位牌をまとめて供養する際に抑えておきたい大事なこと
- 2023年01月19日
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一般的に、位牌は故人一人に対して一基と思われがちですが、実は、位牌をまとめることがあります。位牌を一つにまとめるということが、故人に対して失礼になるのではと思われる方のいらっしゃるかと思いますが、決して悪いことではありません。また、悪いことが起きるということもありません。
ただし、位牌をまとめるにあたり、まとめる形や開眼供養(魂入れ、性根入れ)や閉眼供養(魂抜き、性根抜き)など寺院の僧侶にお願いすること、そしてタイミングがあります。言い換えると、きちんとした方法で位牌をまとめることが大切であるということになります。
位牌をまとめる方法としては主に、「先祖位牌」「回出位牌(くりだしいはい)」「夫婦位牌(めおといはい)」の3種類あります。こちらでは、3種類の位牌について説明していきます。
位牌は、故人そのものであり、家族にとってもとても大切なものとなります。ぜひ、参考にしてください。
位牌まとめの詳細に関しては、檀家である場合は菩提寺の僧侶に、檀家でない場合は、仏具店などの専門業者に相談されると良いでしょう。
なお、位牌をまとめることを永代供養と勘違いされやすいですが、永代供養とは異なりますので、気をつけましょう。
●先祖位牌
●回出位牌(くりだしいはい)
●夫婦位牌(めおといはい)
先祖位牌を作る方法
先祖代々の位牌を全て仏壇に安置するには限界があります。そのため、昔から「先祖位牌」という、位牌を一つにまとめる方法が取られてきました。
見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、 「XX家先祖代々之霊位」と書かれた位牌が「先祖位牌」となります。
ご先祖様の位牌を一つにまとめるため、「先祖位牌」として新しく位牌を作り、仏壇に安置します。
位牌の表面に「XX家先祖代々之霊位」の文字を入れ、裏面には何も文字はいれません。表面には、文字の上に梵字(ぼんじ)・冠字(かんじ)と言われる文字を入れます。梵字や冠字は各宗派によって決められていますので、位牌を作るときにご自分の宗派を伝えておくことが大切です。
なお、梵字や冠字を入れるか迷われた時は、既に手元にある位牌で、梵字や冠字の有無を確認し、合わせることをお勧めします。
先祖位牌の費用
先祖位牌を作るために必要な費用は以下となります。
(位牌)
位牌の素材、装飾、文字入れの方法によって異なります。
相場として2万円〜5万円位の位牌を購入される方多いです。なお、位牌を作るためには、一般的に1週間〜10日前後の日数が必要となりますので、時間に余裕を持って購入しましょう。
(魂の移し替え)
新しい位牌の開眼供養および古い位牌の閉眼供養とお焚き上げを行います。
お布施として、1千円〜5万円位お渡しするのが相場となります。また、僧侶に自宅にお見え頂く場合は、お車代として5千円〜1万円程度を別途お渡しします。
先祖位牌を作る上での注意点
先祖位牌を作る上で注意したい点をまとめました。
ご先祖をお祀りする大切なものとなりますので、新しい位牌を作る時には気をつけましょう。
注意1.先祖位牌に切り替える時期
先祖位牌に切り替える時期は、33回忌や50回忌などの法事(弔い)の後となります。葬儀が終わり、四十九日目に白木位牌から本位牌にするタイミングで、直接、先祖位牌にまとめることはできませんので、気をつけましょう。
注意2.先祖位牌の裏面
先祖位牌の裏面には何も書きません。一般的な位牌の裏には俗名や亡くなった年月日、年齢(享年)を入れますが、先祖位牌の場合は、複数の方をお祀りしていますので、何も入れません。
注意3.過去帳について
お寺さんの僧侶にお願いをして、位牌をまとめるご先祖様の戒名を過去帳に写しかえてもらいましょう。過去帳を作ったら、「見台」という仏具に乗せてお祀りします。
注意4.開眼供養と閉眼供養
新しい位牌は開眼供養を行い、古い位牌は閉眼供養を行いお焚き上げして頂きましょう。古い位牌には魂が宿っていますので、閉眼供養を行わずに処分することは控えましょう。
注意5.先祖位牌のデザイン
新しい位牌の購入にあたり、基本的に決まったデザインはありませんが、お寺さんによっては決まりがありますので、事前に菩提寺に確認をしましょう。
出位牌(繰り出し位牌)を使ってまとめる方法
1基の位牌の中に、ご先祖さまの戒名を書いた札板を収める方法となります。1枚の札板(中板)をお一人のご先祖様に使います。一般的に、表面には、ご先祖様の戒名と没年月日、裏面には俗名と亡くなられた年齢が記載され、平均6枚〜10枚程度の札板を収めることができます。この場合、過去帳を作る必要がありません。
ただし、浄土真宗の場合は、位牌を作らない代わりに過去帳を作りますので、注意が必要です。
