病院で亡くなったらどうなる?逝去からお葬式までの流れを解説
- 2024年08月09日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
病院でお亡くなりになった場合、お葬式までにさまざまな手続きを行う必要があります。
以前はご自宅でお亡くなりになる場合も多かったですが、現代においては病院でお亡くなりになるケースがほとんどです。
事故や療養中などで身近な方がご逝去した際に、ご遺族はどのような対応をしたらよいのでしょうか。
この記事では、病院でお亡くなりになった場合の対応や、ご逝去からお葬式までの流れを紹介します。
病院で亡くなってから退院までの流れ
ここでは、病院でお亡くなりになってから退院までの流れを解説しています。
医師による死亡宣告が行われる
病院でお亡くなりになると、医師による死亡確認と死亡宣告が行われます。死亡宣告とは、お亡くなりになったことをご家族など身近な人に伝えることです。
死亡確認は心肺拍動、呼吸、瞳孔散大の停止の三徴候を持って判定されます。その際には、頭部や首のまわりもチェックし、外傷がないかの確認も行われます。
なお、死亡してから24時間以内の埋葬や火葬は法律で禁止されていますが、これは死亡宣告後に蘇生する事例が過去にあるためです。
末期の水の儀式を行う
末期の水(まつごのみず)とは、別名「死に水」とも呼ばれる故人さまの口元に水を含ませる儀式です。
水を入れた茶碗に割りばしで挟んだ新しいガーゼや脱脂綿を入れて、水を含ませて故人さまの唇を潤します。
その場所にいる人が故人さまを送り出す仏教の儀式で、一般的にはご臨終の直後に行われますが、宗派によっては末期の水を行わないため、その場合は病院に伝えましょう。
なお、末期の水は故人さまが自宅に帰って安置されてから行われる場合も多いです。臨終に立ち会った全員が行うのが一般的で、故人さまとの血縁が近い順番で行います。
ガーゼや脱脂綿を当てる際には、唇の左から右へなぞるようにし、上唇から下唇の順番で当てます。
清拭(せいしき)を行う
清拭は、お亡くなりになった故人さまの体を拭いて清める行為です。一般的には、看護師がアルコールを含ませたガーゼで故人さまの全身を拭きます。
そのあとは口、鼻、肛門からは体液が漏れないように、脱脂綿やおむつをします。
清拭は宗教的な意味合いもあり、この世での苦しみを洗い清め、きれいな状態で死後の世界に送り出すために行われます。
また、ご遺体を清める行為は仏教だけでなく、他の宗教でも行われています。
着替えを行う
故人さまを送り出す際の服装は、死装束が一般的となっています。ただし、病院でお亡くなりになった際には、病院が用意した浴衣に着替える場合が多いです。
この浴衣は死装束ではなく、自宅や葬儀社の安置所に搬送するまでの服装となります。着衣する浴衣に特別なルールはなく、希望する服装があれば病院のスタッフに預けておきましょう。
死装束は納棺前に着替えるのが一般的で、葬儀社が用意してくれます。また、故人さまの着替えは病院のスタッフや葬儀社が行い、ご遺族が準備する必要はありません。
死化粧を行う
死化粧は故人さまの外見を整え、苦しみを取り除いて安らかな表情で送り出すために行います。死化粧を行うことによって、弔問客とも生前と同じような表情で対面できます。
男性はヒゲを剃り、女性は口紅やファンデーションを施すのが一般的です。また、男性も女性も髪を整えたり、爪を切ったりなどは共通して行います。
病院で行う死化粧は最小限で、本格的な化粧は安置所に搬送してから有料で行う場合が多いです。
安置してからの死化粧は、葬儀社のスタッフや専門家の指示のもとでご遺族も行えます。しかし、感染のリスク等もあるため、実際には葬儀社の専門スタッフが行うのが一般的です。
身内に連絡する
医師から死亡宣告を受けた場合、その事実を身内に連絡しておく必要があります。
最初にお亡くなりになったことを伝える相手は、故人さまの配偶者や両親、子ども、内縁関係など関係が深い人です。
また、それ以外にも付き合いの深い友人や知人、故人さまが勤めている会社にも連絡をしましょう。
故人さまと関係の深い身内なら、深夜の連絡でも問題ありません。お葬式の準備もあるため、早めに知らせましょう。
葬儀社に依頼する
故人さまの身内に連絡したあとは、葬儀社に連絡をして搬送の手配を行いましょう。
葬儀社が決まっていない場合、病院に紹介してもらうことも可能です。ただし、病院が紹介している葬儀社は費用が割高に設定されていたり、希望の葬儀が叶えられない場合もあるため、事前に依頼先を探しておくと安心できます。
斎場に搬送する場合、お葬式が始まるまで安置室にご遺体を預けます。
