店等に依頼したり、ネットショップで申し込んだりする場合に、料金はそれぞれ大きく異なります。

こちらでは各ケースに分けて料金相場を紹介します。

●住職にお願いする場合
法要の場合を含めると概ね3万円~5万円が相場といえますが、過去帳の移し替えのように法要を含めない場合には、5,000円~1万円程度が妥当です。ご自分の菩提寺となっている住職から、お布施はいくら位になるかを直接尋ねても問題ありません。

●仏具店等に依頼した場合
プロの書家が記載するサービスもあるので料金の差は大きいですが、目安として基本料金および故人1人(1霊位)につき、4,000円~5,000円程度となります。

●ネットショップで申し込む場合
この3つのケースの中ではもっともリーズナブルといえます。目安は3,000円程度となります。ただし、メールのやり取りだけでは戒名やレイアウトについて、わかりにくい場合もあるので、可能な限り電話等により確認や問い合わせができるネットショップを選びましょう。

過去帳の置き場所

仏壇

過去帳の置き場所はご家庭の場合、前述した通り仏壇の引き出しへ普段はしまっておくことになります。

そして、故人の月命日には見台へ乗せ、仏壇の向かって右側、仏像が隠れないように本尊より下段へ置きます。忘れずに故人の情報が記載されているページを開いておきます。

一方、菩提寺でも檀家の方々の過去帳は大切に保管されています。また、寺院の場合には檀家信徒の過去帳が寺院内で、誰の目にもとまるように開示されるということはありません。

寺院が保管する過去帳は、それこそ一つの家庭にとどまらず、檀信徒や地域住民の出自や家系等の歴史・社会状況を反映しています。

場合によっては、故人の死因や身分・職業等などが明記されていることも少なくはなく、大切な個人情報として保護されなければなりません。

そのため、各宗派では規程を設け、過去帳等に関して、親族以外の人に対して調査拒否や閲覧禁止、厳封保管の徹底を管理方針として関連寺院へ指示しています。

まとめ

過去帳は、先祖とその子孫を結ぶ系譜であり、大切に保管し未来へつなげる一族の記録です。また、寺院にある過去帳は、過去に起こった疫病、戦争、地震、火山噴火等の記録が記されているものもあります。
古い過去帳は、当時の人々に降りかかった出来事、そして当時の人々の生活を知る手掛かりになる、大変貴重な資料ともいえます。

監修者のコメント

浄土真宗は位牌の代わりに過去帳を仏壇に供えますので、日常的に見ることが多いと思いますが、他宗派のご家庭では過去帳を見る機会は少ないと思います。過去帳の書きかたについては定めがあるわけではないので、宗旨宗派や地域によっても違いが出ますが、自身のルーツになる先祖の記録が書かれていますので、折に触れ見返したいものですね。

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