札板を入れる場合、一番上の札に「XX家先祖代々之霊位」と書いた札を置き、1つにまとめた位牌であることが分かるようにします。二番目の札から、命日が近い順に札板がくるようにします。命日が過ぎたら、一番後ろに回します。このように順番に札板を回して、命日が近いご先祖様の札板を出していくことから「回出位牌」と呼ばれています。
回出位牌(繰り出し位牌)の費用
回出位牌を作るために必要な費用は以下となります。
(位牌)
位牌本体の素材や装飾、札板の素材によって異なります。
相場として2万円〜5万円位の回出位牌を購入される方多いです。
(魂の移し替え)
先祖位牌同様、札板への開眼供養および古い位牌の閉眼供養とお焚き上げを行います。
お布施やお車代の相場も同額となります。
回出位牌を作る上での注意点
回出位牌を作る上で注意したい点をまとめました。
注意1.板札への記載
板札への記載は、僧侶に行ってもらうのが一般的です。
菩提寺がない場合は、近くのお寺にお願いするもしくは仏具店にお願いすることになります。
注意2.回出位牌の順番の入れ替え
回出位牌は、ご先祖様の命日に合わせて順番を入れ替える必要があります。
命日とは、祥月命日(しょうげつめいにち)と月忌命日(がっきめいにち)の両方となります。祥月命日とは、故人となった月日のこと、月忌命日とは故人となった日のことになります。
注意3.開眼供養と閉眼供養
新しく札板を入れたら開眼供養を行い、古い位牌は閉眼供養を行いお焚き上げして頂きましょう。
注意4.回出位牌のデザイン
回出位牌の購入にあたり、決まったデザインはありませんが、お寺さんによっては決まりがありますので、事前に菩提寺に確認をしましょう。
夫婦位牌を作る方法
ご夫婦連名で作る位牌のことを「夫婦位牌」と言います。1基の位牌に、お二人の戒名・法名を連名で入れます。表面には戒名を入れ、裏面には没年月日、年齢、俗名などを入れます。
一般的な位牌よりも記載する行数、文字数が多くなるため、4寸以上のサイズがお勧めとなります。
夫婦連名の費用
夫婦位牌を作るために必要な費用は以下となります。
(位牌)
位牌の素材により異なり、相場として6千円台〜2万円台となります。一般的な位牌よりサイズが大きくなる分、少し高めの金額となります。
(開眼・閉眼供養)
夫婦位牌は四十九日法要後に作る場合とお二人が亡くなられてから作る場合があります。
いずれの場合も開眼供養の費用として、1回あたり1千円〜5万円位です。なお、先に本位牌を作られている場合は、夫婦位牌にするタイミングで、閉眼供養・お焚き上げを執り行ってもらう必要があります。
また、僧侶に自宅にお見え頂く場合は、お車代として5千円〜1万円程度を別途お渡しするのが一般的です。
夫婦連名の場合の作法
夫婦連名にする場合の作法として以下がありますが、宗派によって異なる場合もありますので、事前に菩提寺に確認されることをお勧めします。
(位牌への名入れ)
位牌への名入は、主に以下の2種類があります。しかし、宗派やお寺さんて上記2つと異なる場合がありますので、必ず事前に確認をしましょう。
●交差型
表面・裏面どちらも、向かって右側に男性の名前、左側に女性の名前を入れる方法です。
●真裏型
表面は向かって右側に男性の名前、左側に女性の名前、裏面は向かって右側に女性の名前、左側に男性の名前を入れる方法です。
なお、「夫婦位牌」についてのより詳しい内容は「夫婦位牌とは?」をご覧ください。
●交差型
●真裏型
位牌をまとめた後にすること
位牌をまとめた後に忘れてはいけないこととして、「閉眼供養(性根抜き」があります。
既に位牌を作っていた方の位牌をまとめるので、つい忘れてしまいがちですが、空になった位牌の閉眼供養を僧侶に執り行ってもらうことで、位牌まとめが完了します。
古い位牌の役目を終わらせるために、大切なご先祖様や故人の魂を抜くことを忘れないようにしましょう。
まとめ
供養の仕方が多様化している現代ですが、位牌をまとめるということは決して新しいことではありません。
地域や宗教・宗派によって多少の違いはありますが、ご先祖様の位牌を一緒にするということは、昔からあることです。
ご先祖様をまとめた位牌を仏壇に安置して、みんなで手を合わせることで、ご先祖様にもとても喜んで頂けます。
これまでも、そしてこれからもご先祖様を心の拠り所として、気持ちを込めて供養して差し上げましょう。
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
はじめから夫婦位牌を希望している場合、どちらか一方がお亡くなりになったタイミングか、二人で生前に戒名を授かったタイミングでつくるケースがあります。お亡くなりになった方の戒名は金文字で、生前戒名は赤文字で入れます。亡くなった方だけ先に戒名を入れて片側を開けておくこともできますが、「待っているようで心理的に抵抗がある」という人もいます。