その際の費用は、葬儀社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。自宅に搬送する場合、安置できるスペースがあるかをチェックしておく必要もあります。
死亡診断書を受け取る
死亡宣告のあとは、医師より死亡診断書を受け取ります。死亡診断書は、人の死亡を医学的・法律的に証明する書類です。
病院外にご遺体を搬送する際に必要となるほか、自治体での手続きにも必要となります。死亡診断書を紛失してしまった場合、再発行は有料となるため注意しましょう。
また、死亡届は故人さまがお亡くなりになってから、7日以内に自治体に提出しなければなりません。
死亡届を提出しないと火葬許可証が発行されないため、早めに手続きを行う必要があります。
退院の手続きを行う
ご遺体の搬送準備ができたら、搬送車が来るまでの間に退院手続きを行います。
この時点で特に必要となる書類はなく、病院から渡される書類に必要事項を記入するだけで問題ありません。
医療費の支払いも、後日で問題ない病院がほとんどです。ただし、病院によってルールが異なる場合もあるため確認しておきましょう。
病院でお亡くなりになってから退院までは、タイトなスケジュールで進みます。急逝した場合だと、準備や手続きもさらに慌ただしくなるでしょう。
以下の記事では、親族が急逝した場合の対応や手続きなどをまとめていますので、参考にしてください。
退院からお葬式までの流れ
故人さまのお身体が搬送されたあとは、お葬式に向けて準備を進めていきます。ここでは、退院からお葬式までの流れを紹介します。
安置する
安置とは、ご逝去してからお葬式までの間にご遺体を保管することです。お亡くなりになった方をご火葬するまでに、一定の時間を要するため必要となります。
安置の場所はご遺族の意見も含め、葬儀社と相談しながら決めます。自宅を安置場所にする場合は、スペースが確保できるか確認しておきましょう。
自宅の場合は布団を敷き、そのうえにご遺体を寝かせてドライアイスで冷やします。安置が終わったら納棺を行うため、棺の搬入ができるかも確かめておく必要があります。
枕飾りを行う
枕飾りは、故人さまがお亡くなりになってからお葬式までの間、ご遺体の枕元に飾るものです。
宗教によって異なるものの、枕飾りには小机に三つ具足が設けられます。三つ具足は、香炉と燭台と花立の3つを合わせたものです。
枕飾りを設置するタイミングは故人さまを家にお迎えしたあとで、基本的には葬儀社が用意してくれます。
また、どの宗派であっても枕飾りにはろうそくが欠かせません。宗教によってそうろくが持つ意味合いは異なるものの、基本的には常に絶やさないようにする必要があります。
喪主や世話役を決める
ご遺体を安置するタイミングで、お葬式に向けて喪主や世話役も決めておく必要があります。
喪主とは、ご遺族を代表してお葬式の主催者となる者です。配偶者や子どもなど、故人と関係の深い人が務めるのが一般的となっています。
一方、世話役は弔問客やお葬式の準備で忙しい喪主やご遺族に代わり、お葬式の実務を引き受ける役です。世話役には会計係や受付係などがあり、その中心を担う世話役代表を決める場合もあります。
世話役は故人さまやご遺族と関わりが深く、丁寧な心づかいができる方が望ましいです。希望すれば、世話役の多くは葬儀社に引き受けてもらえます。
お葬式の形式や日程を決める
お葬式は、故人さまがお亡くなりになった翌日にお通夜・告別式を行うのが一般的です。
ただし、日程の決め方にルールはないため、実際には参列する方々の日程や僧侶の都合、火葬場の空き状況を見ながら決定していきます。
お葬式の形式は、一般葬や家族葬、一日葬などがありますが、最近では従来の形式にとらわれないさまざまなスタイルのお葬式が増えています。
後悔しないお葬式にするためには、お葬式の種類や特徴を把握し、事前に葬儀社に相談しておくのもよいでしょう。
お葬式の日程を連絡する
お通夜・告別式の日程が決まったら、故人さまの知人に連絡をします。
どこまで連絡するかは、お葬式のスタイルや故人さまとの関わりの深さによっても異なるでしょう。
ご遺族によっては、「ご逝去の事実は知らせたいけど、お葬式は家族だけで行いたい」といった場合もあります。
一般葬であれば、友人や知人、会社などご縁のあった方々に連絡を入れましょう。家族葬の場合は、ご家族以外に対してはご逝去を伝えたうえで、参列辞退の方針を伝えます。
連絡するべきか迷った場合には、連絡しておくのがよいでしょう。あとからお葬式の事実を知った場合に、「最後に故人さまに会いたかった」と悔やまれる可能性もあります。
火葬許可証を受け取る
故人さまをご火葬するためには、市区町村で火葬許可証を発行してもらう必要があります。
火葬許可証は市区町村の窓口で死亡届を提出する際に、あわせて火葬許可申請書を提出して発行してもらうのが一般的です。
申請書には、故人さまの本籍地や現住所、火葬場などを記入する必要があります。
書類に問題がなければ、その場で火葬許可証を発行してもらえます。また、死亡届と火葬許可申請書の提出は、葬儀社に代行してもらうことも可能です。
火葬許可証を紛失した場合、発行元となる市区町村で再発行できます。ただし、再発行は故人さまの直系ご遺族のみしか行えないため注意しましょう。
遺影を選ぶ
お葬式に向けて、祭壇に飾る遺影を選ぶ必要もあります。遺影はご逝去してからお葬式までの間に、ご遺族が用意するケースがほとんどです。
遺影は故人さまがお亡くなりになる、1~5年前に撮影したものを使用するのが一般的となっています。
これは、古い写真だとお亡くなりになった年齢と離れすぎてしまい、新しい写真だと病状が反映されている場合があるためです。
また、遺影に使用する写真に厳密なルールやマナーはありません。
かしこまった写真である必要はなく、スナップ写真を使用するケースもあります。故人さまが気に入っていたり、ご遺族の好みの写真を用いたりする場合も多いです。
いずれにしても、故人さまの人柄がわかるような写真を遺影にするのがよいでしょう。
お葬式を行う
お葬式は故人さまを悼み、ご遺族や遺された方たちが死を受け入れ、気持ちを整理するために大切な儀式です。
お葬式は以下の流れで進んでいきます。
- お通夜
- 葬儀・告別式
- 出棺
- ご火葬
- 収骨
- 納骨
収骨が終わったあとは、初七日法要や精進落としなどの法要も行われます。
なお、納骨については時期についての規定はありません。火葬を終えた当日や四十九日に行うことも可能ですが、お墓を新たに建てる場合は百箇日や一周忌に行う場合もあります。
故人さまがお亡くなりになってからの流れや細かい時系列、行事や手続きは以下の記事でも詳しく解説しています。
病院で亡くなった場合のよくある疑問
ここでは、病院で亡くなった場合のよくある疑問を紹介します。
病院で亡くなったときに最初にすべきことは?
故人さまが病院でお亡くなりになった場合、訃報を伝えるのが最初のステップです。訃報とは、ご逝去の事実を電話やメールで知らせることをいいます。
ご家族や親しい友人がお亡くなりになると、ショックや悲しみから訃報を伝えることができない場合もあるでしょう。
しかし、故人さまと生前深く関わりがあった方には、なるべくその事実を早く伝えてあげる必要もあります。
いざという場合に落ち着いて行動できるように、連絡が必要な方のリストを事前に作成しておくとよいでしょう。
伝える方法は電話やメール、SNS等ありますが、訃報は確実に迅速に伝える必要があるため、電話が最適です。
病院でどれくらい安置できる?
病院でお亡くなりになった場合、安置できる時間は数時間~半日程度です。
安置場所の空き状況によっても変わり、混雑している場合だと病室から直接の搬出が必要になる場合もあります。
このように、病院で亡くなった場合はなるべく早くご遺体を、所定の安置場所まで搬送しなければなりません。
また、病院の外にご遺体を搬送する際には、医師の書いた死亡診断書も必要となります。搬送先の安置場所までは、近親者の方に出迎えてもらうのが望ましいでしょう。
どのような手続きが必要?
病院でお亡くなりになった場合、死亡届以外にも以下の手続きが必要です。
- 年金の受給停止手続き
- 健康保険証、介護保険証の返却
- 運転免許証、パスポートの返却
- 故人さま名義で契約しているサービスの解約
- 高額医療費の払い戻し申請
手続きの内容によってはお亡くなりになってから7日以内や14日以内など、期限が設けられているものもあります。
特に区市町村ではさまざまな手続きが必要となるため、何度も足を運ばないように、必要な手続きをリスト化しておきましょう。
お亡くなりになったあとに必要となる手続きは、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、病院でお亡くなりになってからお葬式までの流れを解説しました。
病院でお亡くなりになったら故人さまと縁の深い方に訃報を伝え、お葬式の準備を進めていく必要があります。
病院で安置できる時間には限りがあるため、安置場所を決めるとともに、葬儀社も早期に見つけなければなりません。
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